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狂科学時代  作者: アサト
7/19

幕外

学校のグラウンドを一人で歩いている。教授の姿に興が冷め教室から出てきたのだが。

狂科学を打倒したよるはこんなにも気持ちが良いのだろうか?それとも夜風が気持ち良いだけだろうか?

「月が綺麗だな。新月って言うんだっけ?これ?」

はてさて、最近物忘れが激しいから困るな。

「新月じゃない。三日月だ。これ位は常識だから覚えていた方が良いぞ。」

グラウンドの向こう校門の人影が答える。

「ありがと。この頃物忘れが激しくてさ。」

おそらくは狂科学の副作用だろうな。怖い怖い。にしてもおかしいな。近親感どっかで見たことあるぞこの影。

「ところで、君だぁれ?」

目の前のゾクゾクさせるような感覚。この感覚の根源は何なんだろう?

「お前こそ。その服の刺激臭なんだ塩素系の薬品かチタンの合成金属か何かつけてるのか?」

影が揺れる。心踊る駆け引きに饒舌になってしまう。

「君こそ馬鹿じゃないのかな?チタンは匂わないでしょ。常識的に考えてさ。」

「俺が言いたいのはそんな事じゃないよ。分かってるんだろう?お前のその匂いは超金属である『超銀』の制御『前』の匂いだ。そんな物を身につけて生きてるなんて普通じゃないよな。」

この影は人を馬鹿にするのが得意らしい。どうにも困った。口ではあっちの方が断然上らしい。

「源葵を殺したな?」

「誰それ?」

オチョクッテミタ。

「ウソウソ。睨まないで。あの女の名前そんなんだったかな?教授もそんな事言ってた気がするし。そうだね。正確には現在進行形で殺してるところかな?」

答えを聞き右腕に影は何かを持ち出す。これって銃じゃない。ちょっと待ってお巡りさんヤバイです。危ない人がいます。助けてください。殺されるー(笑)。

「ちょっと待ってどこから出したのソレ?っていうか何なのソレ?」

校門の影はゆっくりと近づいてくる。ファイティングポーズを構え『コイや』の構えを取る。

一触即発の間合いを取り、仕合が始まる。筈だった。

「アレ?コレってバトルパート突入って流れじゃなかった。何でいっちゃうの?」

そのままあっさりと校舎の方に通り過ぎて行った。

「戦うにしても後にしてくれよ。デートの予定があるんだよ。」

後ろでに手を振り影は校舎に消えていった。真黒の校舎に消えていった。

「チェッ、毒気抜かれちゃったな。」

悪態をついて、帰路に着いた。何だよ。こんな悲しい悪役居ないだろ。


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