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会話ベタなのにそれでも友達が欲しいとか考えてる僕は人生終わったクソだ。

作者: 奥田七久

 僕の名前は奥田七久おくたななひさという。四捨五入で三十路の未婚。恋人が存在したためしがない。

 日々趣味にいそしむオタクである。

 職種は接客業。荒れた心を録りためたアニメ鑑賞をすることで癒され、ネットゲームやネット小説を読むことで現実から逃避する。

 そんなよくある生活を送っている僕にだって夢はある。誰かに言ったことはないんだけど。

 それは、友達が欲しい。切実に。



 簡単に今までの友人履歴、またはしがない人生をまとめてみる。

 小学低学年のころ、男女分けへだてなく五人くらいいた。友達の家に親にアポなしで押しかけて。漫画を読んだり。ゲームで対戦したり。外で走って怪我したり。エセ恋愛ごっこがはやったり。

たぶんその頃が一番友達が充実していた。

 そして高学年同じ学校に通える範囲での引っ越しをし、その地区が悪かったのかな。いじめっ子又は教師に目を付けられたみたいで。

 主に三人いたいじめっ子に強制友達宣告げぼくをされ以来、友達というものが信じられなくなった。

 それからいわゆる無口根暗ぼっち生活のはじまり。後から親に聞いた話によると、表情と目が死んだ様な状態だったらしい。なにそれこわい、自分だったら絶対そいつとは友達になりたくないね。

 なんやかんやでいじめっ子の一人が転校し、一人はターゲットを替えながらいじめをする常習犯により保健室登校。乗り換えか。今になってはその人ら、どうでもいいんだけど!

 話せる人はいたけどあいさつのみ。

 最高学年になり一応は自分の無口の状態も落ち着いた。


 しかし中学生になり、三年間同じクラスの友達? 一人いたけど、さらに人見知りと会話苦手に拍車がかかったようで無口は治らなかった。一日あいさつすらまともにできなく終了した日もあった。隣の席の不良リーゼントくんも驚きの無口っぷりである。

 帰宅し無力感で一人涙した日も多い。部活はあえてゆるい科学部を選んだ。だいたい振り子の実験の記録係や、ガラスの棒を切ってマドラー作り、または寝るのどれかをすればいいだけの暇な活動内容だ。美人な顧問も一年だけいた。おすすめ。

 高校へは思い切って苦手な知り合いがほとんどいない所へ進学した。もちろん友達?とも別れた。クラス内ぼっちで日々無気力に過ごした。唯一の楽しみは中学の時顧問が苦手で避けた美術部へ入る。

 昼飯だけ共にする昼友のグループに入れたが、基本ぼっちだった。同志ぼっちが昼飯のグループを転々としているのを見ると、心から涙する。

 内心は一番穏やかな時期だと思う。成績は底辺だったが。

 そしてなんとなく「絵かきたいな」という夢を見ていた状況のまま、県外のイラスト専門学校へ進学した。

 初の一人暮らしで浮かれたまま入学式、そして放課後クラスメイトでない一人を誘い遊んだとか我ながらはた迷惑な行為をした。

 その対照的に学校生活は徐々に下降を見せる。とりあえずグループには入ったがやはり無口から抜け出せなかった。同クラスにまたぼっちがいる。見てると苦しい。 

 サボり、遅刻常習犯、単位足りないときた。夏、皆より遅れて卒業した。

 そして学校との連絡もしないまま数年経った今非常に危機感を覚えている。小中同じの友達?は二か月に一回連絡があるかないか。

 内容も「アドレス変更しました。登録お願い致します」「了解しました」という定型文のみ。もはや知人の枠に下がってしまった。

 知人から友人にランクアップするには? 本当の友達とは何なのか。自分なりに考えてみた。


   × × ×


 検索ワード、『友達のつくり方』。うーん、いまいち目的のページがないなぁ……。


 自分が思う友達の定義。

 一、あいさつをする。うん。基本それしかできない。

 二、メールの返信をする。ん? 

 三、一緒に出かける。自転車なら。

 四、一緒に食事をする。数合わせで連行された。

 五、会話が続く。あー謎の緊張感で続かない。

 六、家に遊びに行く。一方的ににお邪魔をしている。

 七、年賀状を送る。メールでなら。あっ、今年忘れた。

 八、物の貸し借りをし、期限以内に返却している。貸したまど○ギのBDまだか。

 九、相手の家族構成または事情を知っているか。世間話程度には。

 十、相手がいないときに相手の悪口を言わない。別の人の悪口でも自分が言われていると錯覚するからいわない。

 十一、相手の趣味特技を知っていて、なおかつ……。趣味を仕事に出来たのか、またはこれから目指す気持ちがあるのか。自分にはきけない。ここまで。



 一人だけいる知人とコミュニケーションを深めることも大事だとは思うけど、今忙しそうだし、会う機会も少ない友達を増やすことを目標にしたい。

 そういえばアドレスに変えたので同級生だった人々に送ろうとした。

 だいたいアドレスが合ってないとエラーがでて泣いた。


   × × ×


 とりあえず今いる仕事仲間が身近かな。会話の練習希望である。

「昨日と温泉旅行に行きました」「×××××と飲みに行ってそのまま一泊です」うらやましい会話に混ざりたい。

 あいさつをした。小声で聞き取りにくいらしい。今までのあいさつは伝わっていない!

 最近の話題を試みる。「アニメ観た?」「ノイ○ミナ観てる」一言で終了。もっと話題を広げろ!

 「彼氏、いる?」のろけ始めた。今日も夜一緒に過ごすんだって。きいてはいけない。

 「学生だって? 大変ダネェー」自分は頑張っていない。言ってて悲しくなってきた。


 自分のダメなところしか浮き彫りにならなかった。

 大人にもなって会話ベタなのにそれでも、友達が欲しいとか考え夢を見ている僕は人生終わったクソだ。

 自分に問題があるようだ。


 話題を広げてみる。最近では旅行の話が多いな。

 一、とあるアニメのライブビューイングを深夜から朝まで観賞それからネットカフェ経由で昼野球観戦したよ。好きな野球チーム? とくにない。たまたま近かったから予約したら抽選で当たっただけ。

 二、名古屋でライブみる。駅から名古屋城周辺をうろつく。泊まりはビジネスホテル。

 三、発東京行き渋谷方面、所により下北沢のライブ行きました。泊まりはネットカフェです。十日前抽選の当たったから突発的に行きました。

 四、東京二回目なれたかんじで渋谷の同じネットカフェで寝泊まりし埼玉へ。そして同じ所にまた泊まる。


 ……ここまですべて一人旅の話です。

 趣味はネットです。一日一回接続最低十五分は欲しいですね。いつも最長六時間ですが、繋がらなくなると落ち着きがなくなります。

 何回か仕事上の仲間と飲みに行ってますが、ほぼ無口です。朝まで飲み増したが、これはウ○ン飲んでるだけでそんなにアルコールに強くもない普通です。酔ったところを見せたくないので適度に休憩入れてコントロールしてます。

 日常ではもとより、ネットでも会話できません。

 母。あ、この話題はやめとこう次回書く。

 オンラインゲームやネット上の掲示板でも会話できません。最初のコメントができるきっかけが欲しい。

 このままではダメで、将来のことを考えると、どうにかしないとなと思いまして。


 自分に友達ができないのは、たぶん今日雨が降っているから、とか変な方向に思考がそれてしまう。

 あの時友達が転校したのは、自分がダメなやつだったから愛想尽かしちゃったんだろうなぁ。

 いじめの末に保健室登校になったAも、

 中学高校とボッチなのも、

 クラス対抗の合唱コンクール当日に祖父が死んだのも、

 親の言うこと無視して県外へ、散々な結果になったのは、

 期待したアニメが面白くなかったのも、自分がダメなやつだから。


 犬の死に目に会いに帰らなかったのも、だから火葬場に行かなかった。

 あの時母の発症を気が付かなかった、すぐに病院に連れていける判断がなかったのは自分がダメだから。

 母の兄が続けて発症したのも、

 家の反対側の田んぼが埋められたのも自分が未熟なせいだ。


 自分が出来ないのは自分のせい。欲しいものは通販やオークションしてでも購入する。自殺マニュアルを買ったのも昨日誰かが急かしたせいだ。

 恋愛ゲームより友達作成ゲームが欲しい。無性に学園モノのジャンルにはまるのも、トモダチコレクションをプレイしても心が埋まらないのは友達がいなかったせい。

 将来の夢は、ただ夢だけなのも、

 最近夢であのときのいじめっ子がよく出るのも、

 もう一度生まれ変わったら学生になりたいと思うのも、

 試したけどなれないのも、

 貯金がたまらないのも、テストで百点がとれないのも、


 人生クソゲーなのも、全部友達がいないせいだ。


 もう一度やり直せるならば引っ越す前がいい。たぶん今とは別の人生とを送っていた、はず。

 それでも結果が変わらなかったら、それは自分の行いが悪いせいだ。

 昨日得した人が今日損をしたのは気のせいだ。今の今まで恋人や、抱きしめてくれた人がいないのは。

 全て自分の記憶に一つもないね。

 

 明日一日中晴れていたら、友達が一人出来る気がする。出来なかったらそこら辺漂っている雲のせいだ。


 帰宅した。いつも開いているカギが閉まっている。

 リビングに居る親はキャベツの山盛りを食している。家畜か。それを尻目に自室にこもる。

 室内の温度が低い。しかし体感温度は暑い。腹が減ったのでいつもの適温の飯と冷水を飲んで、眠くなるまでネットゲームをしよう。

 友達という理想の人物との会話もうそうが進展なく、今日も終わる。


 漫画やラノベで散乱したベッドには何枚もの紙が積み重なっている。

 タイトルは『友達作成マニュアル』。


小ネタ


・今日は少し会話が続いた(仕事で)。よし、もう話したくない!

・工事中の光がとてもきれいだ。虫のように飛び込みたい。

・よくある話、ちょっと仲良くなったと思った人に限ってすぐ仕事やめてしまった友達詐欺。


以上、最長の独白です。今日はバレンタインデーですね。結果は散々★ブラックデ―万歳!

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