記憶喪失
初めまして。ふぉるです。
初投稿となるのですが、これから楽しく連載していけたらなと思います。この物語は突如出会った幼女と共に主人公の青年の記憶を取り戻すファンタジー小説となっております。記憶を取り戻した時に一体どのような展開が待っているのか!?これから暖かく見守ってもらえたら光栄です!
青年は困惑していた。
なぜなら彼には1秒前の記憶が無い。
自分は何故こんな荒野に立ち尽くしていたのか?
自分は何をしていたのか?
早朝のランニングをしていたと言われればそのような気もする。大学の受験勉強をしていたと言われればそのような気もする。
彼には記憶というものが何一つなかった。
自分の名前がわからなければ、家族がいたのかもわからない。しかし、不幸中の幸いにも言葉などは覚えていた。現に今いる場所が荒野だと認識できている。
しかし、何もわからないということより怖いことは無いのかもしれない。
自分は今まで善だったのか、それとも悪だったのか。今から自分は何をすれば良いのか。考えれば考えるほど青年は恐怖に包まれた。
しばらく立ち尽くしていたが、ふと我に返り青年は自分の状態を分析する事にした。
「記憶喪失と言ったところかぁ…」
それ以上考えても仕方が無い事を悟った青年は次に自分のいる場所と自分の状態を確認することにした。
「自分が今いるところは荒野と言ったところかぁ。少し離れたところに村があるな。 俺の状態はと……痛むところなし、服はウインドブレーカーのようなものと……まあ、何かわかる事があるかもしれないから、とりあえずそこの村まで行ってみるか……」
あまりの事態に今まで気がついていなかったが、少し離れたところに村と思われるものがある。
このあたりは、水平線が見えるほど平坦な地形のようで、木がぽつぽつと生えているくらいなのでサバンナ気候の土地のような風景が広がっている。今いる荒野がこの当たりでは最も標高が高いようだ。そのため、村の全貌を見渡すことが出来た。ざっと見て二百世帯以上の中世の町並みを彷彿させるような家があるように見え、村というより街のようにも見える。また、その村は全体を塀で囲われているようだ。
「この村の周りはモンスターでも出るのかよぉ……」
一通り状況分析した後では、そんな呑気なことを考えるまで落ち着いていた。そして、少し不安と共に彼は村まで向かうのだった。
第1話が書き終わりましたが、自分で確認したところ、少し短かったと反省しております。次回からもう少し長めで連載していこうと思います。次回もよろしくお願い致します!