ヤンデレカップルと学年一の美少女
「いじめ?」
ここはとある高校の屋上。昼休みに恋人である藤堂つかさと二人で昼食の弁当(彼女作)を食べていると、つかさが神妙な表情で頷いた。
「同じクラスの『住良木雫』って子、知ってる?」
「知らん」
「だよねー…。一応学年一の美少女って言われている子なんだけど」
「自称?」
「他称」
「ならそれなりなんだろうな」
そういいつつおかずを頬張る。正直学年一の美少女だろうが何だろうが関わりがないのなら記憶に残らない。ってかそう言うの下手に覚えていると目の前の彼女さんが何するかわからない。もともと誰かを覚えることができない俺が覚えるということ自体が特別になるからな。
「んで、その…なんだっけ?」
「雫ちゃんね。昨日、君休んだでしょ?」
「ああ。ちょっと体調不良でな」
「よく言うよ。おおかた昨日発売されたゲームを遊んでたんでしょ」
「それはどうかな!」
「アプリの方でゲームしてたのバレてるよ」
「負けました(´・ω・`)」
相変わらずの監視能力ですなー。俺の交友関係(ほぼ無だが)すべて把握しているだけのことはある。
「で、なんだっけ」
「もう話脱線させすぎ~。昨日の昼休み、一人でお弁当食べようと屋上来たんだけど、そこで雫ちゃんが一人で泣いていてね~」
「話を聞いてみたらいじめられていたっと」
「そういうことみたい」
「原因は?」
「女の嫉妬」
「怖いね~」
なまじ容姿がいいと男に言い寄られて変な嫉妬を受けることがあるからな。正直それでいじめられるのは理不尽極まりないとは思うが。
「んで?それを俺に言ってどうしろと」
「なんとかしたいんだけど、どうすればいいのかなーって」
「知らん、頑張れ」
「つ~れ~な~い~!」
ガクガクと体を揺さぶってくるが、特に気にもしない。
「友達になったし、何とかしてあげたいじゃん~」
「え、友達認定したの?」
「?うん、したけど…まずいの?」
「まずいとはいわんが…珍しいな、そんなすぐに友達認定するなんて」
こいつは社交性は高いが人見知りをする部分がある。表面上は仲良くしていても、壁を作り、友達認定することは滅多にない。
そんなこいつが会ったその日に友達認定するとはな。
「まあ、あの子裏ないみたいだし、悪い子じゃないからね~」
「さいですか。まあ相手が友人ならいつも通りにやればいいんじゃね」
「いつも通りか~、いいのかなやっちゃって」
「別にいいだろ。ってかそう言うの普通教師に話すのが定石だろ」
「一応話してみたんだけどねー。そういった報告はあるけど、証拠がないから下手に動けないんだって」
「なんだその警察みたいな言い分は。ふつうそれが事実かどうか調べるもんだろ」
「そうなんだけど、どうもそうもいかないみたいでねー」
「なんで?」
「ちょこっと調べてみたけど、どうも主にいじめをしている二人の親が権力者みたいでねー。どうにもストップかかってるみたい」
「権力ってやつか…!んじゃやっぱりいつも通りにやるしかないんじゃね?」
「やっぱりそうかな~。仕方ない、今日の夜に本格的に調べてみようかな」
「がんばれ~」
「少しは愛しの彼女を手伝うという気概はないの~?」
「俺が手伝うようなことなんてないだろ。ってか、俺の場合は畑違いだ」
「まあ確かにね」
納得したようでつかさは弁当をまた食べ始め、その後は他愛もない話をしながら昼休みを過ごしていった。
翌日
いつも通りつかさと昼食を食べた後、担任に何か頼まれたらしく、つかさはどこかへと行っていた。基本的に二人で行動しているが、たまにこうして別行動になるときがある。(まあ大半がつかさが頼まれた担任の仕事の手伝いから俺が逃げてるだけなんだが。)
こういう時はたいてい俺は校内を散策している。今も腹ごなしがてら散歩しているのだが…。
「なんか面倒なことが起こってんなぁ」
俺の進行方向、人通りが少ない…というかまずめったに人が通らない校舎裏にて一人の女生徒が二人の女生徒に絡まれていた。さて、こういう時は基本的に見て見ぬふりをして退散するのが一番なんだが、ふと昨日つかさが言っていたことを思い出した。
なんかつかさが友達認定した…なんだっけ、住良木だっけ。その子がいじめられているとか言ってたな。
ふと思い出したのでポケットからインカムを取り出してつかさへと電話をかける。
『もしもーし、どうしたの?』
「なんか校舎裏で一人の女子生徒が二人の女子生徒に囲まれているんだが」
『女子三人で百合!?』
「これ放置していいか?」
『せめてツッコミが欲しかったなぁ…校舎裏だよね、え~っと…ああ、もう動いたんだ』
「昨日言ってたことか?」
『うん、これからそっち行くから時間稼いでおいて~』
「かったりぃ…」
『まあまあ。あ、あと通話は繋いでおいて。こっちから姿は見えるけど声は聞こえないから』
「へいへい」
そう答えると共にインカム越しにタップ音が聞こえてきた。おそらく録音しだしたんだろ。
歩き出す前に少し空を見てみるとドローンらしき影が見えた。おそらくあれで監視してるんだろう。(主に俺を)
俺が建物の影から姿を現すと、三人の視線が自然にこちらへと向いた。
加害者側である二人は睨むように俺を見ており、被害者側の一人は怯えた目をしている。
「…なによあんた」
「あ?なんだろうが別にいいだろ」
「なんでこんなところにいるのかって聞いてるのよ」
「散歩。そういうお前らはこんなところでこそこそといじめか?陰険な奴らはやる場所も陰気な場所なんだな」
「なんですって!?」
片方がぎゃーぎゃー騒いでいたが、俺は特に気にせず住良木の方を見た。
住良木は俯いてこちらのほうを見ないようにしているので、表情まではわからない。
俺は考え込む感じで口元へと手を持ってきた。
「あとどれくらいだ?」
『あと2分くらいー』
「了解」
小声で問いかけるとそう返ってきたので俺も端的に返した。そんな様子を見てもう片方の女生徒が笑みを浮かべていた。
「なんだ、よく見てみたらいつも不愛想に本を読んでいる奴じゃない。陰気な奴だと思ってたけどアンタも結構とミーハーなんだね」
「あん?」
「学年一の美少女とか調子に乗ってるこいつにいいところでも見せようって言うの?あー、いやだいやだ男って本当に下劣で」
「なんだ?ないものねだりからの僻みはみっともないぞ」
「なっ!?あんたね…!」
ギャーギャー騒ぐのが二人に増えたが、俺は特に気にすることはなかった。それより…
『………(タンタンタン)』
インカム越しにタップ音が聞こえるのだが、その割に一切喋らないつかさが怖い。
大丈夫かなー、機嫌悪くなってなければいいんだが。機嫌が悪くなりすぎると宥めるの大変なんだよなぁ…。
『ついたよー』
「ん」
短い返事と共に俺は振り返り、加害者二人もその視線を追うように俺の後ろへと視線を向けた。
「やっほー♪」
右手にスマホ、左手にカバンを持ったつかさが笑みを浮かべてこちらへと近づいてきたが…。
「………(ニコニコ)」
あ、この笑顔はやばい。キレてる時の笑顔だ。巻き込まれないようにそーっと…
「どこいくの?」
「あ、はい(´・ω・`)」
無理でした。
若干肩を落としつつもつかさの隣へと戻る。つかさが来たことによって加害者二人への攻撃は俺からつかさへと変わっていた。
「あんたは…そいつといつも一緒にいるやつよね。何しに来たのよ」
「………」
つかさは問いかけには答えず、ただじっと住良木を見ている。
「雫ちゃん、大丈夫?」
「あ…つかさちゃん…」
声をかけられ、住良木の表情が若干和らいだ。
つかさが友達認定していたが、どうやら本当に仲がよくなったようだ。ここまで仲が良くなるってことは裏がないのは事実か。つかさは人を見る目はかなりあり、おそらく会った日に彼女の事を少し調べただろう。そのうえでこれだけ仲良くなったんなら、彼女は悪い奴ではないんだろうな。
「雫ちゃん、こっちおいで」
そういって手招きするが、住良木は動こうとはしない。それもそうだろう住良木とつかさの間にはいじめている二人が立っているんだから。
「GO!」
「へいへい」
ピシッと俺の方を見て掛け声を言うので俺は呆れつつ、二人を押しのけるようにどかして住良木の手を掴んでつかさのところまで連れて行った。
「ちょ、あんたなにするのよ!」
抗議してくるがそれらは完全に無視しておく。聞く理由も必要もないしな。
その間にもつかさは片手間にスマホを弄っている。
「で、つかさ。そろそろ終わりそうか?」
「んー、もうちょっとかな。いかんせんやってることがやばすぎてねー」
「まじで?」
「うん、売春にもみ消し、賄賂等々…探り出したらどんどん埃が出てきてるよー」
「そこまでとはひっでぇな」
「あんたら私達無視して一体何の話してるのよ!」
しびれを切らしたように片方が喚いているが、俺達は特に気にもしない。
だが、さすがに煩わしいんだろう。つかさはため息を吐いて俺を見た。これは俺に説明しろということだ。
「えーっと…なんだっけ?」
だが、残念だったな!こいつらの情報など俺はかけらも覚えていない!説明しようにもそれ以上の言葉が続かなかったので、それを見てつかさは再度ため息を吐いた。
「はい、これ」
そういってカバンから何枚かの紙を取り出して俺に渡してきた。それは顔写真付きのあの二人の資料で、そこに俺が知るべき情報が一通り書かれていた。
「んー…?へー…あんたら昔から気に入らん奴いじめて不登校や果ては自殺にまで追い込んでんのか」
「なっ!?」
俺の言葉に二人が驚きの表情を浮かべた。
「ん?しかも、事が公になりかけたらアンタらの親の力で黙殺までしてたんだな。いやー、あくどいね~」
「な…なんでそのことを…」
そこまで言おうとした片割れをもう片方が制した。
「そ…そんな証拠どこにあるって言うのよ!」
「証拠なら山ほどあるよー。今はここにはないけど出そうと思えばいくらでも」
「っ!」
「えーっと…これどっちがどっちの親だ?まあ、どっちでもいいか。片や教育委員会のお偉いさんで、もう片方は警視庁のお偉いさん。なるほど、これなら確かにもみ消しやすいな。えーっと?うわ、しかもアンタらの親もいろいろとやってんなぁ…。賄賂に売春…さっきつかさが言ってたことはここらかー。うわ売春に関しては斡旋までしてんじゃねぇか。これ芋づる式でいろんな奴が捕まりそうだな」
「ちょ…ちょっと!アンタらなにを話して…」
不穏な雰囲気を感じたのか、青い顔をしている二人が声をかけてきた。
「ん?アンタらとアンタらの親がやらかしたことだろ?それなりにお偉いさんみたいだから、これが世に出たら影響力は計り知れないねー」
「わ…私達を脅す気!?」
「おどすだなんて人聞きの悪い。せっかく人が親切に教えてあげたって言うのに」
「え…?」
「さっきあんたが聞いてきたんじゃねぇか。俺達が何の話しているのかって。あんたらがやったことを調べ上げておいたんだよ。んで、それをリークしようとしてる」
「なっ!?そんなことをしたら私達は…」
「別にいいだろ?アンタらだっていろんな奴の人生壊してきたんだから。えーっと、情報によると?気に入らない奴を二人でいじめて?飽きたら父親に差し出して売春させて?その結果自殺した子もいたみたいだがそれらをもみ消して。それだけあくどいことしてたんだ、自分たちの人生壊されたって文句言えねぇよな?」
「そ…そんな…!お願い!謝るから…謝るから許して!!」
「いや、俺達被害受けてないから謝られても意味ないし。謝るなら今までの被害者の子達にだろ」
「それにもう遅いよ。もう終わったから」
「え…?」
つかさがスマホをポケットに入れて俺の隣に来た。
「教育委員会、警察局、両方に情報を送ったよ。すでに公開されているはずだし、もみ消したら逆にマスコミに流れるようになっているから下手なことはしないほうがいいよ」
「そ…そんな…」
がっくりと膝を着いた二人を冷たい目で見据え、つかさが背を向けて住良木の元へと向かった。
「じゃ、いこっか」
「えっと…」
住良木はどうすればいいのかわからないような表情で俺達といじめてた奴らを交互に見た。
「もうこいつらは何もできないから放っておけばいいよ。この先何が起こっても全部自業自得なんだし。ほら、さっさと行こう」
俺は住良木の背中を軽く押してつかさと一緒にその場を後にした。
その後
数日後に教育委員会の幹部と警視庁の幹部が捕まったと報道された。事件の被害者たちに対して多額の慰謝料の請求、そしてその事件に大勢の人間が関わっており、かなり大きな騒ぎになった。まあ、俺はそれらの一件の事を完全に忘れていて、ニュースになっていた時につかさにそこらへんの話を聞かされたのだが。
そんなこんなでその話を聞いた昼休み。屋上に今は俺と住良木(俺は覚えていなかったが、かち合ったときに自己紹介された)の二人でつかさを待っていた。どうやら住良木はつかさにお昼を誘われたらしい。そしてその直後に担任に何かを頼まれて遅れるとのこと。
「なんだかすごい騒ぎになっちゃったね…」
「それだけ大きなことを起こしていたってことだろ」
俺は特に気にもせずに本を読み進めていく。さっさと飯を食いたいのだが、弁当を持っているのはつかさだから食えずにいる。(まあ、先に食ったらそれはそれであいつが不機嫌になるのだが)
「そうだ、あの聞きたいことがあるんです。つかさちゃんの事なんですが…あの子って何者なんですか?今回の事件の情報提供ってつかさちゃんがしたんですよね?一体どうやって…」
「あー、あいつかなり高いハッキング技術持ってるんだよ。警察の方にも時々情報提供して報酬貰ってるんだと。確か二つ名的なのもついてたはず、覚えてないが」
「そうなんですか?なんでそんな技術を…?」
「んー…確か…俺を護るためだっけかな?なんかそんなことを言ってた気が…ちょっと待ってて」
そういってポケットからメモ帳を取り出す。ペラペラとページをめくって書かれている文字を読んでいく。
「それは?」
「俺が忘れちゃまずいことを書いてあるメモ帳。俺、昔から記憶障害持っててな、短い時は数時間、長くても3日で起こったことを全部忘れちまうんだ。だから忘れないために必要なことはここにメモしておくようにしてるんだ」
「え…そう…なんですね…すいません…」
「謝る必要はねぇよ。知らんことを気にしろなんて無理な話だし、俺自身そんな気にしてないし。えーっと、あったあった。ハッキング技術だが、小学校の時、俺がどうも記憶障害の事でいじめられていたらしいんだよな。まあ、まったく記憶にないんだが。で、それを止めようにも力がないからって情報を集めることにしたんだと、で、情報を集める手段の一つとしてハッキング技術を学んだらめちゃくちゃ才能あったらしくてな、それが開花してホワイトハッカーとして活動をつづけたんだと」
「ホワイトハッカー?」
「なんかネットのセキュリティの脆弱性?とかを教えたりいろいろやってる職業らしい。詳しいことは知らんから勝手に調べてくれ」
「へー」
「んで、あいつはそのハッキング技術を使って犯罪の証拠とかを集めて匿名で警察に送り付けてるんだと。えーっと…あ、あったあったコードネーム「銀狐」ってのが警察がつけたあいつの二つ名らしい」
「へー…って、それ私に教えても大丈夫なの?」
「知らん。気になるならあとで本人に確認してくれ」
そんな感じで適当に答えて俺はメモ帳をポケットへと戻し、先ほどまで読んでた小説を手に取った。それと同時に屋上の扉が開いてつかさが出てきた。
「おっまたせー!お腹空いたからさっさとご飯食べよ!はい、お弁当!」
「ん、サンキュ」
つかさから弁当を受け取って三人で適当に座って弁当を広げた。
「二人で何の話してたの?」
「つかさの事。なんかホワイトハッカーの事を知りたかったみたい」
「ああ、あれか。教えたの?」
「メモ帳に書かれてる範囲の事をな。それ以外は俺も覚えてないし」
「そっか、まあそれくらいならいいかな。ただ言いふらさないようにはしてね」
「う、うん」
「ああ、あと俺が記憶障害ってことは伝えた」
「あ、そうなんだ。覚えられそう?」
「無理じゃね。多分明日には忘れてる」
「え、そう…なんですか?」
「まあ、いつもの事だからねー。覚えてもらうには頑張らないと」
「わ…わかりました!これからは毎日話しかけます!」
「やめとけ、そこの人、俺の事になると容赦なくなるからな。話しかけすぎて危険判定されると面倒だぞ」
「えー、そんなことしないよー」
「以前一回やらかしたことがあるってメモ帳に書かれてたが?」
「そんなことはないからそのメモ消しておいてね」
「覚えてたらな」
そう答えつつ弁当を食べていく。つかさはどこか不満げだがいつも通りの事なので弁当を食べ始めた。住良木も弁当を食べ始め、ワイワイとにぎやかな昼食タイムへとなったのだった。
雑なキャラ紹介
東雲 刹那
記憶障害の男の子。
幼いころから物事を覚えることができず、それが原因でいじめられていたのだが、そのいじめでさえ覚えていないので一切メンタルが傷ついていないというある意味図太い性格の人物。
つかさとは幼馴染であり、つかさが情報収集のためにプログラミングを勉強した際に一緒に学び、アプリ開発に関してかなりの才能を開花させた。しかし、持ち前の記憶障害の弊害により、アプリ開発の途中で内容を忘れてしまうこともしばしば。だからそれ専用のノートがあり、それを読みながらアプリ開発をしている。作ったアプリはつかさが販売などをしており、そういった交渉もすべてつかさが担っている。
つかさとは中学の時に恋人同士になったのだが、本人は告白した記憶が一切ない。しかし、つかさから告白されて付き合っていると何度も教わったことで、そうなのかと納得して恋人同士になった。小学校の頃にいじめに遭っていたのだが、それを心配したつかさに常に監視されているのだが、本人はそれを特に疑問に思うこともなく受け入れている。
現時点で刹那が覚えているのはつかさとつかさの家族。自分の家族と唯一一人だけいる友人だけである。
ちなみに作中で一度も名前を呼ばれなかったのだが、それは作者がどこまで名前を呼ばれずに作品を書けるかという思い付きの産物によるもの。
「解せぬ」
藤堂 つかさ
刹那の幼馴染で恋人。
物心つくころから刹那と一緒におり、記憶障害にも理解があって、それが原因でいじめられている刹那を何度も見ていた。その光景を見て自分が刹那を護らないと!という使命感が芽生え(刹那や刹那の家族に頼まれたわけではない)力で勝てないからと情報戦をメインにするためにプログラミングを学び、相手の弱みを握って脅す手法を取った。
その過程でかなりのハッキング技術を学び、今ではホワイトハッカーとしてその界隈では『銀狐』として知らない人はいないと言われている。しかし、本人と刹那の情報に関してはきっちり制御しており、他の人物には一切自分の事を知られてはいない。
基本的にハッキング技術は刹那の監視に使われており、たまに小遣い稼ぎに警察へ犯罪の情報を提供したりしてる。
刹那の事が大好きで、刹那を害するものは何であろうと排除する気概がある。
最近は小型のマイクとカメラを使って常に刹那の周囲を監視できるシステムを構築しようとしている。(なお刹那はそれを知っているのだが、特に気にすることもなく受け入れている)
住良木 雫
刹那とつかさのクラスメイト。黒髪ロングでかなりの美少女から学年で一番の美少女だともっぱらの噂。
明るく笑顔も可愛く、優しくて親しみやすいところからかなり人気だったのだが、それを嫉妬した二人にいじめられていた。それでも周囲の人に心配をかけないように黙っていたのだが、屋上でつかさに会った際に思わず話してしまった。
助けてくれたつかさと刹那の事を大切な友人だと思っており、二人が恋人同士であることから、あまり邪魔をしないようにしようという気遣いもできる。しかし、記憶障害がある刹那にちゃんと覚えてもらおうと頑張っているなか、時々つかさに冷たい目で見られて逃げるようにその場から離脱することもしばしば。
友人として刹那に覚えられる日は来るのだろうか。