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輝かしい神話(になる予定)の物語  作者: カタストさん
第一章『自分のクラス』
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強盗

戦闘シーンの描写はちょっと苦手なんですよね・・・頑張ります

「カラ!大丈夫か!」

僕は、さっき声がした方に走っていた。が、一向に見つからない。

声がしたのはさっきの一回きり、それ以降は聞こえてきてない。

その上、この階には死角が多い。このままでは虱潰しに行くしかないだろうが・・・。

「カラ~!聞こえてるなら返事しろ~!」

返事を促してみる。だが、返事もない。

やはり、このまま端から当たるしかないのだろうか。

「アト、大丈夫?」

その時、後ろから声が聞こえた。見るまでもなく、シルダだ。

ただ、さっきまでと違い、今まで持ってなかった本を持っている。大型の百科事典位の大きさがあるだろうか。持ち歩くのにも一苦労しそうだが、この『ニュクス』と同じように、現実感で考えてはいけないのだろう。

「カラは?見つかった?」

「まだだ、返事を求めてみたが、聞こえてこない」

「ふ~ん・・・だったら、私の『諳術あんじゅつ』が役に立つわね」

「あんじゅつ?」

そう言うと、彼女は持っていた本のページを一つ破り割いた。

そのページ・・・というか、この本はすべてのページが空白で出来ているらしい。

「シソーラス・デザイア!」

そして、彼女は詠唱した。どうやら、ドラクエの呪文みたいな感じらしい。

すると、シルダの持っていたページが発光し、変形したと思うと、一つの文字の塊。アルファベットで出来た球のような物が出来ていた。

「カラの居場所は?」

彼女が文字球に聞くと、文字球は一瞬にしてバラバラになり、文章の形になる。

その形には、『ここより東の方向、短剣売り場の手前』と書いてあった。

「・・・だってさ!」

「なんだ?これ・・・」

「『諳術』。言霊ことだまを操る術よ。まぁ、戦闘には向かないから後方支援がメインになるんだけどね~」

「便利なもんだな」

異世界ならではと言うのだろうか、こういうのが合成やCGではなく本物を見れるのはなぜか興奮する物がある。だが、今はそれどころではない。

「場所が分かったなら、そっちに向かうべきだろう。さっさと向かうぞ!」

「・・・」

シルダは、不気味にこちらをみてニヤリと笑っていた。何か面白いのだろうか?

「何か?」

「いやぁ、さっきの繕ってたような口調が消えて、素が出てるのかな~って。似合ってるよ?さっきの敬語ばっかより、何倍も♪」

シルダやカラは自分に手助けしてくれる人だから、敬語を使っていたのだが、どうもそれが不自然に感じてたらしい。敬語は苦手だから、外していいのなら外してみるか?

「そうか。お察しのとおり、敬語は苦手でな・・・。一応目上だからそうしてたんだが?」

「敬語、外して。そっちの方がかっこいい!」

「分かったよ」

かっこいい・・・う~ん、まぁいっか。美人にかっこいいと言われるのは嫌ではない。

「というか、カラだろ最初は!こんな所で口調に関する談義とかしてる場合じゃないからな!」

「あっと、そうだったそうだった!短剣売り場はこっちだよ!」

さっきと違って、今度はシルダに僕が付いてくる感じになっている。僕は、急いでシルダを見失わないよう追いかけた。

・・・って、これもしかしたら戦闘になるんじゃないか?

まさかのここでチュートリアル、というかチュートリアルかこれ?チュートにしては難易度が高い気が・・・


「ふへへへへ・・・オイ!武器をなるべく詰めろ!ここは質が高い武器を多く取り扱ってるって噂だぜ!高そうな武器を片っ端からかっぱらってほかの場所で売り払うんだ!」

「ん~~!!ん~~~~!!」

短剣売り場の前には、強盗団と思われる5人の集団が集まって、大きめの麻袋に商品を詰めている姿があった。そのうち一人のリーダー格と思われる剛強な男がカラの口を押さえ、悲鳴を出せなくしている。

「カラ!大丈夫?」「カラ、大丈夫か!?」

僕とシルダは、一緒に到着した。

全員が鍛えられた体を持っていて、全員が剣やダガーなど、武器を持っている。普段の僕ならその姿を見ただけで逃げることを考えただろう。

「チッ・・・弱そうな男と女だ。おい、黙らせろ」

リーダー格と思われる男が命じると、二人の男が攻撃してきた。

短剣の切っ先を僕とシルダに向け、迫ってくる。だが、あまりに直線的だ。戦略という物を知らないのだろうか。

「甘いわね!」「失せろ!」

シルダは手近な男を一人、文字で作り出した縄で捕らえ、ぶん投げていた。

諳術というのは自由度が高いらしい。というか、凄い。

僕は、迫ってきた男の一人の両手両足を拳銃で打ち抜いた。使ってみて分かったが、『ニュクス』も『ノルン』も、弾丸が不要で、反動もほとんどない。原理は不明だが、面白い武器だ。

「なっ・・・魔書使いに魔銃使いかよ!両方とも、扱える素質を持つものは珍しいはずだろ?」

「でも、ゼロじゃないし~?二人が揃ってたって問題ないわよね?」

男が驚愕しているが、ヒルダが面白そうに返す。緊張感という物を感じられないのは気のせいだろう。

周りを見渡してみると、いつのまにかギャラリーが出来ている。

その声は、期待。

「シルダさんだ!」「キャー!!シルダさーんカッコイイ!!」「俺だ~!結婚してくれ~!」

などなど・・・最後おかしくなかったか?

「あの追っかけ・・・固定客なのはいいんだけどね~」

「どこの世界にでも、ああいうのは居るんだな・・・」

アイドルの変態オタクみたいな感じなのだろうか?まぁ、そういうのが居てもおかしくなさそうだが・・・

「って、それどころじゃないわよね・・・アト、貴方は右の剣士を狙いなさい。見たところ、初めての貴方に過不足ない程の力量だから。左の方は私がやるわ。そして、カラを捕らえてるのは二人でやるわよ」

「了解だ」

そして、今度はこっちが二人同時に強盗団に間合いを詰めた。

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