ミニ物語~フランス人形~
蒼い瞳にブランドの髪。私が小さいときにおばあちゃんに買ってもらったフランス人形。
最初は凄く大事にしていたんだけど、だんだん興味も薄くなって今ではタンスの上に置きっぱなしにしてある。
明日はゴミの日ということで部屋の掃除をしていた。
少しして一息付こうとした時、タンスにぶつかって上に置いていたフランス人形が落ちてきてしまった。ずっと置きっぱなしにしていたから埃まみれだ。
「持ってても場所取るだけだしなぁ」
私はフランス人形をゴミ袋に投げ入れると掃除を続けた。
一週間後。
今日は両親とも仕事で帰るのが遅いらしく、私は一人部屋で夕飯を食べていた。
部屋も片付いたし、たまには部屋で食べるのも悪くない。
チャラララ~チャラララララ~
携帯がなった。開いてみると『トモダチ』と出ている。
トモダチ?誰だろ・・・。
通話ボタンを押し、耳に当てた。
「も、もしもし・・・?」
「今アナタノ家ノ前ニイルヨ」
ツー ツー ツー・・・
・・・誰?
ちょっとカタコトだけど少女のような可愛らしい声。
聞いたことない声だった・・・。
間違い電話かな・・・?
チャラララ~チャラララララ~
また、電話が鳴った。開くとまた『トモダチ』と出ている。
通話ボタンを押して耳に当てた。
「・・・もしも」
「今アナタノ玄関ノ前ニイルヨ」
「!?」
玄関の前・・・?・・・私の家の?
チャラララ~チャラララララ~
「!!」
嫌だ 怖い 取りたくない・・・。
チャラララ~チャラララララ~チャラララ~ラ~チャララ・・・
十秒ほどして切れた。
ホッと息を付いたとき。
「今アナタノ部屋ノ前ニイルヨ」
切れたはずの携帯から、少女の声が漏れた。
なんで・・・!?通話ボタン押してないのに・・・!それに部屋の前って・・・まさか・・・!きっと間違いよ・・・!!
「今アナタノ後ロニイルヨ」
「!!!?」
三日後、行方不明になった一人の女の子の捜索願いが出ていた。
たまにはありきたりっぽいのが書きたかった!!