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KEYAKI の恋  作者: 玲於奈
6/13

民俗学者

なし

こないだ電話ですこし

研修の打ち合わせをしたが

あいかわらず

お年を感じさせないダンディさ


青い帽子に

茶のジャケット

ジャケットの中は

白い綿のシャツ

かなり若いいでたち

ジャニにも負けてない


とても

やまんばが出る

奥地に住んでいるとは

思えない都会派


「また、今年もみなさんと

 お会いすることができました。

 お元気でしたか?

 それでは、

 わたしのPCの準備ができるまで

 お隣と自己紹介を

 してください」


平川先生が手を打って

それぞれ隣同士が

雑談を始める


そうか

プロジェクターと

パソコンをつなげなければと

思ったが

元来。自分の興味のない

ジャニのHDD以外は

まったく機械はわからず

知らないふりをしていたが


なんのことはない

先生は簡単に

自らつないでいた


心配でそれを見つめていたら

完全に

自己紹介をする

タイミングを

失って

目をプリントに落としてだまっている


あわただしい受け付け作業で

気が付かなかったが

ちらりと

横目でみれば

量販店で買ったと

思われる吊るしの背広

30代前半


じろじろみないで

ちらりと横目にみながらも

黙っている


「あのう、立正の方ですか?」


向こうもどうしたもんだと

思いながらも

落ち着いた声で

はなしかけてきた


声のトーンは

低いバリトン

声楽科の私にはおあつらえむきのコース

いやど真ん中、ストライクかも



まさに、小学校、中学校と

家が近所の幼馴染といった雰囲気

お友達ゾーンといった感じ


あまり関わりたくないという

私のオーラを破り

おずおずとふしめがちに

むこうが自己紹介


都内の市立小学校教員

免許講習の単位として

この研修をうけにきたと語った


名前は、柳原邦男


どこかで聞いたような気がしたが

名前がでてこない


「ええっと、どなたかに似ていますよね」


言わないと

頭で思ったが

もやもや感がいやで

口をついて

思ったことを言ってしまった


相手は笑っている


「よく言われますよ。

 民俗学者の柳田国男でしょ」


「でも、やっぱり

 最近の子には、可奈子かな」


「高校への教育実習で

 女子に、かなこせんせい。

 かなこせんせいって

 つきまとわれてしまいました」


その話を聞いて

我慢するつもりが、笑ってしまった

しかも

思ったより

笑い声が大きくて

自分でも驚いてしまう


国男じゃなくて、かなこだったんだ


わたしもまだまだわかいじゃんと

思いつつ


わたしを笑わせるとは、

ジャニヲタ

大野君並の破壊力


なし

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