280 掛川学院との練習試合(その24)~MF三田~
「ガンガン行ってみよう」
GKの木下がハンドサインで指示を出してきます
・・・いやGKやりたくないって言ったの三田だけどさ、今になってちょっと後悔している
あれはサッカー部が出来てすぐのことでした
キャプテンに相談したんですよ
「身体が大きいからってGKやるのは嫌です」
まあ半分ヤケで言ったんですよ
どうせ小学校の時と同じでGKを無理やりやらされることになるんだろうな
そう思っていました
大体、身体がでかいとなぜGKになるのか判らないです
そう文句を言うと
「は?」
こいつは何も知らないんじゃね?
そんな目で見られました
・・・いや、おかしいのは貴方達だと言いたいです
もっとも多勢に無勢で言えなかったですけどね(トホホ)
Noと言ってくれたのは幼馴染の茂だけ
そんなわけで小学校時代は泣く泣くGKをやりました
ゴールされるたびに敵からでなく見方からも罵声を浴びせられましたね
泣いてもいいよね?
いや泣かなかった自分を褒めたいです(いやマジで)
中学でもそうなるだろうと思ってました
でも好きでやる訳ではないですよ?
だからゴールを奪われてもあまり文句を言わないで
そういう打算もあって言ってみました
一番の理由はGKが嫌だってのもあります
ボールが当たると痛いですからね
それになにが悲しくって90分もずーっと同じ場所に佇んでいなけらばならないのか
他の選手が走り回っているのを指を咥えながら見ているだけ
どんな罰ゲームですか?!と言いたいです
・・・木下はそういう時は「はらがへった・・・」と空を見上げればいいんだよと言っていたんだがまったく意味がわかりませんでした
まあそんな訳で文句を言ってみた訳です
・・・文句を言えるようになったとは自分的には結構成長したもんだと思ったのは内緒です
そうしたら木下は
「あ、そ、じゃあやらなくていいよ」
とあっさり言いました
「え?」
思わず声が出ました
まさか言われることがないだろうと思っていた返事が来たんです
当然といえば当然ですよね
「大体それだけ立派な身体をしているんだ、オフェンスに使わなくて何処でつかうというんだ」
聞き返したらら木下からマジ顔で言われた
日本語なのに貴方の言っていることの意味が判りません
まさにそんな感じ
・・・小学校の先生もこんな感じだったんだろうな
そう思った
もっとも間違っているのは先生だと思うけどさ
「自分よりも大きな物体が自分に向かって突撃してくる
わき目も振らずに一直線
このままだと激突する
でも相手は進路を変えるつもりがない
さあどうする~どうする~どうする~~~~っ」
だってさ
言ってる意味が判るけどもはやサッカーではないと言いたいです
まったく別の格闘技
木下の頭が一番おかしいと言いたくて仕方がないです
・・・いや木下はゴール前に居るから遠くて言えないんですけどね
でも木下からは
『イケイケゴーゴージャンプ(意訳)』
ってハンドサインがバンバンきます
見ない振りしていると手を大きく回してサインがきます
それでも見ない振りしていると最後にはゴール前で踊りだしました
・・・歩いているはずなのに後ろに進んでいるってなんなんだと言いたいです
味方だけでなく敵のFWも思わず立ち止まって見ちゃっています
一体どうなっているでする?!
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逆行転生したらあの教諭を嵌めてざまあしてみたいな~と思う、今日この頃
いやマジな話




