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黒龍皇の血統  作者: 現野 イビツ
虹色の巫女と金眼の悪魔
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第十六話 蝙蝠襲来(3)

進級&新作の執筆で、投稿が遅れました。

本当に申し訳ありませんでした。

この世界──“ファンタジア”に置いて、魔法を使う術は無数に存在する。

魔獣のように、自らの体そのものに魔力を付与する方法。

幻獣のように、自らの体を媒体にし魔力そのものを放つ方法。

魔陣士のように、特殊な魔法陣を使用する方法。

魔剣士のように、特殊な魔道機関が組み込まれた武器・魔道具を使用する方法。

魔法薬師のように、自分で調合した魔法薬ポーションを触媒とする方法等がそうだ。

しかし、これだけ多くの魔法の使用方法があっても、大概の人間や幻獣はとある一つの方法を使用している。


──それが、“詠唱”だ。


使用方法は、至って簡素シンプル

解放唱詞ワードと魔法名を発声することで魔法陣を展開し、そこから魔法を発現させる。

ただ、それだけだ。

この方法だと、上記のように魔法陣やら魔法薬ポーション等の手間の掛かる媒体を用意する必要もないし、自身の体を媒体にしているワケでもないので安全性が高い。

こんな利点があるからこそ、“詠唱”という方法は重宝されているワケだが。

この方法、魔獣はまず使うことが出来ない。

それもその筈、“詠唱”というのは人間が創り出したモノなので、人語を使えないとそもそも使用が出来ないのだ。

しかし、だからこそ…、




……目の前で“詠唱”を開始した合成獣キメラを見た私達は、比喩でもなく硬直してしまった。




『──蠢け、“錆朽騒音ラスターノイズ”』

蝙蝠型の合成獣キメラ……その胸に付いた蝿の頭からその言葉が聞こえたと思った瞬間、私達三人は確実な勝機を咄嗟に捨てて本能的にその場を離れた。

結果としては、その行為が私達の命を救ったワケだが。

私達が防御魔法を解いて回避行動を取った瞬間、私達が今までいたその場所に赤銅色の目に見える・・・・・音波が当たり、床一面が錆び付いた・・・・・

「「「なっ……!?」」」

それを見た私達は、思わず絶句をしてしまう。

「何だよ!? この得体の知れない魔法!?」

「風属性の共鳴と、土属性の酸化の合成魔法……?」

直剣を構えながらそう聞くガオンくんに、ハノンちゃんが呆然と答えた。

二人とも、目の前で起きている現象が信じられないのか、目を大きく見開いている。

その気持ちは、私も痛い程に理解していた。

いくら合成獣キメラとは言え、魔獣であることに変わりはない。

それが、“詠唱”をした上に、その魔法が熟練の魔法使いでもなかなか使うことが出来ない、二つ以上の属性を合成した魔法を使ったのである。

これに気付いて恐怖しない方がおかしい。

私は体中に走る痛みを無視して何とか立ち上がると、急いで状況を確認する。

「ガオンくん! ハノンちゃん! 怪我はない!?」

「おうっ!」「こっちは何とか……」

どうやら、二人とも怪我はしていないようだ。

しかし、肩で息をしているところを見ると、それなりに疲労をしているのが見て取れる。

これでは、武器どころか魔法すらまともに使えそうにない。

「どうしよう……」

私は、武器庫の壁に目を走らせながら、小声でそう呟く。

この武器庫で戦っている以上、武器が尽きる心配はない。

……が、お世辞にも広いとは言い難いこの空間では、翼撃ガストや先程の音波を回避するのが不可能に近い。

ならば、私達に残された手段は四つ。

一つ目は、合成獣キメラを倒すこと。

しかし、実力的にこれは不可能だ。

二つ目は、このまま諦めて死を覚悟すること。

勿論、こんなんのは論外。

三つ目は、この部屋から飛び出して、せめて戦う場所を変えること。

これが一番の上策であり、上手く行けばそのまま逃げることも可能だ。

しかし、先程“錆朽騒音ラスターノイズ”を回避したことにより、私達は合成獣キメラを挟んで武器庫の扉と反対側の場所に来てしまっていたために、この方法を取るのは難しい。

だから……私が選ぶのは四つ目の手段。

私は顔を上げると、大声でガオンくんに指示を出す。

「ガオンくん! 防御魔法を発現しながら前衛に回って!」

「──了解! ついでに、攻撃の方はいいのか?」

「それは態勢が整ってから。それも牽制程度で十分だから」

「……成る程。そういうことか」

ガオンくんは私のしようとしていることに気付いたのか、口元に肉食獣のような笑みを浮かべながらすぐに詠唱を開始した。

それを見ていたハノンちゃんが私に声を掛けてきた。

「白鏡さん、私は……?」

「ハノンちゃんは……私がガオンくんの後ろで治癒ヒールと防御魔法の発現をやって」

治癒ヒール……うん、分かった。じゃあ、まず白鏡さんの怪我を……」

「ううん、待って。私の怪我はいいから、出来るだけ魔力を温存して」

「え? どうして?」

「ここからは持久戦・・・だからね。治癒ヒールは最低限、ガオンくんが怪我した時くらいにして」

「それじゃあ……白鏡さんは?」

「ハノンちゃんと交代・・で後衛を。ガオンくんには悪いけど、私達は片方が後衛をしている時は、片方は休憩をして魔力の回復に専念するようにする。そうやって、相手の攻撃を凌ぐ」

「──! それって、つまり……」

「そう」

ようやく私の作戦に気付いたらしいハノンちゃんに、私ははっきりと告げた。


「私の狙いは……時間稼ぎだよ」


活動報告!

・前回の話を投稿した後、無事50000PV突破に成功しました!

これも、皆様のおかげです!

本当にありがとうございました!!

今は、58000PVを突破していますが、またまだ上を目指して頑張って行きます!

・感想・レビュー・ポイント・挿絵・“日常”のリクエスト等、色々と募集しているので、よろしくお願いします!

もし挿絵を描いて頂けたなら、お礼と言う形で、そのキャラがメインの短編を書かせて頂くので、挿絵は本当に宜しくお願いします!

あったら、モチベーションが上がるので!

・それでは、次回“蝙蝠襲来(4)をお楽しみに。


以上、現野 イビツでした。

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