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とうをつくるおしごと  作者: こうせきラジオ
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番外編2「おふざけが目に余る?」うむ、前向きに善処しよう。 ~内容が無いようで、な?!異様な用で~








「ねえサトー、この物語のジャンルってなんなのかな?」


「いきなり切り込んできたな? 何?」


「いや、だからジャンルだよ、ジャンル」


「ジャンルねぇ……………」


「ミステリーとか、SFとかファンタジーとか官能とか推理物とか」


「とりあえず官能ではないと断言しておこう。下手したら規約に抵触して削除される恐れがある。あとミステリーと推理物は意味合い同じだ」


「今の断言で読者が半分消えたね。元から少なかった読者が半分になったよ。1人から0.5人になったよ」


「それはもはや、人じゃない。人の形をした何かだ」


「名状しがたいバールのような人」


「それはおそらくアイアンマンかチエノワマンかニャル子さんのどれかだ。どれにしても怒られるからやめろ」


「僕としてはこの物語は規約のギリギリにどれだけ迫れるか挑戦しているもんだと思っていたんけど」


「そんなこと思っていたのはお前だけだ。というか、今までの危険発言全部わざとだったのか? 運営への挑戦だったのか?! 勘弁してくれよ。アクセス数見てみろ。結果は既に出ているだろ」


「見向きもされないってね」


「やめろ。口に出すな。結構気になるんだからな…………はあ、普通に異世界物だろ」


「異世界物にしたっていろいろあるじゃん。成り上がりとか、職業物とか。人気を出すならハーレムとかチートとかもいいね」


「これからハーレムモノに転向するとして、お前もハーレムの一員になるわけだが、いいのか?」


「お断りだね! 顔を直して出直してきな」


「即答かよっ!! そして言葉が間違ってるぞ。正しくは『顔をあらって』だ」


「顔をあらためて出直してきなっ!!」


「整形しろってか!!」


「しょせん世の中、顔かお金だよ」


「最低なこと言った?! ヒロインが口に出しちゃダメなこと言った!!」


「そもそも愛情オンリーみんな仲良くなんてハーレムが維持出来るわけないじゃん。金か権力か特殊な事情でもない限り成立しないんだよ。たとえハーレムを作れたって中身はドロドロ、血で血を洗う権力争いをするのは目に見えてるよ。

 大奥なんて寝屋に夜通し見張りをつけるくらいお互いに警戒していたし、中東の王様なんかハーレムに地位を与えないで物扱いする事で国が荒れることを抑えてたんだよ! 人に欲がある以上仲良くハーレムなんて有りえないよ!」


「一概にそうも言えないんじゃないか? 中東の方では一夫多妻制もあるわけだし」


「あれは元々戦争なんかで未亡人となった女性の救済の面が大きくて、労働や社会的地位を男性に高く置いていた宗教上の理由や習慣があるが故の制度でしょ。男がきちんと扶養出来る事が前提で第一夫人が拒否すれば不可だし、夫人間で序列だって存在する。それこそ特殊な事情ってやつでしょ」


「う~ん。極端な気がするけどなぁ」


「じゃあ、想像してみて。君が大好きで大好きで仕方がなかったAちゃんという子がいたとする。やっとの事で告白して付き合い始めて、とうとう一夜を明かした。身も心も一つになった。幸せの絶頂、君はもっとAちゃんとの関係を深めたい。そこで君はAちゃんをデートに誘った。Aちゃんの返答は―――――」


『ごめんね。その日はB君とデートなの』



『次の日はC君、その次の日はD君。今度、君と会えるのは一週間後かな』


「もちろん。お泊りデートだ。君はそれを笑顔で見送れるかい。約束の日まで穏やかに過ごせるかい。そして、いつしかAちゃんが妊娠した時、はたして君は『誰の子だろう』とは、考えたりしないかい」


「ちょ、やめろよ――――」


「そういう女の子の事を君たちの世界じゃ、こう呼ぶんじゃないかい。『ビッチ』」


「やめろおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」


「ね。裏返してみるとハーレムのいびつさがわかるでしょ。そりゃ、作ってる方は楽しいかもだけど、そのハーレムは誰かの我慢で成り立っているんだよ」


「…………」


「で、何の話だったっけ? ああ、そうそうジャンル、ジャンルどう思う?」


「…………お前がそうやって脱線しまくるから定まんないんじゃないのか?」


「あらあら、元気なくなっちゃったね。じゃあこういうのはどうだろう。異世界日常モノ」


「なんだよ、異世界日常モノって。異世界で猛獣に追っかけられている時点で日常じゃねえよ。非日常だよ。共感できねえよ」


「別にいいんじゃない? これが僕たちの日常だって言い張ればいつか自然とそうなるよ」


「そういうの世間では『ウソも百回言い張れば真実になる』って言うんだぞ」


「なら、君が寄せていけばいいんじゃないの? 一日一回、猛獣に追われる日常」


「やだよっ!? なんでお前のウソに俺が体張んなきゃいけないのっ?! ほのぼのさせろよ」


「僕がソレを見てほのぼのするよ。今日も元気だね~~って」


「助けろよっ!?」


「ほのぼの~~」


「………………」


「もう、わかったからそう睨まないでよ。じゃあ、それっぽいことやってればいいんじゃない?」


「……どんな?」


「グルメモノとか。異世界あるあるやったり」


「だから、誰もわかんねえだろ。『ドラゴン肉は以外と淡泊』とか言われても、誰があるあるって言えるんだよ」


「ああ、ドラゴンって所詮は爬虫類だから鳥っぽい感じの食感なんだよね。あるあるぅ~。ところで所詮と所謂ってよく読み間違えない?」


「ほら、もう脱線したっ! ちまたでよく脱線して本題が進まないって思われてるけど、原因の七割はおまえにあるぞ」


「つまり君は3割負担って訳だね。この保険料男」


「なにそれ、悪口? 全然悪意を感じないんだけど」


「この○○って言うと悪口っぽく聞こえるよね。このツッコミ男!」


「いや、そっちの話題に行くのか? 所詮と所謂はいいのか?」


「所詮雑談だしね」


「…………ほんと散らかしていくな。もっと話題を大事にしろよ。所詮・所謂問題って結構大切だぞ。読み間違えると全然意味合いが違ってくるからな」


「そうだね。例えば『所謂いわゆる王族だな』みたいな説明台詞があったとするじゃない」


「説明台詞って言うなよ。で?」


所謂いわゆる所詮しょせんって読み間違えると大問題に『所詮しょせん王族だな』」


「…………説明台詞が一転して嘲笑に」


「説明したかっただけなのに侮辱したことになっちゃう。不敬罪か侮辱罪で捕まっちゃうことになるんだよ」


「危険すぎる……………」


「他にもあるよ。『嘆息たんそく』と『溜息ためいき』意味合いも語感も似たモノだから、混ぜて使われるとどっちがどっちかわかんない、こんがらがる」


「確かに声に出すと違和感があるな」


「思わず、嘆息たんそく溜息ためいきって脳内翻訳して読み進める自分がいるよ」


「ややこしい」


「で、僕は思うんだよ。漢字で書ければかっこいいし伝わりやすいかもしれないけど、多用すると誤解されるしややこしい。そのままで十分伝わるものにまで漢字を当てる必要はないんじゃないかなって。

 一周回って読みにくいんだよ。はだかふんどし裸物はだかもの或いは裸物ばらもの果物くだもの格好かっこいいと梯子はしごいい。もういい加減にして欲しいよ!!!」


「いや、気持ちはわかるけど怒るなよ。そして梯子いいなんて言葉、普通は使わないからな。 で? ジャンルの話は? 話題変わってるけど、どうやって終わらすの? オチは?!」





「オチはないっっ!!! 完っ!!!!」



「自由だな………………」







(完!)


あと数話、番外編を投稿したら第二部スタートします。

もう少しだけお付き合い下さい。


次回投稿は15日(金)の予定です。

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