315 サッカー部狂想曲(その25)~親に言いつけてやった2~
あれは1万年と2000年前、ではなくて昨日のことだった
授業参観があったんだよ
生徒の保護者が学校に来て教室の後ろに並んで授業を見ると言うイベントだね
そこで飯田の母親を見かけた
いや正確には飯田を見ていて親を特定したんだけどね
そこで言ってやった
「飯田くんのお母さんですか」
イイ子のフリなら大得意だ
言葉使いに気をつける
礼儀を守る
そうすれば大人なんてイチコロだ
・・・早い話、某マンガの優等生
ちょっと「重い~」って言うと男子生徒が持って貰うだとか
イイ子のフリして先生から好感度を得るとか
夜の9時に寝て朝早くから走って体育の評価を10にするとか
「いじめを受けた時は大変だった」と苛めっ子を脅して文化祭で劇に出演させるとか
・・・今思えばクズすぎる
よくアニメ化できたのものだ
話を戻そう
イイ子のフリをして飯田の母親に言いつけてやった
だって一回目の人生で
「先生に言いつけやがって!」
ってイチャモンを付けられたんだ
やられた分はしっかりとりかえさないとね
これが本当の等価交換
と言う訳で
サッカー部を作る時に「入って」っていったけど入ってくれなかった
人が苦労してサッカー部を作ると「入れろ!」と騒ぎだす
苦労するのは嫌だけど、人が苦労した結果をかすめ取るのは如何なものか
と言い付けた
「一体何考えて子供を育てているんです?」
他の母親に居る前で自分の子供と同じくらいの子供に言われたらそりゃ親としてのプライドはズタズタだろう
おまけに他の母親の目の前なのだ
世間体も地に落ちた
だって小学校の友達のママ友だっているんだもの
我ながらイイ仕事したと思っている
あの夜の飯田家は台風並みに荒れていたことだろう
あとダメ押しで小学校の高学年になってもスカートめくりをしていたこともチクっておいた
飯田(母)の顔は真っ青だった
そりゃそうだろう
幼稚園児ならいざしらず、いやダメだけど
小学校の6年生にもなってスカートめくり
聞いた他の母親の心境は穏やかではなかっただろう
なにせ飯田(母)を見る目が冷たかったしな
6年生の娘のスカートが捲られていたら?
もう心配で仕方がないだろう
そりゃ冷たい目で見るってものだ
どちらかというと
「サッカー部に入れろ!」
よりも
「スカートめくりをしてますぜ(意訳)」
の方がダメージが大きいだろう
もっともボクにとってはどっちでも良い
飯田が不幸になればそれでOK
結果が良ければ手段はどうでもいいんだよ
これが本当の
『手段を選ばない』
ってやつだね
・・・なお言いつけた日の夜、飯田とは違う家で母娘で秘密の会話が至る所であったのは別の話
そして飯田がクズ保護者の間でクズ認定されたのも別の話




