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275 掛川学院との練習試合(その19)~吉田茂~

女子二人がいるのは仕方がない


なにせサッカー部は人数が少なすぎて試合ができないからな





だが頭では納得しても感情がついてこない


自分でも判っているんだがこればっかりはどうしようもない




オレの通っていた小学校では同じクラスの女子に落ちた消しゴムを取ってやっただけで「女と話してる~」などと囃し立てられたからな


くだらないと頭では判っているんだが身体が反応してしまう


クズどもせいでえらい迷惑だ





だが一度染み付いた習慣?というのはどうしようもない


そのため、中学になっても軽い拒絶反応が出てしまう





サッカー部をやっていくのに障害となってしまうと思ったためキャプテンに相談したら


「大丈夫、そのうち慣れる」


と親指を立てながら言われた




女子のうちの一人さわ・かなが自分のおな小のせいだろう


キャプテンの反応は軽かった





『紳士たるもの婦女子レディに優しくするくらいできなくてどうする?』


キャプテンはそうも言ってきた




清々しいまでの自信だ


ある意味感心した





吉田オレが納得いったような、納得いってないような顔をしたためか、顔を近づけて耳元でボソッと言った


「他の男子にからかわれるくらいなんだ、逆に口先で完膚なきまでに叩き潰せ」




・・・先程の感動を返せと言いたい







「おいおい、冷たいことを言ってくれるじゃないか、友達だろう?」


吉田おれが困惑していると木下キャプテンが横に並んで肩を組んできた





所詮、小学校で


「女と遊んでやがって」


などと言う小物は吉田きみの後ろにサッカー部10人が付いていると判れば口を噤む


そういうことらしい





中学になっても授業で一緒の班になって話しているだけでもはやし立てる馬鹿な男子?


一度女子との間に溝ができたらもうどうしようもうないんだぞ?


中学校にいる人間全員と、高校と大学で縁が切れる訳ではないんだ


悪い噂ほど後に残る





「そんなバカは女子と話す経験がないから、将来結婚できないんだぞ?(クックックッ)」


・・・何やら凄い事を聞いたような気がする






実際にキャプテンは女子とは仲が良い


朝の挨拶を男子女子かまわずしているし、女子が先生に頼まれて重そうな教材を運んでいれば助ける


奴らの将来が真っ暗になりそうで怖い







そう言うと木下キャプテン曰く


「サッカーは紳士のスポーツだ(からオレ達サッカー部のメンバーの将来は大丈夫)」


どこまでも自己中だった




どうやらバカな奴らは見捨てるのが紳士らしい


ある意味有言実行だから凄いといえるのか?






他の男子にからかわれたらどうすればよいのか?


試しに聞いてみた





「酷い事を言われて傷ついていても、言った本人は家で菓子でも食っていると思うぞ?」


所詮は負け犬の遠吠えということらしい


そんなやつらのために時間を割くなんてバカのやることと清々しいまでにバカな奴らを切り捨てていた





たしかに言われてみると馬鹿の相手をするのが馬鹿らしくなってきた







しょうわは校内暴力が全国的に問題になりはじめている


実際に2年や3年には長い学ランを着た不良が多い


女子はセーラー服の上にピンクのカーディガンを羽織っている




同じ一年のバカどもも将来いちねんごはそうなっているだろう


案外見捨ててもなんの呵責もないかもしれん





いやないな


勝手に没落してくれ


逆にどこまで落ちるか見てみたいものだ




一遍、試しに見捨ててみようか?

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