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約束の日までさよなら  作者: 星霜旭
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~第1章〜事件発生

「お前よく俺の思っていることわかるな。」

綾斗(あやと)は、私に口癖のようにいつも言う。

「綾斗が感情豊かでわかりやすいだけだよ。」

実際は、そうではなかった。(はる)は人のことを何でも知ることができてしまう。周りからは何ともないが私の目には、その人の体からオーラのように言葉が見えている。人だかりの中では、言葉が混じり気持ち悪くなることがある。そのことは誰にも知られてないし誰にもわかってもらえない。

 

 ある日の土曜日。

『速報です。たった今〇〇市で殺人事件が起こりました。犯人は逃走中。近くにお住まいの方は気をつけてください。』

テレビから慌ただしくニュースが流れている。

「これ、俺たちのすぐ近くじゃん。」

私は思った。私なら犯人を見つけることができるのではないかと。すぐに家を出て高い建物に向かって走った。

「おい、遥。どこ行くんだよ。」

そう言いながらも、彼は私についてくる。

「ついて来ないで。綾斗には知られたくないから。」


 5分後。背の高い建物に入って屋上に行った。すると、言葉が人から紐のように空へ伸びている。私はそれらに目を向けて犯人だと思われる人を探した。言葉には色がついている。例えば、悲しかったら青や水色。怒っていたら赤やオレンジ。人を殺したなら多分黒で見えるはず。


 2分後、私は黒い言葉の紐を見つけた。携帯で警察に電話をしながらその方向へ向かって走り出した。

「ねぇ遥、さっきから何してるの?こんなところから犯人なんて見えるわけないじゃん。」

「違う。見てるんじゃない。探してるの。」

「見るのも、探すのも同じだ。どっちにしろ無理だから。バカなのかお前は。」

まただ。何を言っても信じてもらえない。何回言っても同じだから慣れる。それでも何故か悔しくてたまらない。


 タクシーで犯人がいると思われるところへ向かった。もちろん綾斗も一緒に。

「なぁ遥屋上から何を探してたんだ?俺には言えないことなのか?」

そうではない。言っても信じてもらえないと思ってるから言わないだけ。決めた。綾斗にこのことを言って見ることにした。

「笑わないで聞いてね。私ね、人のことなんでも知ることができるの。人の体から言葉がオーラのように出て見えるの。言葉に色もついてる。だから、屋上に行って犯人だと思う人を探していたの。信じてくれる?」

彼は笑っていた。

「遥のことだから、一人で何か悩んでるんじゃないかと思って。聞いてよかった。」

「変じゃない?」

「そりゃーな。仕方がねーじゃん?そんなの。逆にいんじゃね?

初めて言われた。なんでかわからないけど嬉しくなった。


 30分後、さっきまで犯人がいた場所についた。私はその周辺を歩いているとポケットの中で携帯が鳴った。

深藍(ふかあい)さんですか?先程ほお電話ありがとうございます。たった今、犯人を見つけんことができました。聞きたいことがあるので警察署に来て欲しいのですが構いませんか?』

警察からの電話だった。

「わかりました。今から行きます。」

「遥どうしたの?誰からの電話?」

「警察からの電話。犯人捕まったから警察署に来て欲しいって。」

そう言いながら、その方向へ歩いた。

(やばい、高校の宿題終わってない。)

私は心の中でそう思った。


 数分歩いたところで警察署が見えてきた。中に入ると、女の人に声をかけられた。

「深藍 遥さんですか?」

「はい。そうです。」

「では、こちらへ。」

そう言って、奥へ私たちを連れて行った。


 「本日、犯人逮捕にご協力ありがとうございました。そこでなのですが、なぜ犯人がわかったのですか?私たちでも犯人はわかりませんでした。そんな中...」

「信じてもらえないと思いますがお話します。」

綾斗に話したことを警察の人達にも話した。すると警察の人達は、お互いの顔を見ていた。

「それは、本当ですか?」

「はい、本当です。なので今回、犯人を見つけることができたんです。」

すると、警察の人達は顔を見合わせて頷いた。

「無理も承知でお願いをします。あなたのその力で我々に力を貸していただけませんか?」

私は驚いた。少し考えて結論を出した。

「わかりました。よろしくお願いします。」

その日はこれで終わった。

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