304 サッカー部狂想曲(その14)
飯田のヤツが困っているのを見て森口は
『いい気味だ!』
と思いました
決して小学校時代に
「男女!」
などと言われたからではないですよ?
私の名前は森口哀
中学一年生です
サッカー部に所属しています
うちの中学にはサッカー部がありませんでした
だから作りました
まあ私はほとんど働いていなかったですけどね
新設だから監督がいません
体育の先生にお願いしたのですが断られたそうです
なにせ野球の人気が凄いですからね
海外ではサッカーの人気は凄いです
なのに日本ではサッカー部すらない中学が多いです
まあ高校になったらサッカー部があるかというとそんなことはないんですけどね
ですからうちの中学にサッカー部があって良かったです
たとえ監督兼コーチが同じ中学一年生でも、です
私のパパや幼馴染で同じサッカー部の高杉のパパはサッカーが大好きです
ルールも知っているしボールさばきも上手です
あと教え方も丁寧で私ができなくてもしっかり教えてくれます
大人だから当然と言われるかもしれませんが、小学校の先生はサッカーの教え方が下手でしたよ?
要はサッカーが好きならぼ教え方が上手いということでしょうか
「そんな人達と同じかひょっとしたらそれ以上かも?」
と思わず思ってしまうのが同じ歳のキャプテンです
シュートしてわざとゴールポストに当てる
なんて練習方法に関しては感動しました
なにせ当たると凄く嬉しいのです
思わず練習が楽しくなりました
今までサッカーの練習をしていて楽しいと思ったことはありませんでした
試合に勝つために苦しい練習をする
そう思っていました
ところが中学に入ってからは楽しくて仕方がありません
いや練習をもっとやりたい気持ちで一杯です
おかげで夕方の6時になって「練習終了!」と言われると反発したくなるくらいです
そんな私の楽園を壊しに来たのが飯田です
おな小で女子に意地悪ばかりしていましたね
小学校の部活ではたしか野球をしていたはずです
それなのに中学ではサッカー部に入りたいと言ってきました
マジ止めて
正直な感想です
聞いた時にはあまりの嫌悪感で鳥肌が立ちました
思わず腕をさすりましたね
嫌だな~
嫌だな~
嫌だな~
そう思っていたらキャプテンが断ってくれました
なんでも見ただけで問題を起こすかどうかが判るそうです
「どう見ても問題を起こすとしか思えない」
そう言って顧問の先生に断ってくれたそうです
とりあえずは感謝です
・・・決して「男女」なんて言われたからではないですよ?




