6 朝の挨拶は社会人の基本です
「おはよう~」
挨拶をして教室に入った
朝の挨拶は社会人の基本ですからね
クラスのみんなは、友達と話をしていてスルーされました
あっ、なにやら目から汗が・・・
「あいつ、あいさつなんかしてやがるぜっ」
なんか聞こえてきました
声が聞こえてきた方を見てみるとニヤニヤ笑っている小学生が4人ほどいました
子供ですね
<ふっ>
おもわず鼻で笑っちゃいました
ついでに少し肩をすくめました
そうしたら怒る、怒る
本当に子供ですね
「何、わらってやがる!」
こっちに一人、突進してきます
手が届く直前に横によけます
ついでに掴もうと伸ばしてきた手を払います
<ガッターン!>
見事に転びました
予定通りです
もちろんワザとじゃないように見えるようにしました
「走ると危ないよ?」
とどめの言葉も追加です
これで走って転んだことになるでしょう
「こ~の~やろ~っ」
ゾンビ映画のように復活してきました
しつこいですね
まあこれくらいの子供はプライドだけで生きてますからね(笑)
再度突っ込んできます
今度は誰かのイスを『ひょいっ』と目の前に置きました
そんでもって後ろに少しずれます
<ガッチャ―ン!!!>
イスに足を引っ掛けて、オレが開けたところに見事に前のめりで倒れました
あまりの見事なスッ転びに思わず少し笑っちゃいました(プッ)
「何している!」
ここで先生の登場です
朝の会のために教室に来たようです
「あっ先生、佐藤くんが走っていて転んだんです」
オレが言うとすかさず反論してきました
「嘘言うな!木下がオレをバカにしたんだっ!」
「イエイエ、自分、教室に入って『おはよう』って挨拶しただけですよ?それ以外喋ってませんって、ね?」
最後の部分で、一緒に入ってきたカナちゃんの方を向きます
「本当か?」
先生の問いに
「・・ええ、まあっ」
カナちゃんが微妙な返事をします
でも先生的にはそれで十分だったようで、佐藤くんが怒られることになりました
「後で職員室に来いっ」
佐藤君は涙目でした(笑)
しかし先生も大変ですね
あんなケダモノ同然のやつを教育~教え育てる~しなければならないとは・・・
私ならやりたくはありませんね
二度目の人生ですが、教師になるって選択肢が早々に消えました