301 サッカー部狂想曲(その11)
「なんでそんなに飯田を目の敵にするんだ?」
同じサッカー部の小川から聞かれた
そりゃそうだ
違う小学校で顔も合わせたことがなかった
それなのに最初っから戦闘態勢
いやそれどころか容赦なく叩きつぶそうとしているのだ
13歳の子供が
・・・そりゃ聞いてくるわな
もちろん返事は決まっている
復讐だ!
・・・本当の事を言ったらタダじゃすまないだろうな
どこかの反乱軍のリーダーの母親みたいに鉄格子付きのお部屋に隔離されるんじゃないかな
じゃあブランB
演算戦闘した結果です
・・・『昭和の人間には訳判らん』なので錯乱したと思われて鉄格子付きの別荘行きなような気がする
とまあ本当の事を言ったら不味そうなので嘘をつかない範囲で言ってみた
過去というか未来の会社でよく使っていた手だな
商談において正直に言うと専門すぎて相手に判って貰えないということは多々ある
だから素人にも判りやすいように嘘はつかない範囲で改変する
以上社畜アルアルでした
言っておくがこれは社畜としての大事なスキルだぞ?
身につけるまで10年かかったね!
・・・学校では6-3-3で12年かけて「嘘をついてはいけません」って洗脳されるからな
という訳で
「見ればわかるだろ」
と言ってみた
<シーン>
沈黙が耳に痛かった
本当のことを言ったのにな(涙)
でも第一印象は大事だよ?
初めて会った取引先の担当がいると想像してみてください@某古書店店主風
方や清潔なシャツとネクタイをした担当
方や「何日着たんだよ!」ってツッコミが入るくらいのヨレヨレのシャツに無精ひげの担当
ほら理解できたべ?
昭和だと説明が大変だよな
未来なら
「私のゴーストが囁くのよ!」
の一言で済むのにな
ああ小川への説明だったな
仕方がないから最強の呪文を使おう
「(飯田は)紳士に見えない」
「ああなるほど!」
小川への説得が一秒で終わった
いくら体育会系だからってチョロすぎでね?
逆にこっちがビックリした




