序章
時は西暦2100年。本当の西暦で言うと2200年。
知ってるだろうが、西暦っていうのはキリストが死んでから何年たったかって奴だ。
それが何で途中で止まってるかって?簡単な話だ。キリストの生まれ変わりって奴が現れたからだ。
2100年通称『創世の日』
彼はいきなり現れて、世界に対してこう言った。
『俺が世界を救ってやる。』
いきなり現れた彼を世界は疑った。しかし、彼はそのすべてを実現した。
エネルギー問題。全く考えられない鉱石を次の日には持ってきた。科学者達が狂喜した。
温暖化問題。彼はすぐに変わると無責任に言い放った。そして変わった。科学者たちは嫉妬した。
先進国は喜んだ。これで更に世界は進むと。進歩すると。
だが、残念ながら今この世界を統べてるのは大統領でも何でもない。昔の古びた資本主義なんてとっくの昔に滅びてる。
何故かって?当時考えられる苦痛から逃れられた人類は彼を神と崇めた。つまり、彼はその時に限り神になったんだ。
神様が現れて世界は平和になった。それからの十年間あらゆる災厄も戦争も無かった。
しかし、そんな十年間も今では『空白の十年間』と云われ忌み恐れられている。
そして転機点が訪れた。人が神の知識を欲しだしたのだ。
そこから、狂い始めた。人と人が争い始めた。今までの戦争の比じゃない。彼が持ち込んだ技術は人を進化させ、より良い殺し合いを演じさせた。
「このままじゃ。皆死んじゃうね。」
彼は人事の様に呟いた。力の無いものは彼に争いを無くしてほしいと糾弾した。しかし、彼は嬉々として首を横に振った。
「こんなに面白い事は他には無いよ。君たちも殺しあってみては?」
彼は神などでは無かったのだ。彼は悪魔だった。否、彼の持ち込んだ技術こそが悪魔だったのだ。
しかし、当時の人間はソレに気付かず、彼を殺した。
彼が言葉を唱え終えた時には、彼は倒れていた。
当時の国のトップが彼を撃った。
考えられない様な技術と容量を持った彼は信じられない程あっさりと絶命した。
彼の死が世界に与えた影響は限りないものだった。彼を撃ったのが一般人であったなら、ここまでの事にはならなかったかもしれない。
愚問だが彼を撃った奴がどうなったかって?殺されたよ。むごったらしく、頭を張り付けられて。体と頭が永久にさよならしてたらしい。
殺したのは彼を慕っていた科学者の内の誰かと言われているし、もしかしたら全員かもしれない。
こうして国のトップを失った世界は又バラバラになった。彼は世界をバラバラにする為にやってきた悪魔かもしれないとその後十年ぐらい囁かれた位だ。
そして、口にするのも馬鹿らしい『狂科学時代』が始まった訳だ。
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