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ハルイチバン  作者: 柳瀬
二年生秋
93/125

久地道大成

 「そこの2人は?」

 保呂羽さんは親指で後ろに立っていた統次と相楽さんを指差す。

 「俺の不注意で、ここまで着いて来られました。CTTとの戦闘の見られました。」

 「まあ、そこは色紙に判断してもらおう。」

 嘆息する。そして顔だけ振り返る。

 「おい、あんたらしばらくそこに立って待っとけ。」

 保呂羽さんは妙に先輩風を吹かせて言う。

 2人は圧倒されたのか、ただ頷いた。

 また嘆息し腕組みをする。

 「久地道、あんたどこで何してたん?」

 「色々あったんだ。」

 久地道。この前聞いたPP候補生だ。色紙さんと1位を争っていた人。だが、卒業間近でPPにはならずにやめてしまったという。

 そして今、ここに現れた。

 「全部説明しろとは言わない。今、ここで、私に分かるように説明しろ。」

 保呂羽さんの目付きは鋭く、声色も重い。

 「そうだな…。」

 久地道は腕を組んで唸る。数秒、考えた後に口を開く。

 「過去は変えるべき。俺はそれが間違っていないと思ったんだ。」

 保呂羽さんの顔を盗み見るが、表情は崩れていない。

 「それが、あんたの正義で良い…?」

 「少なくとも、PPのやってる事が正義だとは思ってない。」

 「分かった。それじゃあんたを大罪人として殺す。それが私の正義だから…!」

 保呂羽さんを大きく息を吸った。

 「三城、好きに動いてええで。合わせる。ただ、相手は色紙並みに強い。最初から最後まで全力で行け。」

 「分かりました。」

 全身を狂態化させる。

 一対一なら勝てる見込みはほぼないが、保呂羽さんと共闘ならばなんとかなる。最悪、2人掛でも実力が拮抗して平行線でも色紙さんが来るまで持ち堪えれば3対1になる。必ず勝てる。

 思い切り地面を蹴り、一気に相手の懐に飛び込み。顔面目掛けて拳を叩き込むが、バックステップで躱される。

 すかさず、後ろに回り込んだ保呂羽さんが蹴りを放つが、右腕でそれを受ける。かなり大きな音が響くが、ノーダメージのようで保呂羽さんへ追撃をする。

 それを防ぐため、こちらも飛び込み拳を振るう。踏み込みを止め、俺の攻撃を躱す。

 さっきより、かなり対等にやり合えている。2人掛かりで対等なのは、かなり苦しいが。

 「やっぱりあんた、リリドラ使ってんね!」

 攻撃の最中、保呂羽さんは久地道に叫ぶ。

 「しょうがないだろ。」

 自嘲気味に笑う。

 夏の作戦の時に色紙さんから聞いた事がある。

 リリースドラックを略してリリドラ。

 身体能力の向上作用がある薬の総称。ドーピングに近いものだが、効果はそれの比ではない。筋力を鍛える効率を上げるものなど、トレーニングの補助となるものや、使用すると数時間思考能力が向上するもの、強制的に狂態化できるもの。多種多様にあるが、ほとんどが副作用が重く、法的に使用は認められていない。

 色紙さんと同等の強さの久地道が、リリドラを使用したら、その強さは一つ上の格になるだろう。

 だったら。

 「だったら、2人掛かりでの文句言うなよ。」

 保呂羽さんが思ったことを言ってくれた。

 「そのためだ。」

 まだ余裕がありそうに答えた。

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