第拾ノ巻「神輝録」
私の名前は博麗霊夢。博麗神社の巫女で、幻想郷の平和を守っている。今日は魔理沙と人里に出かける約束をしている。
「おーい霊夢、魔理沙さんが来てやったぜー。」
「それじゃ行きましょうか。」
そうして私たちは人里に向かった。とくに用事はないけど、まぁ散歩みたいなものね。
「最近は平和な日が続いてるな。」
「えぇ、仕事がなくて暇だわ。」
「お前はいつも暇だろ?」
「うるさいわよ。」
そんなどうでもいい会話を魔理沙としていると、歩いてる人と軽くぶつかってしまった。
「あ、ごめんなさ…。」
その言葉を言いかけて、その人達の顔を見て、あることに気づいた…。
「…あの、どうかしましたか?」
「…え、あぁいや、何でもないの。ごめんなさい。」
そしてその二人組は歩いて行った。その後ろ姿さえつい目で追ってしまうほど…。
「あの二人、そっくりだったな。輝夜と、記憶喪失の少年に…。」
「えぇ、そうね…。」
「なんか最近やけに明るく振舞ってるなと思ったけど、やっぱりあいつらのこと忘れてなかったんだな…。」
「……当たり前じゃない。だって……。」
だって、せっかく家族同然に一緒に暮らしていたのに……。あんな不思議なことばっか起こっていたけど、そのなかでも仲良くなって、もうずっとこの子たちと一緒に暮らしていきたいと思えたのよ。なのに、ちょっとお別れの言葉を言って、もうこれから一生会えないなんて悲しいわよ、いくら何でも……。でもあの少年は、世界を救うために自らを犠牲にしたんだ。だから、私がこんな弱音はいてちゃだめだわ。今度は私がこの世界を守らないと。……だから、空から見守っててね、二人とも……。
「そろそろ帰るか……。」
「えぇ、そうね。夜ご飯作んなくちゃ。」
「しょうがないから私のごちそうになってやるぜ!」
「ふん、しょうがないわね。今日は特別よ?……」
これは、宇宙再創造の運命を持たされた天界の少女”輝夜”と、それを止めようと自らを犠牲に宇宙再創造し、世界を救った少年……いや、神の物語。この物語を私は絶対忘れない、忘れてなるものか。この物語の続きは、私が世界を守ることで私が一生をかけて紡いで見せる。恐らく物語に終わりはないだろうけれど、それでも私は諦めない。この”輝夜”と”神”の物語、”神輝録”を……!
完
神輝録は、神が世界を救って終わりではない。幻想郷中の皆で、世界の平和を守っていく限り、この神輝録は終わらない。たとえ何者かがこの物語を書き換えようとしても、霊夢たちが守ってくれるだろう。そしてこの物語にいい意味での終焉、つまり永久の平和が世界に訪れることを願っている。
最後まで見てくださった方ありがとうございました!




