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約束の日までさよなら  作者: 星霜旭
2/6

〜2章〜自己解決

一ヶ月後の土曜日。警察の薄浅葱(うすあさぎ)さんから電話がきた。

『もしもし?深藍さんですか?犯人を探して欲しいのですが、かまいませんか?』

「はい。もちろんです。」

(はぁ宿題がおわらないよ。)

『では、今日の14時に警察署へお越しください。そこで特別に許可証を作成したいと思っていますがよろしいですか?』

「そこまでしてくれなくてもいいのに。」

『いいえ。私たちがお願いしたのでこれくらいなんともありません。受け取っておいてください。それでは14時にお待ちしております。』

そして、電話が切れた。なんか、めんどくさいことになってきたな。あと、3時間もある。この間に宿題終わらせよう。いつ帰ってくるかわからないし。でも、人のことを何でも知れるのはあまりいいことじゃないから。よくないことを思っていたりするから、人と接したくないのが本音。でも、これが求められることなら少しぐらい我慢すればいいだけ。それは、頭ではわかっているつもりだけど、こっちまで辛くなったりするから嫌になる。


 2時間半後。

「もう、こんな時間。やばっ昼食べ忘れた。」

それでも私は家を出た。

「寒っ。タクシーで行こ。」

タクシーの運転手は運転中ずっと私に話しかけていた。

「何で警察署なんかへ?」

「その近くに用事があるだけです。」

「そうですか。いえ、失礼しました。」

そして、二人の会話は終わった。


 15分後。予定よりも早く着いた私は、近くのコンビニでおにぎりを買って食べた。そのまま警察署に向かった。外には、薄浅葱さんが立っていた。

「こんにちは、深藍さん。すみませんね忙しかったのにもかかわらず呼び出してしまって。」

「いえ、こちらこそ。警察の役に立てる日が来るなんて思ってもいませんでした。」

「そうですよね。それじゃ中へ。」

私達は中へ入って私の許可証を作成した。

「こんな本格的なものをすみません。」

「いえ。ここまでするのは当たり前のことです。それでは、犯人の詳細を説明しますね。名前は白縹(しろはなだ) 雅敏(まさとし)35歳。××市で女性を殺害。その後逃走しています。」

「それでは、探しに行ってきますね。」

「このまま屋上を使ってください。許可証をかざせば、入れるので。」

そう言われて、私は屋上へ向かった。


 屋上の扉を開けると風が中に入ってきた。

「寒っ。さっさと探そう。」

そうして私は、屋上の周りを見た。下の方から沢山の色の紐状になった言葉が伸びている。すると、西の方向に太くて黒い紐が伸びているのが見えた。

「あれだ。薄浅葱さんに知らせに行こう。」


 「薄浅葱さん。西の方向に」

「そうですか。それでは行きましょう。」

私までなぜかパトカーに乗っている。彼女達は、慌ただしく移動している。なんとなく、さっきの場所に着き私達はパトカーから降りた。

「深藍さん高い建物に行きましょう。ここからじゃわからないですよね?」

「そうですけど・・・」

「だったら、あのビルへ行きましょう。」

そう言って、私は彼女に連れられてその高いビルに向かった。屋上へ行くと、すごい数の言葉の紐が空に向かって伸びているのが見えた。

「うっ。あの、気持ち悪いくて外見れないんですけど。」

「えっ!?そうなんですか。私達にはわからないからな。無理にでも探してください。あなたが、我慢すればいいだけですから。」

彼女は私を無理やり立たせ、外を見させた。

(やばい。高いところに行けば行くほどダメだ。)

「見つかりました?深藍さん。」

私はすぐ周りを見回し探した。すぐ近くに目的の黒くて太い言葉の紐があった。

「この建物の近くにいます。行きましょう。」

彼女は頷いて入ってきた扉の方へ歩き出した。


 下に降りて、あの男の方へ歩き出した。私は気持ち悪くて早く歩くことができない。彼女はさっさと歩いて行ってしまう。

「どうしたんですか?早く歩かないとどっか行っちゃいます。」

「気持ち悪くて。後から行くので多分この周辺にいるので、先行っててください。」

何か言いたそうだったが、私が近くのカフェに歩いて行ったからなのか、彼女は私が言った方向へ歩いって行った。

(これで少し休める。)


 15分後。私は外に出て彼女を探した。

(薄浅葱さんどこ行ったかな。携帯の番号教えて貰えばよかったな。もう5時か。そういえば宿題・・・)

空は暗くなってきて街灯がつき始めた。すると後ろから肩を叩かれた。振り返るとみぞおちを殴られ私は意識を失った。


 どれくらい時間が経ったのか、あたりはすっかり暗くなっていた。

(ここ、どこだろう。)

すると、私の後ろの方から足音が聞こえてきた。

「やぁ。君、俺のこと探してない?」

そう言う彼は確かに見覚えのある顔だった。

「その反応は俺に見覚えあるんだ?君は警察か何かなのか?」

「えっ?」

私は思わず声を出してしまった。

「へぇ。もしかしたら警察に協力してるとか?」

「何で?」

「もしかして合ってたりするのかな?その反応は。」

はめられた。この男、白縹は私から情報を聞き出そうとしていたんだ。

「警察なんかに協力しないで、俺に協力してくれないかな?そうすれば解放してあげる。嫌ならいいよ?君の思っていること当ててあげる。」

今、なんて言った?思っていることを当てる?私と同じ。

「びっくりしたでしょ?君と同じだよ。俺も言葉は見えないけど、色のオーラだけ見える。君は言葉もオーラも色も見えてるんでしょ?」

(私以外にもいたんだ。この人なら私の気持ち分かってくれる。)

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