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人魔大戦の解呪  作者: OZ
3/7

封死、解始。 「壱ノ裏」

 アナハイムが封呪の儀を行っている頃、別の場所で一つの悪意が暗躍していた。


「さて、これで準備も整ったわけだが……」


 顔も確認できないような薄暗い部屋にいる男は、静かに呟いた。

その言葉に反応し、薄ら笑いを浮かべる女が一人。


「世界が本来の姿に戻るまで……あと少しですわね」


 その声は少し震えていたが、それは恐怖というよりかは歓喜に満ち足りていて、それを抑えているような、そんな声だった。

 数秒の沈黙の後、男は一人で語り出す。 それは宣言であり、遺言であり、進言。


「人は本来の姿を取り戻し、内に秘めた人格を剥き出しにする。 我々はそれに協力し、解放するだけ。 望む望まないは関係ない。 私の意思こそが人類の総意であり、この意思こそが神が求めた答え。 ヒエラルキーは本来の形を取り戻し、世界は安寧の姿を取り戻す……」


「そう」

「これこそが」


男と女が交互に言い放ち、そして同じ言葉を発言する。


『血の雨計画』

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