279 掛川学院との練習試合(その23)~FW斎藤~
「小川と上杉が何度も繰り返すだろ?
今回の相手は何回持つかな?
有名私立だから5回は持つだろうな
いや10回かな?
でもな完璧な人間なんていないんだよ
ADH?
なんだっけ?
とにかく何とかいう普通じゃない特性をもつ一部の人間だけだ
そんな人間には見えないからそのうち緊張感がなくなるだろ?
そうしたら小川が張り切ってゴールに突っ込むんじゃないかな
攻撃する場合に限っては回数制限に縛られない特異な人間だからな
一度痛い目を見た相手は二度とひっかからないだろう
向こうの監督が真っ赤になって怒鳴り散らすからな
でも小川達は続けるぞ?
嫌がらせじゃないぞ?
注意するならよけいに気を使うからさらに集中力がガンガン減るだろう?
そうすれば相手の動きが鈍くなる
心が身体に影響を及ぼすからな
小川はそこを突くと思うぞ?
オレが教えておいたからな
そうすると相手はさらに緊張するよな
そして悪循環の無限ループにハマる訳だ
そうすると小川の逆サイドががら空きになるんじゃね?
そしたら小川からロング(パス)が出るからがら空きの逆サイドでゴールしてみて」
・・・斎藤はよくも息継ぎもせずに一気に言えたものだと感心した
いや逆にもはやサッカーのテクニックじゃないよなと思った
感心するところなのか「頭おかしいんじゃね?」って呆れる所なのか本当に悩んだな
まあ実際にその通りになった時には驚いた
思わず足がでてゴールしちゃったよ
相手のGKも驚いていたけど斎藤も驚いた
いやビックリだよ




