これは魔王討伐を終えたあとの、とある勇者ととある少女の物語~新しい命の誕生~
「これは魔王討伐を終えたあとの、とある勇者ととある少女の物語」のその後の物語にあたります。
六作目です。
勇者。
それは神に選ばれ、魔王を倒すことが定められているもの。
神からの祝福を受けたそんな存在。
勇者は、この度、魔王を倒すことに成功した。それも、ほんのわずかな期間で。
歴代最高の勇者と呼ばれる存在。
それが、今代の勇者———エセルト。
家名が存在しないのは、彼が平民の出だからである。
歴代の勇者は、魔王討伐を完遂出来た際に神から褒美を受け取っていたという。それは、富だったり、名誉だったり、理想の美女だったり、神は勇者の願いを叶えてきた。
しかし————、今代の勇者が、何を望み、何を手に入れたのかは勇者自身しか把握していないことだった。
さて、そんなこの世界を救った勇者は、妻である少女と共に小さな村に滞在している。
「シャーリー、大丈夫か?」
「……エセルト、毎日、毎日心配しすぎるよ。すこぶる私は好調よ」
勇者――エセルトは、赤髪の少女――シャーリーに心配そうに声をかけている。不安そうな様子を全面に出している存在が歴代最強の勇者だなんて誰も思わないことだろう。
現に、エセルトとシャーリーはこの小さな村にしばらく滞在しているが、エセルトが勇者で、シャーリーがその妻だとは知られていない。
シャーリーが妊娠していることが分かって、エセルトとシャーリーの間で話し合いが設けられた。勇者の子供を妊娠している。その事実は世間を騒がせるのに十分だった。
あるものはシャーリーの事をお腹の子供ごと、亡き者にしようと考えている。
あるものはシャーリーが妊娠中に、エセルトと関係を持とうとしている。
そう言う全てがエセルトにもシャーリーにも煩わしかった。だからこそ、エセルトとシャーリーは、エセルトの事を知らない田舎の小さな村に来たのである。
秘密を抱えているような雰囲気を醸し出す若い夫婦――エセルトとシャーリーをその村の人たちは快く受け入れてくれた。
まぁ、それはエセルトとシャーリーが村に襲い掛かる魔物を退治したりしているからかもしれないが。
エセルトはいつもシャーリーの事を心配している。シャーリーのお腹は日に日に大きくなっていて、出産は命がけという言葉も知っているからか、余計に怖がっている。
シャーリーは、そんなエセルトにあきれている。
(本当にエセルトは私に対して心配しすぎだわ。エセルトの場合は、私がいなくなってしまうかもしれないと怯えているのかもしれない。エセルトを置いてはいけない。おいて逝ってしまったら今度こそエセルトは壊れてしまう。……何度も何度もエセルトが繰り返して手に入れたこの平穏な日々を失わせるわけにはいかない)
――この世界は何度も何度も繰り返された後の世界である。その事実はエセルトとシャーリーと、それを成した神しか知らない。
何度繰り返しても死んでしまったシャーリーが、いきる世界。ただそれだけを求めて勇者エセルトが繰り返した世界がこの世界だ。
その繰り返された世界でエセルトは、シャーリーが隣にいることに幸せを感じていた。
だからこそ、シャーリーが亡くなってしまえばエセルトがどうなるか分からない。少しずつ、生き直している。エセルトはそう言える。なのに、此処でシャーリーがいなくなれば、エセルトは立ち上がれない。
(ふふ、本当に……歴代最強の勇者とか言われているのに。エセルトの生命線が私だなんて……嬉しいわ。こんなこと喜んでいるあたり、私もエセルトが好きなのだと実感する。出産は命がけのことだけど、私はエセルトと、そしてお腹のこの子と生きていきたい)
シャーリーはそんな決意を抱いている。
エセルトをおいていくことを望んでいない。エセルトを幸せにしていくことを望んでいる。
*
あはははは。本当に心配性だね。
勇者でありながら、沢山の魔物と葬ってきたのにも関わらず、こういうことに怯えている。
本当に彼女のことを大切に思っていて、馬鹿みたいに心配していて。
ようやく心が成長しているとはいえ、本当に心配性で仕方がないね。
君が彼女の幸せを望んだのだから、そういう心配することはないっていうのに。
これは僕の力を信頼していないってことなのかな。それはそれで何とも言えない気持ちかも。
まぁ、僕はこうして見守っているだけだけどね。
*
「シャーリー、大丈夫か?」
「シャーリー、階段を上るなんて……」
「シャーリー」
シャーリー、シャーリー、シャーリーと、エセルトはシャーリーの名を何度も何度も口にする。シャーリーのこと以外目に入っていない様子だ。
村の若い女性は、エセルトと一夜だけでも共にしたいと望んでいたものもいたようだが、エセルトのシャーリーへの溺愛ぶりを見てその気持ちもなくなったようだ。
「愛されていいわねぇ、シャーリー」
「あんな旦那様、欲しいわ」
「あの子、私たちがどれだけきわどい恰好をしていても気にしていないのよ。やばいわね。シャーリー以外どうでもいいのね」
そんな風に言われる。
エセルトのそう言った様子がシャーリーは嬉しい。嬉しいのだけれども……妊娠は決して病気なわけではない。適度に身体を動かすのは重要である。
「エセルト、あのね! 私は大丈夫よ。私は元気な子供を産んであんたと生きていくのよ。だから私をそんなに壊れ物を扱う科のように扱う必要はないの。何度も言っているでしょう。私もあんたも生きているんだって!」
「あ、ああ」
「もう、本当に歴代最強何て言われても、あんたはあんたね。エセルト、それより子供の名前を考えましょう。男の子だったらどんな名前がいい? 女の子だったらとか、そういうの考えましょう」
「どっちでもシャーリーの字は入れたい」
「エセルトは本当に私の事が大好きね。はいはい。じゃあ、そうしましょう」
どこまでもシャーリーのことばかり考えている。
「じゃあ、どんな名前がいいの?」
「男だったらジャレントとか? 女だったらリスリーとか?」
「……まぁ、いいんじゃない? いきなりふって答えてしまったにしては、ちゃんとした名前だし。楽しみだわ。どちらが生まれても」
「ああ」
「というかどっちかが生まれたらもう片方の性別の子も欲しいわね。子供は沢山いた方がきっと楽しいわ」
「シャーリーは前向きだよな」
「エセルトが後ろ向きなのよ」
シャーリーはエセルトがこれからも生きていけるように、エセルトが大切にするものを沢山増やしておきたいと思っていた。
エセルトとシャーリー、どちらが先に寿命で亡くなるかは分からないけれど、もし仮にシャーリーの方が先に亡くなってしまったらきっとエセルトは大変な状況になるだろう。
シャーリーはエセルトの事を愛しているからこそ、子供を沢山作ってずっと先の将来に備えておこうと思っていた。まぁ、もちろん、エセルトの子供を産むことを喜んでいるというのもあるが。
(好きな人の子供なら、幾らでも欲しいしね)
そんな風に思うのも当然であると言える。
シャーリーはある日、産気づいた。
心配性なエセルトは近くの村からも産婆を呼んでいた。何人もの産婆を呼んで万全の体制で挑んでいる。
だというのにエセルトは心配そうにうろうろしている。
近くにいても邪魔だからと追い出されていた情けない勇者様である。もちろん、周りはエセルトが勇者だなんて知らないので、そのことに言及するものはいないが。
普段はすました顔をしているのに、シャーリーのことが大好きでたまらなくて、シャーリーと自分の子供がどうなるのだろうか……とそればかり考えていて、エセルトの頭はいっぱいいっぱいである。
(子供が産まれるのは嬉しい。俺とシャーリーの子供が産まれるのは喜ばしいことだ。でも……シャーリーがそれで死んでしまったらどうしよう。シャーリーがいなくなったらどうしたらいいか分からない。シャーリー……お願いだから、死なないで。ああ、もう何で俺は大変なシャーリーに何かしてやることが出来ないんだろうか)
シャーリーが子供を産むために一生懸命な建物の周りをただうろうろしている。歴代最強の勇者であろうとも、子供が産まれる場では役に立たないものである。
(シャーリーを連れて行かないでくれよ)
そしてエセルトは長い付き合いであった神にそんなことを祈るまでであった。
*
本当にもう面白いよね。
連れて行かないでくれって、君が僕に彼女の幸せを願ったんだろうに。
彼女は勇者と一緒に生きていくんだよ。彼女は強い女の子だよ。
勇者はもっと彼女の強さを信じるべきだよ。彼女は勇者が思っているよりもずっと強い子だよ。
それに勇者が万全な体制で出産出来るように整えたんでしょう。
自分をもっと信じたらいいのに。
それにしても勇者と彼女の子供、僕も楽しみだなぁ。
*
「生まれたよ!!」
「シャーリーは!?」
「あんた……子供の事より、奥さんのことかい。両方とも無事だよ。労わってあげるといい」
産婆は子供の事よりシャーリーのことを口にしたエセルトにあきれた様子を見せた。その言葉を聞いてほっとした様子を見せて、エセルトは中へと入った。
そこにはベッドに横になったシャーリーと、おぎゃあという子供の鳴き声がする。
「シャーリー!!」
「……ちゃんと、無事産んだわよ」
「大丈夫か??」
「私は大丈夫よ。出産したばかりで響くから少し声を落として。もう……泣きそうな顔をして、あんたは本当に心配性ね? それより子供のことを見てあげて。私と、エセルトの子供よ」
シャーリーは、泣きそうな顔をしたエセルトの頬に手をやってそんなことを言う。そこでようやくエセルトは子供の事が思い至ったらしい。
なきごえをあげている我が子を見る。
「男の子だよ。抱いてやりな」
産婆の一人にそう言われて、エセルトはその子供を受け取る。
その重さと温かさにエセルトは驚いた。
これが自分の子供なのかと驚いて……だけれども、その壊れやすそうなか弱さに抱っこしていて身体が震えそうになってしまう。
「エセルト、どう? 息子よ」
「……可愛い。でもなんだか壊しそうで怖い」
「あはは、本当にあんたは変に心配性ね。気を付ければ大丈夫よ。エセルトは強い力を持っているし、不安になるのも分かるけど、あんたは大丈夫よ。私はそれを知っているわ。だからエセルトは自分自身を信じなくてもいいけど、私のことは信じなさい。それなら出来るでしょ?」
ベッドの上に寝転がりながら、そんな力強い言葉を自信満々に言い切った。
その根拠もない言葉。だけれどもシャーリーが言う言葉ならば、エセルトは信じられる。他でもないシャーリーの言葉だから。
「ああ。そうだな」
「そうよ。私を信じなさい」
そんな夫婦の会話を聞きながら産婆は面白そうに笑うのだった。
生まれた息子の名前は、ジャレントである。
*
「ねぇ、エセルト、そんなに心配しなくていいわよ。私とジャレントでいってくるから」
「いや、でも……」
「でもじゃないわよ。ふふ、あんたがこうして息子のことを可愛がってくれることは嬉しいけれど、私がちゃんとジャレントを連れて行くから」
エセルトは子供が産まれてから余計に心配をしていた。
エセルトは子供が産まれてから、自分とシャーリーの子供だからとジャレントを可愛がっている。恐る恐るではあるが、立派に父親を真っ当している。
時々失敗して慌てた様子でシャーリーの元へよくやってくるが、そういう様子もシャーリーはほほえましいと思っている。
(私が母になって、エセルトが父になるなんて……。何だか夢見心地だわ。幸せってこういうことを言うのよね。でももっともっと……私はエセルトと一緒に幸せをつかみ取りたい)
そんなことを考えてしまうシャーリーである。
シャーリーは欲張りな人間である。シャーリーは、何処までもエセルトとの幸せを望んでいる。その幸せは限りなく続いていくのだ。
(……それにしても可愛いわ)
自分の息子を抱いてシャーリーは外に出る。
村を歩けば、村の人たちが集まって、ジャレントを可愛がってくれる。可愛い、可愛いと口にしてもらえている。
シャーリーはこういう小さな村に来てよかったと思った。
大きな街にいれば、エセルトが勇者であると知られていただろう。そうなれば、こんな風に平穏な日々は続けられなかったと言えるだろう。子供を健やかに育てられる環境が欲しい。そう願って、エセルトとシャーリーはこういう小さな村にいる。
(都の方では勇者がいないって騒がしいかもしれない。探されているかもしれない。でもこのまま勇者であるエセルトを知らない場所で子供を育てられたほうがいい)
勇者であるということは、それだけ目立つ。その子供だと言うだけで、偏見の目で見られてしまうものである。
そういうことをシャーリーは分かっている。
エセルトの妻として過ごしているだけでも、勇者の家族という立場がどういう立場か分かっている。
(ここはとてもいい村。しばらくここで過ごしてその後、どこかに移動するかどうかはエセルトと考えよう)
この村は辺境の村だ。
どこからか人が訪れることもほぼない場所である。そういう場所だからこそ、エセルトとシャーリーは穏やかに過ごせているのだ。
「ねぇ、エセルトはこの子をどんなふうに育てたいとかある?」
シャーリーがある日、そう問いかければエセルトは考えるような素振りを見せた。
「……俺は元気に育ってくれればいいと思う」
「ふふ、それはそうね。私さ、出来ればこの子にも幼馴染がいたらなって思うんだけど。私とエセルトみたいに素敵な幼馴染がいればってさ。でもまぁ、ずっと同じ場所に留まるのは難しいかもだから、出来ればだけど」
「そうか。それもいいな」
「でしょ?」
エセルトとシャーリーは何度も何度も繰り返された時を生き、普通とは言い難い関係である。
だけれどもシャーリーは、息子に自分たちと同じような幼馴染がいたらとそう思ってしまったのだった。
そうやってエセルトとシャーリーは、子供の将来の話をする。
こうして子供の将来の話をするだけでも、エセルトもシャーリーも楽しかった。これが幸せかと二人は実感するものである。
「ねぇ、エセルト。あのね、私やっぱり女の子も欲しいなって思うわ。まだ息子も生まれたばかりだけど、でもやっぱり沢山子供が欲しいなぁって」
「……うん。俺もシャーリーとの子供は沢山ほしい。きっと全員、可愛い。でもシャーリーが死んじゃうのは嫌だ」
「大丈夫よ! 私は死なないわよ。あんたが神に願った私の幸せは続いていくのよ。だから、大丈夫よ」
シャーリーはそう言ってにこにこと微笑んだ。
その笑顔にエセルトは思わずうなずいてしまう。
勇者と少女は、子供を抱えて嬉しそうに笑っている。
生まれてきた子供が健やかに育つことを勇者と少女は祈っている。
勇者と少女は、これからも共に生きている。
何があったとしても、勇者と少女は共に過ごし、その一生を過ごしていくことだろう。
*
無事に子供が産まれて、幸せそうだね。
僕も子供が産まれて勇者がもっと人らしくなることを望んでいるよ。
これからどんな風にすくすくと育っていくのか、僕も見届けさせてもらうから。
勇者は僕が覗いているのを知ると嫌がるかもだけどね。
ずっと君たちを見続けてきたんだから、最後まで見させてね。
神は勇者と少女と、その愛の結晶を見守り続けることを決めている。そして神は楽しそうに笑っているのだった。
――これは魔王討伐を終えたあとの、とある勇者ととある少女の物語~新しい命の誕生~
(何度も繰り返し続けた勇者と少女は、その手に子供を抱き、幸せそうに過ごしている)
この二人、書いていて楽しいのですよね。
楽しんでもらえていると嬉しいです。
エセルト
勇者。幼馴染が死ぬ未来を拒否し、数えきれないほど時間を逆行させてやり直ししていた人。
黒髪黒目の美形。あきらめが悪すぎて神に呆れられてた。神とは何度も願いをかなえよう→やり直してくれを繰り返していた。やり直しすぎてスペックは異常に高い。
シャーリーのことは大好きである。シャーリーが生きる未来のために何度もやり直したのは執念である。シャーリーが生き残るためにシャーリーとかかわらずに生きた今回の人生でもシャーリーが居ないのは嫌なので、同じ街に住んでいるぐらいである。シャーリーが全て覚えていなければただのストーカーな感じである。
シャーリーが死んだ要因のいくつかに王女様がいるので王女様のことは大っ嫌い。
そしてシャーリーが生き残った今回でも、願いは「シャーリーが幸せになりますように」といっちゃうぶれない勇者。でもシャーリーに一度も好きだとか告げてこなかったヘタレ。態度でバレバレ。
何百回も繰り返し続けて割と無欲。そのせいでシャーリーとすれ違った。ヘタレなので、中々行動に起こさない。シャーリーと一緒に居るからこそ徐々に表情や感情が戻ってきてる。
シャーリーと未来のことを語れて嬉しい。シャーリーが隣にいる事が嬉しい。そしてようやく周りにも気をむけられるようになった。
今回、子供が産まれて幸せを感じている。
シャーリー
赤髪の少女。
死ぬ運命が強すぎて何度も何度も何度も死んでいた人。そのたびにエセルトがやり直していた。
今回エセルトとかかわらずにいてようやく魔王討伐を終えるまで死ぬことはなかった。
白魔法の適性が異常に高い。勇者と旅した人生の中では「聖女」と呼ばれることもあったぐらいである。
気まぐれに神がシャーリーと会話した際に、「忘れたくない」と告げ、エセルトが魔王討伐後に色々思い出した人。思い出してみて、数えきれないほどやり直してまで自分に死んでほしくなかったのか……とエセルトの重い気持ちに驚きや戸惑いも沸いたが、嬉しいと思っている。
エセルトが自分を抱かないため不安に思ったが、エセルトの言葉を聞いて吹っ切れた。その後、エセルトをベッドに自分から連れ込んだ。
エセルトが相変わらずヘタレなので、自分からグイグイ行く。記憶にある思い出を本当にしようと行動中。
グイグイ行った結果子供が出来たけど、嬉しいのでよしと思っている。もっと子供を作りたいと思っているので、エセルトをもっと襲う気満々である。幸せ
神
エセルトが何度もやり直し、エセルトと何度も会話をしていくうちにエセルトにそこそこ情が沸いている。あきらめが悪すぎて面白がっている。
エセルトがシャーリーと一緒にいれそうで良かったよかったと思っている。
ちなみに魔王を倒した際、勇者の願いをかなえるのは特別であるが故に散々苦労をしているから。大切なものが失われたりとか、勇者が特別だから発生する運命。危険な存在である魔王を倒してくれてありがとう、という意味も込めて、願いを叶えている。あんまり願いを叶えすぎると上司的な神に怒られる。
人を生き返らせるのはしてはならないとされている。やり直しはまだ怒られない範囲。
エセルトとシャーリーを見るのが楽しくてよく覗いている。覗きすぎて上位の神に怒られてたりする。
神だけど、普通にエセルトとシャーリーの事を贔屓している。幸せになってほしいと見守り中。エセルトとシャーリーの一生を見守る気満々