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介護士として  作者: レフ
1/3

それしか出来ない

「ごめんなぁ」と その人は泣いた

私が食事の介助をしている途中での出来事だ


食べこぼしを受け止めるために広げたエプロンの下で

自由自在を失った手をゴソゴソと動かしながら

その人は泣いていた


他人に介助されることを情けなく思っているのかもしれない

自分の手で食事をしようともがいていたのかもしれない

それとも

何か過去の後悔でも思い出して 悲しくなったのかもしれない


そんな推測ばかりして 私は

涙の理由を 何となく訊けなかった

きっと 私では解決出来ない理由で

この人は泣いているのだと

そんな逃げ道を自分に作って

あくまでも介護士として笑顔を作って

「いいんですよ」と 言葉をかけて

冷めたおしぼりでその人の涙を拭くことしか 出来なかった

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