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情報収集

前回かなり短かったので今回は少し多めに書きました。

  しばらく歩くと、村の正門と思われる所に辿り着いた。この規模の村の割にはとても大きな門だと思うのだが……


「なんのようだ?」


 そんなことを考えていると、どことなく門番と思われる筋骨隆々な男が現れ、俺に尋ねてきた。

「観光に……」


  記憶喪失だなんて言えるはずもなく、不信感マックスな理由をなんとなくついてしまった。


「こんな所に観光か……なにが目的かは知らんが変わったやつもたて続けてくるもんだな」

「今いろんな村を回っていてブログ書いてるんですよ……」

「そうか、ブログがなんだか知らんが入って良いぞ」

 ブログ知らねぇーのかよ! いやその前にまたも謎の理由をついてしまったが、通行許可が出て良かった。こんなに頑丈そうな門の割に簡単に通されるとは……この門番は大丈夫なのだろうか?

 そんな事を考えながら門番にお辞儀して門くぐったが、思い返すとあの門番は俺の事を知らなかったようだ。ということは俺はこの村の住民ではないらしい。 俺は村の前の荒野にいたのだから、この村の出身なら必然的にあの門番と顔を合わせているはずだからだ。


「観光が終わったら俺のとこ来いよ!一緒に腹筋ローラーやろうぜ!」


 さっきの門番が変な事を言い出したので無視して村に進むと、赤レンガを基調とした建造物が多く建ち並んでおり、荒野から見た時のイメージ通りの中世の町並みもような景色が広がっていた。門のすぐ前の通りは村にとってメインストリートになっているのか、店と思わしき建物が多く建っていた。

 酒屋、武器屋、レストランのような場所などが多くの店が並んでいたが青年のいるところから見ただけでは人は2、3人しかいなく、とても活気があるとは言えなかった。また、村人は麻のような素材の服を着ている。俺の常識では麻の服などあまり切るものではない気もするのだが……


「少し村の人に俺の事でも聞き込みするかぁ……」


 とりあえず騒ぎ声が聞こえてくる酒屋に情報収集することにした。


「まだ明るいのにすげーなぁ……」


 酒屋では、屈強な男達がまだ明るいにも関わらず酒の匂いをぷんぷんさせて騒いでいた。

 店の奥の方で笛のような楽器を演奏している人もいて、男達の騒ぎ声と笛の音色によって店内では独特の雰囲気を醸し出していた。


「おい兄ちゃん!見慣れねぇ顔だなっ!」


 早速、どこの世紀末か!とツッコミたくなるような服を来て更に、モヒカンヘアーというかなりのインパクトを放っているおっさんが声をかけてきた。


「少し聞きたいことがありまして……」

「俺の答えられることならなんでも答えてやるよぉ!」


 耳が痛くなるような大声で即答してきたが、悪い人ではなさそうだし、このおっさんに聞き込みしてみることにしよう。


「ここはなんという村なんでしょう?」


 色々聞くことはあるが、まずは今いる場所を聞くことにした。


「お前ここがどこだか知らずに来たのかぁ?まぁそうだろうなぁ。ここはベネット村だ。見ての通りなんにもない村さ。そのせいでまずこの村を知ってるやつは来ようと思わないさ」

 おっさんはしゃっくりをしながら話を続けた。


「あと、俺の名前はケニーだ。よろしくな!」

  ケニーはそう言って手を差し伸べてきた。

「よろしくお願いします!」

 俺はほぼ反射的に挨拶をかえした。


「もう俺とお前の仲だ。タメ語でいいぜ!」

 ケニーは見た目とは反対にとても親切なおっさんらしい。


「俺の名は言ったが、兄ちゃんの名はなんていんだ?」

 俺は答えに詰まった……なにしろ俺は自分の名前を覚えてないからだ。しかし、ケニーなら話を聞いてくれるかもしれない。


「実は俺、いま記憶喪失をしてるみたいで……」

 ここで嘘をついても意味無いだろう……俺は本当の事を言ってみることにした。


「そうかぁ……まぁ世の中生きてたらぁなにが起きるかわかったもんではないしな!」

 記憶喪失はそうそう起こるものではないと思うが、ケニーがいい人でよかった。


「そういえば、記憶喪失と関係があるかわからんが、つい昨日この村に人が来たらしいぞ。俺は見てねぇーがな。そいつなら村長のとこにいるはずだぜ」

 そう言うとケニーは忙しそうに店を出ていった。


 俺はケニーに村長の居場所を教えてもらい早速そこに向かうことにした。








題名に幼女と入っているのに、未だに筋骨隆々な男達しか登場していませんが、次回はようやく幼女が登場します!

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