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165 キャプテンはじめました(その11)

「じゃあオレがうちのチームを連れてくるってことで・・・」


「オレの方は偵察法と攻略法を教えるということで・・・」



「「ふっふっふっ」」


オレは宮本ちゃん


どこかの悪徳代官と悪徳商人のように笑いあった



人を陥れる策略、いや、サッカーの話をするのは楽しいな!






話は少し戻る




うちのチームは練習試合も普通の試合も常勝となってきた


そりゃそうだ




大会なんて最初の方は学校の数が多いのでせいぜい土日に各1試合づつ


これならば子供の身体に負担もかからないだろう


ココまでは良い




ところが試合が進むに従って1日に2試合とかになる


つまり午前中の試合で走り回って疲れ果る


お弁当を食べても回復しない


午後の試合は集中力が下がったまま


だからボールを蹴ってもどこに転がるかは運まかせ




こうして実力ではなく運で勝敗が決まる


みんなは気が付いていないだろけどサッカーというのは集中力がモノを言うスポーツだからな






オレのチームは最初っから3交代


大事なことだからもう一度言おう


3チームが順番に交代して出場だ


どこかのおっさん顔の魔法のように異なる複数のチームが順番に出ることになる





疲れていないから楽勝さね


あ、あと、3チームもあると全員が試合に出れるからな


モチベーションが下がらない


これで負ける方が難しいってばよ





まあ、そんなんだから勝ち続けることによる慢心が出るのが心配だ


・・・いや、出ていなくってもやるよ?




あるかないかわからなければ、あると考えて行動する、ってどっかの人も言っていた


・・・誰だっけ?思いだぜん





自分のチームにプライドを持つのはイイ


でも他のチームを見下すようになるのはダメだ


これをモンロー主義(だっけ?)というらしい


憎まれて隣国から攻められた上、国王が戦死したというのは有名な話だ




早い話『人間やめますか、サッカーやめますか』だね





どうするべ~


どこかの分裂したアイドルグループのリーダーみたいに困ったね





そうしたら突然現れる宮本ちゃん


憶えていないだろうけど、某私立のサッカー有名校の選手だ


ついでに一つ上のU-18に招集される超中学級


いきなり現れたので、どこかのGかよ!、って思ったね


こんな地方の小学生の大会に現れるんだからな





私立に(勉強の方はさておき)サッカーがうまいだけで入った


その上、ろくに勉強せずに試合試合で遠征ばっかり


学生なら勉強しろって言いたい


学生の本分は勉強だよね?


まあ、オレからすると存在自体は判るけれど、認めたくないって存在だね





でもそこでオレは閃いた


こいつを利用しよう




文句があったとしてもすでに存在しているんだ


だったら自分の利益に合うように使っちゃおう、だね


どこかのエコと言いながら朝シャンするお姉ちゃんを参考にしてみた


・・・人生に必要なことは全部マンガから学んだな





人間、負けることは大事だ


某野球マンガでも言っていた


『オレ達が負ける意味を教えてやる』ってね






集合時間のかなり前に到着する少年がいたと想像してみてください


用意は万全で忘れ物が無いって人がいたと想像してみてください


そんでもって遅刻したり忘れ物をするヤツらを軽蔑しまくっていると想像してみてください


そんな潔癖人間がある日、開始時間を1時間間違えて盛大に遅刻したと想像してみてください


そして皆、遅刻を責めなかったと想像してみてください


そこで潔癖さんは自分の人としての狭さと人の温かさを知ったと想像してみてください





ね?


負けることの意味がわかったでしょ?




・・・しかしなにやっているんだよ、と言いたいな


誰だか知らなななあnいいいいいけど





おや?動揺している人間がいるようだ





まあ、そんなわけでたまには負けるのもいいと思うぞ


どこかの若づくりのおっさんも言っていた


喜べ、全力を出しても負ける存在が目の前にいるんだ、と


・・・SかMかどっちのことを言っているんだ?





実際に(オレを含めて大抵のヤツを負かす宮本ちゃんが)目の前にいるのがシャレにならなないけどな


・・・才能って理不尽だ


神様は不公平だね





まあ、使えるものは先輩でも上司でも同僚でも後輩でも使うというのが正しいやり方だ


そうでもなければ社畜は夜の10時前に帰ることはできないからな




生きるという快感の前に侮蔑はなんの障害にもならないんだよ


そう言っていた人がいた



おれも同感だ


サッカーがやれるという快感の前には、障害はない!


断言しよう




異論があるヤツは、一度サッカーができない身体になってみるといい


猿の手は何処だ!って後輩ちゃんに聞きたくなるからな




まあ、そんなわけで冒頭のように悪だくみをしてみた


イイ事した後は気持ちがいいな!


と思っていたら、いつのまにかうちのチームが優勝していた





・・・スマホを見ていたせいで人にぶつかったヤツの気持ちが少しわかったような気がした


人間、一度に複数のことができなんだな


だからスマホを見る時には立ち止まって、人の迷惑にならないところに移動してから見ようと思った


って、いまは昭和だからスマホなんて影も形もないんだけどな





たのしいキャプテンのお仕事の始まりだ!


意識を切り替えた


・・・ほんと人生に必要なことはぜんぶマンガで覚えたな



あれ?


このセリフはドラマだっけ?






こほん


かみました(いやどこが!?)





閉会式に出て優勝旗を受け取った


キャプテンの特権だね


ちょっと嬉しいかもしれない




・・・手柄を横取りしていた上司の気持ちが少しわかったな


喜べばいいのか、恥じればいいのかわからんな






でもそんなことはさておき式典での立ち振る舞いを大会役員から全然説明がないのは納得がいかない


ここで立ち止まって、礼をして受け取るくらいの簡単な説明でも欲しいぞ?




まあ無理か


元サッカー選手?経験者?がランクアップして役員をするんだよな?


年功序列の体育会系の人間に気配りやおもてなしを期待する方が間違っているってか?




未来の体操とか拳闘とかからも判るように、この業界、不祥事の総本山だからな







・・・そのうち魔改造してやろうか?

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