表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

戸惑いの中での出会い

小さい頃、物置に閉じ込められたことがある。


犯人はお父さん。


おもちゃを片付けない私へのお仕置だった。


物置は暗くて。


土臭くて。


とにかく嫌な場所だった。


それのせいか、その日から私は狭い場所や暗い場所が大嫌いになった。


そんな私は今、異世界に居る。


「え〜っと...」


「今、どういう状況...?」


1人、声を零す。


目の前には知らない街が広がっていた。


外国の街並みのようででもなんか色使いが違う。


しかも服装も違うせいか、


そこら辺を歩いてる人達にガン見されている。


「とりあえず...」


「いや本当にどうしよ...」


行き場も無い私。


1人になるために隠れようとして路地裏に入って何か起きましたってなったら確実に詰み。


「お嬢さん、どうかしましたか?」


そんな時、誰かから声をかけられた。


振り返ると目の前には背の高いイケメンが...!


こんなかっこいい人、見たことない。


というか目の色がそもそも違うような...


「あの...僕の顔になんかついてます...?」


ジロジロ見ていたせいか、


そんなことを言われてしまう。


「あ、違っ...」


「...すいません......」


言い訳が特に思いつかず、謝ってしまう。


「それでお嬢さんはどこから来たんですか?」


「それが分からなくて...」


そんな返事を返すと明らかに困っているような表情を見せた。


「あー...ちょっと待っててね」


そんな優しい声を私にかけ、


少し離れた場所へ行く。


凝視して見るに、


何やら小さな魔法陣のようなものが見えた。


「何あれ...」


1人小さい声を零す。


もしかしてここ、異世界?


でもなんで...


確かに異世界系漫画は好きだけれども。


というか私は転移する前、何してたんだっけ?


「思い出したら原因分かるかな...」


そんな声を零すと


「お嬢ちゃん、思い出すって何をだ?」


とおじさんのような声が聞こえた。


「え?」


「記憶でも失くしたのかぁ?」


「違くて...」


「それよりいい服着てるね」


「どうだい?俺と────」


ペラペラと話すおじさんのテンポについていけず、困っていると


「僕の連れから離れてください」


とド低音ボイスの先程のイケメンお兄さんが助けてくれた。




「大丈夫でしたか...?」


「ありがとうございます...!!」


そう私が声を返すとなぜかイケメンお兄さんは顔を逸らした。


もしかして何かやらかしちゃったとか...?


そう不安に思っていると


「冒険者ギルドに行きましょう」


「そしたら君のこと何かわかるかもしれませんし」


そう言われ、私とイケメンお兄さんは冒険者ぎるど?へと向かうことにした。


「そういえばお嬢さんの名前はなんですか?」


さっきからお嬢さんお嬢さんってばっか言われてる...


てかこの人、何歳なんだろうなぁ...


「あのお嬢さん...大丈夫ですか...?」


「さっきからぼーっとしてるような...」


考え事をしてて全く聞いていなかった。


えっと...名前?


「リフィーです」


『リリ』と言おうとしたのに噛んでしまった。


だが、新しく名前を変えるのも悪くないかもしれない。


そう思い、私は間違ったままにした。


「リフィーですか...」


「僕の名前はルクュートです」


「るきゅゆーと?」


「いえ、ルクュートです」


ニコニコな笑顔で返されるが発音が無理難題すぎる。


「...では、『ルク』と呼んでください」


「るく...ルク!!」


「さん...」


「『ルク』でいいですよ」


え、呼び捨て...?


いいのかなぁ...そう考え事をしていたせいか


「ルクは、何歳なんですか?」


と勢い余って聞いてしまった。


「歳...ですか」


「僕は24です。」


「女性に年齢を聞くのは失礼だと思いますが、リフィーさんのご年齢は...?」


「22です...」


年下かと思ったらまさかの年上...


やっぱり人を雰囲気とかで判断しちゃダメなんだなぁ...


「案外歳近かったんですね」


え、『お嬢さん』って呼んでた理由、私が子供だと思ってたからってこと?


そう思っていると


「あ、着きましたよ!」


「ここが冒険者ギルドです!!」


と大きな建物を指差す。


ぎるど...


残念ながら私は漫画をあまり読んでいなかったせいか、よく分からない言葉がいっぱいだった。


それにファンタジー系の漫画なんて特に。






「では、リフィーさん」


「ここに手をかざしてください」


そう言われ、


水晶玉のようなものに手をかざす。


と、目の前に何やら薄いボードのようなものが現れた。


「えっ?」


「これはスキルボードって言って、自分の能力や特性などを見れるものなんですよ」


不思議そうにしているちギルド受付の女性にそんなことを言われてしまう。


「「遮断...?」」


ルクの声と重なる。


「新しいスキルでしょうか?少し調べてきますね!」


そう言って受付のお姉さんはギルドの奥へと行ってしまった。


「リフィーさんのスキルは『遮断』ですか...


「あの...」


「何ですか?」


さっきからムズムズしてしょうがない。


私は呼び捨てでルクのこと呼んでるのに、


ルクは私のことをさん付けで呼んでる。


「私のこと呼び捨てでいいです...」


「逆にいいんですか?」


「そっちの方が距離遠く感じないので...」


「では『リフィー』と呼ぶことにしますね!!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ