ファーストキスは〇〇の味
すみません。戦闘シーンは次話からになります。前置きが長くなりました。戦闘シーンは結構凝ったつもりです。楽しみにしていてください。
落ち着け俺...とにかくマップを確認するんだ。
俺はマップに意識を向け、マップを拡大する。すると、マップの中央付近に全体の半分ぐらいの大きさの円が表示せれていた。おそらくこれが、新たな行動可能区域だろう。
「ヤッベ!あんまり時間がない!!急いで向かわないと間に合わねーぞコレ。」
流石に木こりだけで輝かしい初戦を終わらせるわけにいかない。せめて敵を見つけてスキルの一発でも当てないと気が済まない。とにかく活動可能区域まで移動しよう。
今後の行動方針を決めた俺は、新たな行動可能区域に向かって走り始めた。そして、
『第1回活動可能区域縮小開始!!』
悠斗が走り始めたのとほとんど同じタイミングで行動可能区域の縮小が始まった。
「エリアの縮小はどんな感じで進むんだろう?」
疑問を持った俺は走りながらマップを確認する。(ながら走りはいけませんよ良い子は真似しないでね♪)すると、マップにはエリア全体を覆う円が、中央付近の円に向かって小さくなっていく様子が確認できた。
「なるほど。一瞬でエリアが狭まるのではなく、時間をかけてエリアが縮小していく感じか。」
そこで俺は、マップの下部に徐々に時間が減っていくタイマーを見つけた。タイマーには『2:00』と表示されている。つまり俺は後2分以内にエリア移動を済ませないといけないわけだな。でも、今のペースだとなんとか間に合いそうだな。
このとき悠斗は視界に表示されているマップとタイマーに意識のほとんどを向けていた。そのため、前方に注意を向けておらず、それを避けることができなかった。
「よしもうすぐ着くウヮ!!」
その結果、悠斗は思い切りそれに引っかかり、地面とキスすることとなった。
「ヘヴゥ!!うわ口の中に土が!!ペッ!ペッ!」
盛大にこけた俺は、口の中から不快な物を吐き出した。クソ〜!この忌々しい地面め!!よくも俺のファーストキスを奪いやがったな!!!
地面に八つ当たりをしながら、俺を転ばせた犯人を探していると、犯人はすぐ見つかった。ふっ!この名探偵悠斗様に解けない謎はない!!(ドヤ顔)
そして、意外にも犯人は、最初にゲットした斧が入っていた箱にとても似ている箱だった。箱の中身を開けてみると、そこには二つのカードが入っていた。
カードの詳細を確認しようと意識を向けようとした時、俺はようやく、走っていた理由を思い出した。
おそるおそる後ろを確認すると…
「ヒェ!」
黒い暴風が木々を激しく巻き込みながら、こちらに迫って来ていた。
「あんなもんに巻き込まれた一瞬で死ぬだろ〜―!」
俺は行動可能区域までとにかく全力で走った。
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