表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
輝かしい神話(になる予定)の物語  作者: カタストさん
序章『モノローグ』
1/24

新生 -新規ログイン-

小説初投稿です・・・ちょっと不安なところもありますが。

是非、見ていただければなと!

『Bright Myth Online』・・・今流行りのVRオンラインゲームだ。

筐体に入れたソフトを起動して自分のアカウントを作成する。

そこからゲームに関する100個の質問を受ける。

答えたきっかり6時間後に、自分のアカウントにはいつの間にかキャラ原案が届いている。

そのキャラを自分好みに修正すれば、晴れて自分のキャラを操れるようになっている。

このような工程から『とても面白いゲーム』という評判を確立していると同時に、『キャラ作成に8時間かかるゲーム』という悪評も立っていた。

こんなゲームが流行りになった理由は、キャラ一個一個の特色が際立っているからだ。

先ほど言った100の質問の内、20個は容姿に関するもので80個はゲームプレイヤーの性格判断のようなもので、その性格判断によって自らに最も合っているクラスをコンピュータが自動で算出してくれる。

最も合っているクラスを自分で探す楽しみがなくなる、という意見。ごもっともだろう。

だが、このゲームの初期で就けるクラスは700種類だ。どうだ?これでも自分で探す楽しみがどうとか言う気分になれるか?

700種類ものクラスがあるために、自分のキャラと他のプレイヤーのキャラの役割が被るなんて事はそうそうない。自分の楽しみは、自分にしか探すことができないのだ。

そういう面から、賛否両論が分かれている。

ハマる者は超ハマリ、逆に手をつけない者は毛嫌いする。


「って訳なんだ!面白そうだろ?」

僕が通う高校の教室に、燃え滾るように熱い声が響く。

俺の友達、多原 強(たはらつよし)は僕にゲームを勧めんと押しに押してくる。

「聞いてるよ。でも、なんで僕なのさ?他にもいるだろ?ゲーム好きは」

「それが他の奴冷たくてさぁ。話を聞いてくれないんだ、ブラミスなんてクソゲーだ。キャラ作成に8時間かかるゲームなんて始まる前に飽きる。ってさぁ。」

的を射ていると思った。

敢えて口に出さないのが優しさだろう・・・僕は押し黙る。

「って訳だ!お前ってゲーム嫌いじゃないだろ!」

「嫌だ」

「早っ!」

「どうせ『一緒にやろうぜ~』って言うんだろ?お断りだよ」

「なんで分かった!」

逆になんでわからないと思ったんだろう・・・

僕はゲームは嫌いではない、けど娯楽程度だ。このクラスに5人位いるゲーヲタは所謂廃課金勢。お小遣いの9割をソーシャルゲームの課金に使いレート上げとやらの作業に専念する変人どもだ。強もそのグループも入っているだけに、ゲームへの情熱はひとしおってわけだけど。

「このクラスに居るゲーヲタは5人、その全員に断られて僕にすぐに頼みに来るわけがないだろう?って事は、きっと隣のクラスにも頼み込みに行ったはずだ。それに、強って顔が広かったし・・・僕の知ってるだけでもざっと20人は君と同じような人間がいたはずだろ?20人に断られてこっちに来たんじゃないか?」

「うっ・・・なぜ分かった」

図星らしい、ここで畳み掛けよう。

「だったら、そのブラミスってゲームがお気に入りになっているオタクはおよそ4.8%。そんなゲームを僕はプレイする気にならないね」

「ぐぅ・・・さすが全国模試で数学2位をとっただけある。とことん俺を理詰めにしてきやがった・・・」

強は何も言い返さない。口からでまかせで全部を済ませたが、どうやら上手くいったみたいだ。

「ほら。この話は終わりだ。5時間目が後5分で始まるだろ?さっさと移動しよう」

「あぁ」

次の授業は理科室で始まる。僕は足早に教室を出、強の話を切り上げた。


「とは言え・・・ブラミスか」

帰り道、僕の頭はその事ばかり考えていた。

HRの後に荷物をまとめながら、街中を歩きながら、コンビニで菓子を買いながら。

ずっとそのことばかり。どうしてだろう、気まぐれとでも理由をつけるべきか。

「ブライト・ミス・オンライン。略してブラミス・・・」

その時、後ろから声が聞こえた。女性の声のようだ。

後ろを振り返ると、フード付きのローブで身を包んだ者が立っていた。正直言って、気味が悪い。

「もしも、そのゲームが現実の世界だったら・・・」

「何の話だ?」

春先に多いと聞く電波の人だろうか?だとしたら、僕が話を聞いている理由はない。

「面白いですよね、人ひとりひとりに固有の役割がつく。ファンタジーと現実の違いこそあれど、現実により近いゲームは、現実でもおかしくないはずです」

「どういう意味だよ」

その時、フードの中から覗く口元が笑いに歪んだ気がした。

「あなたには資格がある・・・って事ですよ。音部(おとべ)六徳(りっとく)

その名は、自分でも嫌っている名前だ。決して覚えているやつも多くもない。

なのになぜ・・・

そう考えている間に、僕の意識は闇に沈んでしまった・・・。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ