検証
ガチャ…
「ただいまー」
解錠してドアを開ける。声をかけるがもちろん返ってくる声はない。それもその筈、俺は今一人暮らしをしている。声を返してくれる相手など家にいるわけがない。むしろいたら怖い。
ん?じゃあなんで声を掛けたかだって?そんなの気分だよ。.....はい。嘘です。格好つけました。ただ寂しいので毎回やってるだけです。
「あー今日はいつにも増して疲れたなー」
自室に入った俺はカバンをベットの上に投げ、自分もそのままベットに倒れ込んだ。しばらくベットでゴロゴロした後、例のゲームについて調べようと思い、スマホをポケットから取り出した。
「えっと..『Weapon Battle Royale』っと。ん?なにもヒットしないぞ。もあしかしてこのゲームすごくマイナーなのかもしれないな。」
それから、『変な広告 ゲーム』とか『時が止まる ゲーム』など検索キーワードを変えて調べてみたが、そういうシチュエーションの健全な男子高校生が大好きなやつしか出てこなかった。もちろん、ガン見しましたよ。もう私、嘘はつかないことにしたので。
「うーーん。検索サイトに情報が無いとする、実際にやって調べてみるしかないか。あっでも、どうやったらまたあの状態になれるんだろ。」
心配に思ったが、その心配は杞憂に終わった。それは、俺のスマホに大量に並んでいるソシャゲのアイコンの一番最後のところに、『WBR』という名前が下に書かれた、たくさんの種類の武器の絵が描かれたアイコンがあったからだ。
俺は、迷わずそのアイコンをタップした。すると今度はさっき体験した体に引っ張られるような感覚と真逆の、体から引っ張り出されるような感覚に陥った。
「おぇー気持ちわるい。」
そういえば、この感覚最初に1回経験してるんだよな。でも、スマホの光の方に意識が向いてたから、あんま覚えてないな。ってことは、意外と慣れるかもしれないな。
「とりあえず、スマホの画面はさっきと変わってないな。」
ゲーム説明みたいなものが追加されていることを少し期待していたが、やはりなかった。それじゃあ他に何か無いかと、色々な場所をタップしてみる。すると『剣術』の文字をタップした瞬間、画面が切り替わった。画面には、
『剣術 Lv.1:0/100 使用可能剣術:パーペンディキュラー・パラレル・ダイアゴナル・フォーススラスト』
と書かれていた。さらに、使用可能剣術の『パーペンディキュラー』をタップすると、
『初級剣術 垂直斬り 発動モーション:剣を振り上げた状態で剣術発動を意識する。 冷却時間15秒』
剣術の詳細と、紹介映像が表示された。
「おぉぉー!!この剣術ていうのは、必殺技っぽいな!!!他のやつもあるのかな?」
使用可能剣術に表示されている名前タップし、内容を確認。その後順番に、『刀術』『槍術』『斧術』『弓術』『銃術』『投擲術』『体術』『盾術』とタップしていくと、全て剣術と同じようにレベルと使用可能な必殺技(多分)が表示された。使用可能な必殺技(多分)を1つずつタップしていき、詳細を確認していく。
「ふむふむ。じゃあ俺は最初から全ての武器をある程度使えるってことかな?」
もちろん答える声はない。こればっかりはやってみないと分からない。そして、ふとまだタップしていない項目があることに気付いた。そう、『スキル』の項目である。
「この『スキルチェイン』ってのが一番謎だったんだよなー」
タップしてみると、簡素な説明が表示された。
『スキルにスキルを繋げることができる。 チェイン可能回数:1回 』
は?いや全然説明になってないんだけど。運営ちゃんと仕事しろや!!具体的な使用法とか、紹介映像のせるとかいろいろあるだろ!!
はぁぁ〜疑問が1つ解消したら2つ疑問が増えやがったなコンチクショー!!
「やっぱり、1回やってみるしかないよな.....よし!1戦やってみるか!!」
覚悟を決め、『MATCHING』ボタンをタップした。すると、『1VS1』と書かれボタンが表示された。迷わずそれをタップすると今度は、『対戦相手を探す』ボタンと『待機』ボタンが現れた。すぐに対戦したかったので、『対戦相手を探す』をタップ。何人かの名前とその横にレベルが書かれたリストが表示された。
「うーん。誰にしようかな?とりあえず同じレベルの相手がいいよな。」
俺は、『飯田健 Lv.1』をタップ。確認画面が出てきたので『対戦する』をタップした。その瞬間、世界が白くなった。そして、次に目に飛び込んできたのは一面真っ白の世界ではなく、行ったことのない森だった。
いよいよ次話からついにゲームの中に突入します。だいぶ前置きが長くなってしまいましたが反省していますが後悔はしていません!!!
最後にこの作品が面白いと思ったら、評価やコメントをしていただけると嬉しいです。
お読みいただきありがとうございました。