第弍ノ巻「楽園のリッチな巫女?」
「すいませーん!誰かいませんかー!」
森を抜けてすぐに見つけた1つの神社に声をかけてみる。誰か出てきてくれれば良いのだが…。
「私の神社に何か用?」
その声は僕たちの左斜め前、神社の鳥居の方から聞こえてきた。
「あ、あの…ここは…?
「ここは博麗神社。私はこの神社の巫女の博麗霊夢よ。」
「博麗神社…?」
「なんであんたそんなに汚いのよ。あぁもしかして、迷いの竹林から抜け出して、ここにたどり着いたのかしら…。」
「…あの、この世界は…。」
「あぁ?何言ってんのよ。ここは幻想郷よ。」
「……幻想郷……?」
そんな場所きいたことがない。なんで僕はこんなところに来てしまったんだ?いやそもそも僕は何処にいたんだ?……駄目だ、やっぱり思い出せない……。
「……もしかして外の世界から来たのかしら。あなた名前は何て言うの?」
「それが、名前も、自分が今までどこにいて、どうやってここに来たのかもわからなくて。」
「記憶喪失ね。もしかして、ここに来るときに、結界かなんかの影響を受けて記憶がなくなったのかしら……。……しょうがないわね、とりあえず上がりなさい。」
「ありがとうございます。」
「そういえば、あなたが持ってるその小さいのどうしたの?針妙丸じゃないだろうし。」
「しんみょ……?さっき竹の中から出てきたんです。竹取物語って知ってますか?」
「竹取物語……?聞いたことないわね。外の世界のものかしら……。あなたが大事そうに抱えてるその本と関係があるの?」
「はい。竹取物語と言うのは、竹から出てきた少女が月に帰るまでの話を書いたものなんですが、物語の主人公が竹の中から少女を見つけるのと、さっき僕に起きたことが同じだったんです……。」
「へぇー、不思議なこともあるものね。まぁ幻想郷じゃそんなこと当たり前だし、そこまで気にしなくてもいいわよ。それよりさっきあがりなさいって言ったけど、いつまでもここにいられたら困るわよ。いられても2,3日ってところかしら。……うち、貧乏なのよ……。」
「び、貧乏なんですか……?」
「こんな山奥の辺境の場所にある神社だからね、参拝客が全然来なくてお賽銭が全然ないのよ……。」
「ちょっと賽銭箱見てきてもいいですか?」
「できたらお賽銭入れてきてもいいわよ。」
僕はそんな霊夢さんの言葉を無視して、賽銭箱のある場所に来た。ものの見事に何も入っていず、賽銭箱の中には暗闇が広がっている。だがその時、その賽銭箱の中に光が満ちた。そのあまりのまぶしさに、目をそらしてしまう。そしてその光が消え、僕の目に入ってきたのは、大量の金だった……!そして足元には医師が書けたようなものがたくさん……。
「こんなのあったっけ?」
僕が目の前に広がる光景に驚いていると、ドタドタと足音が聞こえた。霊夢さんがこっちに向かってきた。
「なんか今凄い光ったけどどうしたの?……って、何このお賽銭の量は!!!」
「ぼ、僕にもさっぱり……。いきなり光ったと思ったら、賽銭箱はいっぱいになるし、足元に尋常じゃない量の石の破片が出てくるし……。」
そう言いながら僕は、足元の石の破片の一つを拾い上げた。するとその瞬間、その石の破片が光って、その後一つの硬貨に変化した!
「何今の?!あなたお金を生み出せるの?!」
「い、いや僕にもさっぱり……。」
僕には何かしらの力でも備わっているのか?そう考えた瞬間、さっき起きたことを思い出した。あの小さい少女を見つけたとき。僕が触れただけであの竹は簡単に切れた。
「霊夢さん、ちょっと迷いの竹林に行ってみませんか?竹餌取物語の通りに行くと、竹の中にたくさんお金が入ってるはずです。」
「本当?!今すぐ行きましょう!」
ちょうどいい。これを機にさっきの疑問を試してみよう。もし切れたら、僕には何かしらの力があることになる。そして、僕は目の前に現れた一本の竹に触れてみた。すると……。
”スパンッ”
「おー!本当に竹の中から大量のお金が!というか今あなたどうやって竹切ったのよ!(笑)」
……本当に切れた……!さっきの石が硬貨に変わったのと言い、今の竹と言い、やはり僕には何かしらの力が備わっているようだ……!……もう今日はなんか、いろいろありすぎて訳が分からなくなってきたな……。
「あなた凄いわね!もしお金を生み出してくれるなら、これからもずっと、神社にいてもいいわよ!」
こうして今日一人の巫女が、金に釣られてしまった……。




