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*ナンアリ:ダイアリ*


記憶力と日記の話です。

今回は1000文字以内と割と短めです。


注意:古典ネタには自信がないのでは鵜呑みにしないでください。間違いがあれば修正します。あと別に紀貫之が嫌いなわけじゃないです。




 僕は物忘れがひどい。しょっちゅう何でもかんでも忘れてしまう。携帯電話を腕輪につけて持ち歩くようになったぐらいだと言えば程度のほどはわかると思う。そう、日常生活に支障がでるレベルだ。

 自分の物忘れのひどさについて考えていたら日記を付けるというアイデアが浮かんだ。我ながら名案である。男もすなるなんちゃらである。まあ、男なんだけど。夫の愛を感じれなかったり宮廷勤めだったり文学に憧れて上京したりって背景はないのだけど。今朝、からっぽだった財布にお金を補充したので幸いお金はある。善は急げだ。出先だったので近くにあったコンビニに入ってノートとペンを買った。買ったノートに買ったペンでもって日記を書きつけるのだ。

 よし。忘れないようにノートの表紙に『日記』と大きく書いておこう。

 それっ。

 下敷きや机になるものがなかったので字が汚くなってしまった。いやあ、汚い字だ。よし、家で書くことにしよう。よく覚えていないけれど家には机ぐらいあるはずだ。最悪、床に向かって書けばいい。

 何のために外へ出たのかも忘れてしまったのでそのまま帰宅することにした。「帰ったら日記を付ける」と繰り返し呟きながら帰る。……。死んでもよっこいしょとは言わない。

 さんざん道に迷ったけれどどうにか我が家にたどり着いた。鍵をどこへやったかさんざん探して、鍵を持ってき忘れたことに気づいた。閉め忘れである。なかなか不用心だ。

 ともあれ玄関を開ける。

 そして、そこで僕を待ちかまえていたのは何だったか。

 何だったか。

 それは、当然ながら子供を亡くしたネカマ役人ではなく、蜻蛉でもなく、紫式部でもなかった。


 ノートとペンの山だった。


おしまい




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