266 掛川学院との練習試合(その10)
あ、FW3人衆が抜かれた
さすが掛川のエースだ、と言いたい
でもな一瞬は止めたんだよ
成果は評価しないと、だな
人間には承認欲求というものがある
それを満たされると成長速度が異様に上がるんだ
それを使わない手はない
ということで後で使うことにしよう
・・・昔というか未来で、上司に認められて嬉しくって社畜と化した馬鹿がいたというのは黒歴史
といっても止められたのは一瞬だけだったのは残念だ
ふっ、認めたくないものだな
才能の差というのは
・・・サッカー界にはたまにそんなチートな人間が出てくる
ブラジルの某氏とかヨーロッパの某氏とかだ
いくら練習しても追い付けないという不条理に涙が出そうだ
ウチだって毎日練習しているのにな
未来の練習方法とか元社畜のテクニックを使っているのにな
それでも足りない
わずか少し足止めしただけ
・・・世の中は不条理に満ち溢れている、だな
いや神様の悪意を感じる
神を殺せ
とはよく言ったものだ
でも抜かれたFW3人は笑っていた
「わはははは」
心の笑い声が聞こえてくるようだった
いや実際に笑っていて笑い声がゴールまで聞こえていた(おいおい)
まあうちのチームは相手に抜かれたからといって責められることはないからな
抜かれたらどう対処するか?
それを重視している
日本の野球界ではフォアボールを出すとピッチャーがフルボッコで叩かれるだろ
「なにやっているんだよ!」
って罵声が飛んでくる
ときどきペットボトルも飛んでくる
・・・凄く後ろ向きすぎて嗤える
一方、本場のアメリカでは
フォアボールで1塁に出たらどう対処するか?
を考えるそうだ
さすが開拓者の国
実に前向きで合理的だ
良い話だよな
それを未来で聞いたことがあったからオレは考えた
良いところをとりいれられないか?
頑張ったよ
本当に頑張ったよ、オレ
まず最初に木下自身の意識改革をした
手本を見せないといけないからな
口だけでなく態度で示さないと部下は付いてこない
どこかの神様が国王をしている未来の国の軍隊のポリシーだ
もっとも戦車に生身で向かっていくっていうのはどうかと思うけどな
そんな訳で世にも珍しい超ポジティブシンキングなチームが出来上がりましたとさ




