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黒龍皇の血統  作者: 現野 イビツ
虹色の巫女と金眼の悪魔
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第一話 一年の始まり

こんにちは、現野 イビツです。今回は、世界観の設定が殆どになりましたが、是非読んでみて下さい。

ここは、魔法という理が存在し、純粋なる人間――純人の他にも、亜人や魔人などが住む世界――“ファンタジア”。ここは、二十年程前までは平和な世界だった。しかし、今の魔人族の長――“魔王”ルシフ・アーテル・グラジオラスが玉座に着いた時から、魔人達が純人や亜人達を襲い始めた。

時が経った今でも魔人達の侵攻は止まらず、世界は“純人と亜人”、“魔人”の二つの勢力に分かたれた。

……しかし、そんな時代の中でも、頑なに中立を貫き続ける国がある。

その一つが、“ファンタジア”最大級の国にして、最強の幻獣“龍”が治める国――シュヴァルツシルト龍皇国だった。




「クロー様。出掛ける支度は出来ておいででしょうか?」

「あ、ちょっと待って!」

部屋の外から響いてきた言葉を聞いた僕――神刃 クローは、鏡台の横に置いてある時計に目を向ける。そこでは、長い針が十二、短い針が八の数字を指していた。

「うわっ、遅刻しちゃう!」

僕は慌てて漆黒の髪を櫛で梳いて、鏡台に置いてあった伊達メガネをかける。そのメガネの奥の、瞳の色は金ではなく黒。

僕は、自分の意思で自らの姿を限りなく純人に近付けることの出来る、非常に常識外れな亜人だ。

パッと見では、純人との見分けが付かず、唯一の特徴である喉の鱗も、鏡台に置いてあった黒のチョーカーで隠す。

その後、シャツとブレザーを急いで着込み、ベッドに置いてあった鞄を掴んで部屋を出る。

「おはようございます、クロー様」

「おはよう、アパ」

部屋を出た瞬間に声をかけられたので、僕はそこにいた父の配下――白龍アパティオンに返事をする。と言っても、昨日洞窟にいた時のような、巨龍の姿で待っていたワケではない。そもそも、巨龍サイズじゃ、純人用に造られたこの家には入れない。

アパは今、給仕服に身を包んだ、白髪赤瞳の美少女の姿になっている。……一応、雄なのに。

「クロー様、学校の方は間に合いそうですか?」

「走れば何とかなりそうだよ」

「それは良かった。高校生活の初日に遅刻だなんて、“黒龍皇の血統”としていけませんからね」

「……血統は関係ないよ。それに、中等部から高等部にあがるだけなんだけどね」

「それでもです」

アパはそう 言いながら、僕のブレザーの衿を正していく。

それが終わったのを見た僕は、急いで靴を履いて外に出ようとする。

「あ! クロー様、少しお待ちを」

「? アパ、どうかしたの?」

が、アパに呼び止められた僕は、一瞬足を止めて後ろを向く。

次の瞬間、クローの前でアパが変化・・し、一つの生物の姿になった。

「……アパ。何、その姿?」

「謎の生物にございます」

僕に胸を張ってそう言うのは、四角く灰色のボディから、尖った白い手、足、尾、頭と羽のような何か・・を生やした、まさに謎の生物だった。

その生物(多分、アパ)は、背面にある羽状の何かを動し宙に浮かぶと、僕の鞄の中に飛び込んできた。

「えーと……アパ? 何してるの?」

「クロー様の手伝い、でございます」

「手伝い? ……あぁ、そうか」

アパの言葉を聞いた僕は、今日がどんな日か思い出す。

今日は、僕の高校進学の日であると同時に、僕の十六歳の誕生日――つまり、龍族の掟に従って番候補を守り始める・・・・・日である。

僕は、アパに「よろしくお願いするよ」と言うと、ドアを大きく開ける。


「さて、学校に行きますか」

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。感想・アドバイス等がありましたら、是非教えて下さい。次回“エクシリオン魔導学園(仮題)”では、遂にクローのお嫁さん候補の一人目が登場予定なので、こうご期待を。

以上、現野 イビツでした。

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