略奪愛
なし
身震いする私の気も知らずに
「そうよ、もう幼稚園は休み、
付近の学校と一緒、
クリスマスイブで今年はおしまい、
そして、そっこう
美容院よ」
とバトルなしの
普通の会話
ノリも若い
私と同じくらいの年齢なのに
この若さはなに
「いったいなにっ」
と小さいつが
かべにあたって
くだける感じが
私を襲う
「小さい子を相手にしていると
若くなれるのって本当?」
あれって都市伝説では
そんな堂々巡りの答えのでない
問題が頭をめぐる
しかし
しげしげと
堂山優子を見てみれば
改めてよくこのルックスで
幼稚園に就職できたなあと
おもわれる風貌
しかし
メイクは上手で
雑誌「ノンノ」あたりを参考に
アイメイクは薄め
薄めながらも
これはという男子は
絶対に
落とすところは落とす
メイク
と自分の
化粧下手をおいておきながら
確信
さらに
持ち物チェックと
なにげなく見たバック
そこにささっている
あの雑誌は
もしや、
ええ、まさかの
ジャニ事務必達
必修読本の「ポポロ」
思わず心の中では
ファイティングポーズ
そしてこないだ
なけなしの金をはたいて
出向いたヨガでならった
獅子のポーズ
おぬしなかなかやるわね
体も心も若いとは
ヨガといいながら
カンフーでかまえたきり
うごけない
そんな状態
そこへ
モデル組はなにやら
もめている
お菓子がどうのこうの
なんだかんだ
早口で言い合っている
もしや
学生の二人は
元カノも同じサークルで
どちらかが
略奪愛
ドロドロの恋愛
そこにキューピッドのごとく
お酒なし
鍋パーティの女子会で
仲介役として
OG堂山優子登場
といったかんじ
妄想につぐ妄想
ああ、だめだ
やっぱり100パー
だめ
女子大はだめだめ
もめそう、やばそう
そして
このグループとは
うちとけられない
一人妄想で
顔に悲壮感が出そうなときに
「はじめますよ」
平川先生が呼ぶ声に
助けられた
なし