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鼠の嫁入り指南処―おむすび―

本話が最終話です。

(結ノ法……こんなものが使えるとは……)


僕は、ネズ子さんとネズ次郎さんの祝言の片隅で、

最初に出会った鼠の女性ハナさんにお酌をしてもらっている。


(人のご縁を結んでいたからかなぁ……)


「どうしたんです?おむすびさん。」


ハナさんが僕を覗き込む。


「黒さ……いえ、ユイです。」


「いろんな人から声を掛けられたわ。

ユイさんに、鼠の嫁入り指南をお願いしたいって!」


「ああ、そうですか……僕なんかでよければ……」


「アハハ!僕なんかですって!やだわ!」


ハナさんは元気に笑った。


「ユイさんにお願いしたいのよ!ユイさんに!」


人間だったときも、僕を指名して依頼してくれるときは嬉しかった。


いつしか、人が結ばれることよりも、

自分が指名されることや、成婚率を上げることに気持ちがシフトしていた気がする。

そりゃそうだ。

結婚5年目、そろそろ子供と思っていたときに、

嫁の不倫で離婚した僕。

人生では指名から落ちた僕。

日本の離婚率を上げた僕。


神様が、生まれ変わって「鼠の嫁入り」を指南して、

もっとたくさんの幸せを生み出せとお尻を叩いているのかもしれない。


それがお前の幸せだと……


「聞いてます!?」


ハナさんの声。


「ハッ……はい?」


「だから、もうユイさんのおうちを準備しましたから!

丘の木の根っこの穴。

看板も作ったの。どう?」


【鼠の嫁入り指南処―おむすび―】


「うわぁ……仕事ハヤイ。」


「みんなが待ってるんだから!頑張りましょうね、ユイさん!」


「え?ハナさんも……?」


ハナさんは胸を張った。


「そりゃ、ユイさん一人じゃ無理でしょ!」


「ご家族は?」


「旦那はね、結婚するときに、町の鼠のとこに御馳走を取りに行って、

人間に掴まって……それっきり。馬鹿でしょ?」


「町の鼠と田舎の……」


ハナさんは目を逸らして看板を手で拭いている。

僕は頷いた。


「わかりました!じゃあ、早速今から、結婚指南はじめましょう!」


「いいわね!」


僕たちは立ち上がった。


「よさそうなご縁があれば、ハナさんに紹介しますよ。」


僕がそっと言った瞬間、思い切り看板で背中を叩かれた。


「それ、次に言ったら、ユイさんをお餅にします!!」


「エェ――!?」


***

そこから僕は、鼠界隈では知らない者がいないほどの嫁入り指南となった。

西日本の鼠のほとんどは僕が結婚を取り持ったと言われるほどだ。


今、皆様の家にいる鼠も、僕が取り持った鼠夫婦の子孫かもしれません。


ああ、僕ですか?


僕は僕の幸せを……



それは皆さまのご想像にお任せしましょう。






(❀めでたしめでたし❀おしまい❀)


【R18/BL『終局の悪魔』完結しましたꕤ*.゜】

「愛してる」も「好き」も言えない二人の物語

優美な白髪高官ドルチェ×口の悪い赤髪悪魔フィーネ

ラブラブ❀ケンカップルのハピエンです ୨୧

R18版は、なろう版から1話追加して全52話

終盤のep.49~51もR18版として大幅に書き直しました

『【R18】終局の悪魔―俺を利用するはずの白髪高官が、なぜか俺の目を美しいと言ってくる―』

https://novel18.syosetu.com/n2839mt/

※18歳未満の方は閲覧できません

お気に入りのキャラクター・場面がありましたら★評価・感想を頂けるととても嬉しいです୨୧

一言でも考察でも大歓迎です⋆。˚✩


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