黙々と黙って働く人々。
___20XX年。
我が国では、自然災害やウィルス感染などで経済が著しく低迷している。
その為には、国民の皆さんに! 必死で働いてもらわなくてはいけません!
日本という国の経済が安定するまで、国民の皆さんには一人一人我慢をし
この日本という国を皆さんの手で救ってください! ご協力お願いします。
・・・そんなのは、この国の人間じゃなくても分かっている事だ!
だけど、国は? 国民に“必死で働いてもらわなくてはいけません!”
とは言ったが、実際に働き過ぎて【過労死】する者が後を絶たない。
こんな国にしたのは? 全て日本という国じゃないのか!
我々、国民には一切関係ない話だ!!!
___そして! 世界的にも穏やかで優しいとい言われている。
日本国民が立ち上がり! 国に対して、大規模なデモを起こしたのだ!
___そして、国と市民との攻防。
自衛隊がデモを止める為に、市民と戦う事に、、、!
手榴弾や小さな爆薬を市民がいる前で投げつける。
たくさんの犠牲者を出しながらも、いつまでも終わらない戦い。
どちらも、引き下がらない攻防戦となっていく。
・・・そんな時に?
国は、裏である有名な企業を買収した。
『___皆さんには、辛さを感じない! ただただ仕事が楽しく出来る
小さなチップを頭に植え付けること、毎日がアクティブになりますよ。
是非とも! 一度、試してみましょう! 大丈夫、はじめの第一歩に
ステキなライフを手に入れましょう!』
___そんな、殺し文句のようなフレーズが毎日のように。
CMやニュース、雑誌、看板と何処でも人の目に触れるようになった。
・・・はじめは、不信感を抱いた人々も!
毎日起きているデモに、飽き飽きしていたから自然と国民皆が、その企業
に飛びついていくように、皆が頭に小さなチップを埋め込んでいく。
*
___チップを頭に埋め込んだ人々は?
最初は、快感を感じ! 仕事をしていても疲れも一切感じない達成感!
それどころか、やる気がどんどん沸いてくる事に大満足していた。
___次第に。
国民の90%が頭に小さなチップを埋め込む事に...。
・・・でも、そのうち。
話す事も出来ず、どんなに体が辛くても。
仕事をしなくてはいけない体になってしまった。
勝手に! 体が仕事をするように動くのだ!
やめたくても、そうさせてくれない!
それもこれも! 全て、あの頭に埋めた小さなチップせいだ!
___もう、誰も国に対して! デモを起こす者もいなくなった!
政府の思うつぼ。
話す事も出来ず、勝手に体が仕事をするようになれば。
誰も、文句も言わなくなったと。
政府もさぞかし喜んだだろう。
【・・・誰か? 助けてくれ!】
【・・・仕事なんか! もうしたくない!】
【体が、言う事をきかないんだ! もうやめろ!】
【・・・俺は、こうして! 過労死するのか?】
【・・・・・・死にたい!】
___誰にも聞こえない声が、あちこちで聞こえるようだった。
最後までお読みいただきありがとうございます。