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傘の内側

作者: LoO

実話です。

\信じるか信じないかはあなた次第/

ある夏の蒸し暑い頃のこと。





大学からの帰り道、雨がにわかに降り始めた。





傘を忘れてしまった僕は、走るのも億劫になり、肩身を狭くして傘の雑木林を抜ける。






雨音が耳鳴りのように絶え間なく頭の中で鳴り響く。






順調に歩いていたが、信号に引っかかった。








視線が痛い。









早く青になってくれと願った時、雨が止んだ。





上を見ると、そこにはないはずの傘があった。





彼女が差しかざした傘の中は、晴れた日に一人で歩くよりあたたかい気がした。

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