147 復活のA(その15)
「辞めちゃったって、オレは知らないですからね、よっ!」
<ポーン>
「もちろんそんなことは言わない、よっ!」
<ポーン>
「子供にそんなことは言わない、やっ!」
<ボッ>
え?
今、何やっているか?
真田監督とサッカー協会の会長さんとサッカーボールで蹴鞠の真っ最中だったりする
・・・だってやりたいって言うんだもの
話は数日前に戻る
学校から帰ってきて夕飯食べて、お風呂から出たところで真田監督から電話があった
「こんどの土曜に会えないか?」
もちろん断わったね
昭和では、電話は不幸な話が始まる合図だからな
フラグ立てるのはどこかの異世界にいるオタクな自衛隊員だけでいいってばよ!
そこで真田監督は言いました
はいっ
「テイ○タムがあるよ」
・・・当然会うことになりました
悪かったな!
お菓子に釣られたよ!
いやね、あのお菓子はマジで美味しいから!
大手スーパーで売っているから食べてみてよ!
500円と高いけどな(涙)
コンビニで売っている愛情(380円)よりも高い・・・
すまん
話がズレた
当日、真田監督がウチまで来るのは聞いていた
でも後ろの老人、もとい会長まで来るのは聞いていなかったので驚いた
「私そんなの聞いてない!」
どこかの探偵事務所の美人所長のように叫びたかったな
会長曰く、一緒に来た理由が
「例のドリブルが見たい」
だとさ
そういえばメンバー集めのためにドリブルやってたっけ
平成の動画サイトで結構な数が投稿されていたアレ
初めて見るとレベルの高さに驚くんだよな
まあ、やったオレもスゴイけど(ドヤ顔) ←簡単そうだけどマジで難しいから!
お菓子を手提げの紙袋一杯もらったこともあり、見せることにした
だってお菓子を用意したの会長だっていうんだもの
・・・なんでも洋行の視察のお土産だとか、って協会を私物化していてたらいけないのでは?!
まあナッツやらミント味のチョコよりは気がきいているので貰うけどさ
その後、始める蹴鞠の世界
だって、一人でリフティングしていると他の人が暇すぎるんだよ ←いやマジで!
そこで会話しながら蹴鞠した
別名、パス回しとも言う
それが冒頭のシーン
え?
そんなのリアリティがない?
どこかの宇宙世紀では戦いながら普通に会話しているんだ
これくらい楽勝だってばよ
サッカーボールをパスしながらU-15の監督と協会の会長を辞めることを聞かされた
驚いたね
辞めさせられるよりも前に自分から辞めれば『クズな組織に見切りをつけた』って立場が取れるから真田監督に勧めはした
でも会長まで辞めるとは思ってもみなかった
もちろんしっかり釘をささせてもらいました
オレのせいにするなよ、と
不必要に責任を背負うことはない
過労死してしまうからな!