196 小学校最後の試合 ~第三試合前半4~
「どうした、それでは試合にならないぞ?」
優しく言ったんだが相手チームのFWは動かなかった
オレが一歩進む
相手チームのFWが一歩下がる
進む
下がる
進む
下がる
相手FWが残していったボールにたどり着く
ボールの上に足を乗せた
敵も味方も誰も動かなかった
さあどうしたものか・・・
時間をちょっと巻き戻そう
敵チームのFWがこちらのGKの頭に蹴りを入れた
小学生だから、なあなあで済ませば良いのかもしれない
でも仮にもFCに所属する小学生だ
いくら監督の指導力がクズだからといってラフプレーをして良いってものではない
サッカーというのは紳士のスポーツだ
FCの監督なら(たぶん)実業団なりインカレなんかのそれなりの選手だったのだろう
そしてしかるべき団体の監督としての資格を持っているはずだ
それなりの知識と経験を持っているだろう
ということは選手にも紳士であることを教えているはず
・・・教えているよな?
それにもかかわらず小学校の部活だからといって監督のクソみたいな指示で動くというのはどうかと思う
たとえ教師の言うことであってもそこは拒否すべきである
できないならFCの監督に相談するなり、親に相談するなり、だな
子供達が自発的に動けるようにFCの監督なり親なりがあらかじめ教育しておくべきだ
それをしないって所が泣けるぜ ←某不良刑事風に
大体、日本のサッカーというのは世界的に遅れているのだ
他のサッカー先進国というのは子供の頃からサッカーの技術だけでなく礼儀を叩き込まれているぞ?
才能があれば小学生の頃からクラブチームの下部組織に所属する
そこでは日本のようななんちゃって指導者ではなく、マジもんの指導者が心技体全てを管理して指導している
通えない程遠い選手のためには寮まである
もちろん小学生だからホームシックにかかる
ほぼ全員
それをケアする所まで含んでいるから驚きだ
・・・日本では考えられないけれど、それが世界標準
どれだけ日本が遅れているかわかるってものだ
そりゃ世界大会で勝てませんって
こほん
失礼
日本のレベルの低さムカついてちょっと脱線しました
まお、そんなわけでそれなりの技術は持っているFC所属の小学生を手に入れたわけだ
大してサッカーができるわけでもない小学校の監督が
そうするとどうなるか
「死ぬ気でつっこめ」
だの
「ガンガン行け!」
だの精神論になるわけだ
・・・どこの旧日本軍だよ!、とつっこみたい
選手が無駄に技術を持っているというのがヤバい
キチガイに刃物
早い話がそういうこと
おばかな指揮官だとラフプレーが起こるのは必然だ
・・・旧日本軍は第一次大戦の時に
「これほど高潔な精神を持った軍隊は世界中どこを探してもない」
と言われたそうだぞ?それが第二次世界大戦だとどこにでもあるクズ軍隊になり下がった
これはすべて上官がクズだったから
・・・『愚か者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ』というがサッカーの指導者って絶対に何も学んでないよな
だからオレ、怒っていいよな?
ヤッちゃった小学生
クズ監督
子供にまともな判断を教えこまなかったFCの監督
子供をきちんと教育できなかった親
開始から今まで危険行為っぽいものに笛を吹かなかった審判
一度の重大な事故の陰には
9回の小さな事故があり
その裏には90回のヒヤリとした事象がある
それぞれの人間が「これくらい」と見逃したことが積もり積もって今回の事故につながったのだ
だから全員に思い知らせてやる
オレ、見過ごさないよ?
紳士たるもの正す時に正すべき所は正すのが正義だ
そんな訳でオレが選手交代でチームBのGKになった
そしてマイボールを味方に蹴りだした
もちろん受け取ったオレの仲間はゴールしたよ
怪我させたことでショックを受けて委縮した相手から点を取るなんて楽勝だから
そうして相手ボールで始まったわけだ
ギクシャクしながら攻めてきた
そこに自制なしで殺気を飛ばした
こちらのFWとMFを突破してきた相手のFWの動きが止まったな
そりゃそうだ所詮小学生
大人の殺気を受けて平気でいられるわけがない
・・・ついでに味方も固まったのは御愛嬌だ
え?
大人げない?
(オレは)子供だからいいんだよ!