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四章と五章のあらすじ

 アイリーンの誘いでヴィヴァルニア首都エンゲラズへ赴いた勇一。彼はそこで元は奴隷であったウルバハム・トラインと出会う。彼女もまたアイリーンに見出され、勇一以前に「アークツルス魔法院」に招待された一人だった。優秀でありながら卑屈を擬人化したようなウルバハムの挙動に、勇一はどう付き合うべきか悩む。また彼女は自らの性格と立場故に、貴族であるハロルドの高圧的な態度に逆らえないでいた。

「友人は選べ」というハロルドに「自分で選ぶ」と答えた勇一は、何故かハロルドに気に入られてしまった。彼には彼なりの美学があることを感じ取った勇一。賊から逃げる二人を匿ったウルバハムの母親アルラニムからもてなされ、自らの視界の狭さを理解したハロルド。二人の誤解は解け、勇一はハロルドと、ハロルドはウルバハムと友人となる。

 しかし三人が友人となったのは束の間の出来事だった。ハロルドが何者かに殺害され、その濡れ衣がウルバハムに着せられたのだ。アイリーンと協力し、犯人が彼の婚約者であったことを突き止めた勇一。しかしその婚約者も良心の呵責に耐えられず自ら命を経ってしまう。

 勇一に喪失感を埋める時間はなかった。アイリーンが、復讐をやめて自分の部下になれと脅してきたのである。ウルバハムを巻き込んだ暴論に勇一は怒り剣を抜く。意地の張り合いの果てに辛くも結果的な勝利を収めると、アイリーンは今だけは拳を収めるのだった。

 出発の時間が迫っている。アイリーンが得た情報により仇の名前が「ゴルダリア・ベリンゲイ」であることが明らかになった。と同時に国王の訃報と同盟軍西進、そしてエンゲラズ上空に亀裂出現の知らせを受け取る勇一、アイリーン、ウルバハム。これまでの経緯から月魔法使いはアイリーンの母「ベテル・ハウィッツァー」ではないかと推測する三人。互いに早まった行動はしないと約束し、目前の問題である亀裂の対処に向かうのだった。


 その数日後、ベテル・ハウィッツァーは国王の寝室にいた。自分にだけ見える「月の女神」に、どうして国王を殺した理由を話すベテル。それは彼女が少女であったとき、愛する者を彼に殺害されたことへの復讐だった。

 認識の阻害や催眠を得意とする月の魔法は、使うたびに使用者の心の均衡が崩れていく。ベテルは自分に月の女神が降りたことも利用し、ヴィヴァルニアを滅ぼそうとしていた。既に廃人になっていてもおかしくない彼女を驚嘆の目で見つめる月の女神。自分を問い詰めに現れたアイリーンを容易く返り討ちにし、勇一を殺せと命令を植え付けて逃がしたベテルは、月の女神をみて怪しく微笑むのだった。

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