第1章 | パート13: 害虫駆除
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地下室の玉座の下は空気が湿っていて、血が
と粘液の生臭い匂いが肺を締め付けた。滑らかな洞窟の壁は、巨大な血管のように脈動する緑がかった紫色の粘液の層で覆われていた。隅々に立つ青い炎のトーチだけがかすかな光を放ち、ラストの仲間たちの影を壁に荒々しく踊らせていた。
男性の犠牲者の骨の山で作られた玉座の上に、ラストが座っていた。彼女の美しくも忌まわしい体は粘液で覆われ、その目は際限のない欲望を放っていた。侍女たちは左右にひざまずき、頭を下げ、直視しようとはしなかった。
彼女の前には、今や以前とは違う姿になった小さな角を持つ少年、ルイーズが立っていた。彼の額の角は、力が目覚めたことを示すかすかな光を放っていた。
「うふふ…うふふ…うふふ…」ラストの声が響き、甘くも脅威に満ちていた。彼女はその少年を頭からつま先まで観察し、ニヤリと笑った。「小さな子が大きくなったわね…角がもう活性化してる。お母さんの元に帰ってくる時が来たってことよ」
彼女は自分の腕に長く鋭い爪をこすりつけ、滴る血を舐めた。「わかってるでしょ?お母さんは一人でこの家族を築くことはできないの。あなたも参加しなきゃ。あなたは私のものよ」
ルイーズは固い目つきで母親を見つめた。以前のような恐怖の涙はもうなかった。しかし、彼の唇は震えており、まだ内面で葛藤しているかのようだった。
一人の侍女が突然前に進み出た。彼女の顔は残酷だった。
「お母様の言うことが聞こえないのか!」彼女はルイーズを地面に突き飛ばしながら叫んだ。
ルイーズはよろめいたが、自分の角を掴んだ。角は震え、そして…
ドオォォォン!!
彼の角から白い光が放たれ、その侍女に向かって爆発した。彼女の体は瞬時に粉々になり、血が部屋中に飛び散った。肉片が壁に張り付き、天井から落ちてきた。生臭い匂いはさらに濃くなった。
他の仲間たちは驚き、その顔は従順さから激しい怒りに変わった。「裏切り者!」彼らは一斉に叫んだ。一瞬で、何十もの屈強な仲間がルイーズに飛びかかった。一部は武器を抜き、一部は手のひらから闇の魔法を放った。
しかし、ルイーズはただ立ち尽くし、その目は冷たかった。
彼の角は再び光り始め、今度は以前よりも明るかった。
ドォン!ドォン!ドォン!
次から次へと爆発が部屋を襲った。血の雨が天井から滴り、肉片が飛び交った。死の叫びが粘液の爆発音と混じり合った。玉座の床は血の海と化した。
残った仲間たちは震え、この小さな少年が角一つで彼らを一掃できるとは思ってもいなかった。
ラストは立ち上がった。生きた粘液でできた彼女のドレスが、まるで怒っているかのように自律的に動いた。彼女の顔はもう微笑んでおらず、不機嫌さと苛立ちが混ざっていた。
「よくもやったわね、ルイーズ…あなたの兄弟を破壊するなんて。あれはあなたの血肉だったのよ。それが復讐だとでも?本当に母親に逆らうつもりなの?」
ルイーズは息を切らしていたが、その目は鋭いままだった。
「母親?あなたは僕の母親なんかじゃない。僕たちを奴隷にするために生んだだけのモンスターだ。僕はあなたのものじゃない。誰のものでもない」
ラストはかすかにクスクス笑ったが、その笑い声は次第に大きくなった。「ハハハ…ハハハハ!!私から逃れられるとでも思ってるの?その角があなたの力だとでも?違うわ、ルイーズ。あれは私が植え付けた贈り物よ。あなたは私の体から生まれた。あなたの血は私の血。その力を解放するたびに、あなたはお母さんにますます縛られる。誰があなたを創造したか忘れないで」
ルイーズは歯を食いしばった。「だったら…僕がその呪いをあなたと一緒に破壊してやる、お母さん!」
他の仲間たちは再び襲いかかろうとした。ルイーズは飛び跳ね、その小さな体は猛獣のように素早く動いた。彼は一人の仲間に頭突きをかまし、内臓をまき散らして爆発させた。血が床に流れ、足元を滑りやすくした。彼は手を振ると、角が光り、三人の仲間を同時に爆発させた。彼らの叫び声は長く響き渡り、玉座を満たした。
ラストはゆっくりと拍手をした。その目は荒々しかった。「いいわ…とてもいいわ…あなたの力は美しい。それが私が望んでいたものよ、ルイーズ。あなたは確かに私の子供ね。あなたは破壊を創造するために生まれた。お母さんの欲望に従うために生まれたのよ」
ルイーズは立ち止まり、胸を上下させていた。彼の両手は血で汚れていた。彼は周りの死体を見つめ、再び母親を見た。
「もし僕が破壊のために生まれたなら…あなたを破壊することから始めさせてもらう」
ラストの目は、怒りと、子供の勇敢さに興奮する気持ちが混ざり合って輝いていた。「いい言葉ね。でも、あなたには自分のお母さんの心臓を突き刺す勇気があるのかしら、ルイーズ?自分の仲間は殺せるけど、母親は殺せる?」
ルイーズは角を向け、光がますます明るくなり、空気を震わせた。
「僕はもうあなたの奴隷じゃないってことを証明してやる」
一方、メイとジョイは素早く忍び寄った。彼らの足音はほとんど聞こえなかった。彼らは影のように動き、シンプルな使用人の服は、二人が致命的な戦士であるという事実を隠していた。
メイは奇妙なシンボルで覆われた大きな木製の扉を開けた。中には、小さなオイルランプのある蒸し暑い部屋があった。二人の男が壁に縛られていた。
リアムは、だぶだぶのTシャツを着ていたが、筋肉質の体は鎖に抵抗して緊張していた。
カイトは、目はうつろだったがまだ決意に満ちており、手足は黒い毒に覆われた粗いロープで縛られていた。
「リアム!」メイは彼に向かって走りながら囁いた。彼女は使用人服の下から素早く薄い短剣を取り出した。短剣は一瞬輝き、シュレッ!とロープは一撃で切れた。
リアムは顔に汗をかきながらも、薄く微笑んだ。
「お前たちも入ってこれたのか…もう全滅したかと思った」
ジョイは冷たい目で見つめ、その表情は穏やかなままだった。彼はただ歩み寄り、カイトの手の鎖を引っ張ると、まるで普通の鎖であるかのようにそれを壊した。
カイトは咳き込んだが、かろうじて声を絞り出した。
「ありがとう…もう次の犠牲者になるかと思った…」
彼らが出る前に、黒い影が天井から飛び降りてきた。クモのような細長い体をしたラストの仲間が、ジョイの背中に着地した。その細い手は、異常な速さでジョイの首を締め上げようとした。
「ジョイ!!!」メイは叫んだ。
しかし、ジョイは落ち着いていた。まるで彼の体が鋼でできているかのようだった。彼は腕を広げ、締め付けに抵抗した。その仲間は、ジョイの首を折ることができると確信して、ニヤリと笑った。
だが、メイが素早く動いた。一瞬で、彼女の体は素早く動いた—それはアサシン特有の動きだった。彼女は旋回し、薄い短剣が輝いた。スッ!短剣はクモのような仲間の顎の下を正確に貫いた。血が噴き出し、敵の体は鈍い音を立てて転がり落ちた。
ジョイはため息をつき、埃だらけの使用人服を叩いた。
「相変わらず…行動が早すぎるよ、姉さん」
メイはニヤリと笑った。「私が1秒でも遅れてたら、あんたの頭は壁の飾りになってたわよ」
回復したばかりのカイトが真剣な目で二人を見た。
「ジロはどこだ?」メイは短剣の血を拭きながら尋ねた。
カイトは顔をこわばらせて振り返った。「彼は特別な部屋にいる。その部屋は…ラストが『遊び』に使う場所だ。何か…気持ち悪いものを見ても驚かないでくれ」
メイは歯を食いしばり、拳を握りしめた。「もしラストが彼に触れたら—」
ジョイが冷たい声で口を挟んだ。「始末しよう。他に言葉はない」
リアムが前に進み、深く息を吸った。「急ごう。時間を無駄にできない」
彼らは通路を急ぎ、ついにクリスタルで覆われた大きな扉にたどり着いた。扉は内側からゆっくりと開いた。その向こうから出てきたのはシンティアだった—彼女の白いドレスには血がついており、頬は赤く染まり、息が少し荒かった。
メイはすぐに駆け寄った。「シンティア!中に何があったの?何が起きたの?」
シンティアは慌ててうつむき、両手で顔を覆った。「あ、あの…何もないわ…ただ私…」彼女の声はどもり、今にも途切れそうだった。
後から追いついたピュタが疑わしげな目で彼女を見た。「なんで顔がそんなに赤いの?何か見たの?」
シンティアはさらにうろたえた。「違うわ!私…説明できないわ…」
ジョイは冷たく鼻を鳴らした。「話したくないなら、リアムに中に入ってもらおう」
リアムが前に進み、扉を大きく開けた。中の光がまぶしかった。部屋は巨大なキノコの根で満たされており、柔らかく光っていた。その中央には、黒いクリスタルの鎖に縛られた巨大な男—ジロ—が立っていた。
彼の体は背が高く、筋肉は硬直していたが、顔は黒い布で覆われていた。彼の体からは、心臓の鼓動と同期して、巨大なナラタケの根が部屋中に広がっていた。
リアムはしばらく黙っていたが、薄く微笑んだ。「これがラストが隠していた秘密か…」
一撃で、リアムは鎖を破壊した。金属が砕ける音が大きく響いた。ジロはよろめき、それからゆっくりと布の下から目を開けた。
彼は何も言わず、深く息を吸い、体が震え、それから部屋の隅にかかっていた服を着た。
部屋の隅で、メイはピュタにジロをちらりと見ながら囁いた。
「見た?あれ…」
ピュタはうつむき、顔を赤くした。「ええ…硬くそそり立っていたわ…鉄みたいに」
メイは小さな笑いをこらえたが、目は真剣だった。「シンティアには聞かれないように」
ジョイは冷たい目で見つめていたが、その目には少しの驚きが表れていた。
大きな衝突音が玉座の壁を揺らした。ルイーズの体は、額の光る角とともに、嵐のように暴れ回っていた。角が光を放つたびに、敵の体が飛び散って爆発し、血が床に飛び散り、部屋は赤い海と化していた。
「あぁぁぁぁぁぁ!!!」ルイーズは咆哮した。その体は血まみれで、目は赤く燃えていた。
残ったラストの仲間たちは襲いかかろうとしたが、次から次へと彼らの体は赤い霧と化した。彼らの叫び声は、肉片が飛び散る中で、消え去る前の長い悲鳴に変わった。
遠くから、シンティアは心配そうに彼を見つめていた。彼女はひざまずいたルイーズを抱きしめた。「もう十分よ、ルイーズ…その角の怒りにあなたの体は耐えられないわ…」
ルイーズは振り向き、唇から血を垂らしていたが、その目は燃え続けていた。「だめだ…全部破壊しなきゃ…何も残らないように…」
玉座で、ラストは開いた紫色の白いドレスを着て立ち上がり、その顔は怒りと狂気に満ちていた。彼女はまだ暴れているルイーズをちらりと見た。
「生意気な子…!裏切り者になるより、私の子供でいる方がいいと思ってたの?」ラストは叫び、その声は響き渡り、操縦で満ちていた。
ルイーズは冷たく母親を見つめた。「お母さん?あなたは決して僕の母親なんかじゃなかった。あなたが愛しているのは、あなた自身の欲望だけだ」
緊張が走った後、ラストは突然ニヤリと笑った。「それなら、私の怒りを感じなさい」
部屋の隅から、ギシッ…ギシッ…ギシッという音が聞こえた。床が震え、壁にひびが入った。
全員が振り返った。大きな穴の中から、数十の巨大な卵が孵化し、濃い粘液を放出した。
ゴオォン!
次々と、巨大な生物が現れた。彼らの体は人間型だが、鋼のような硬い殻で覆われ、目は赤く燃え、顎は鋭い歯でガチガチと鳴っていた。
ラストは大声で笑った。「ハハハハハ!ついに…私の本当の子供たちが生まれたわ!さあ、みんなまとめて片付けておしまい!」
カイトが最初に進み出た。彼は手を上げ、激しい風を放った。
ヒュウウウウウ!
しかし、モンスターの体はびくともしなかった。
カイトは歯を食いしばった。「くそ…こいつらは鋼のゴーレムより重い…」
ジョイが跳び、彼の鎖の剣が輝いた。彼は金属をこすり合わせ、火花を散らし、モンスターの一体になぎ払った。
ガシャアァン!大きな音が響いた。彼の剣は跳ね返され、モンスターの体はまるで鉄でできているかのようだった。
ジョイはシューッと音を立てた。「こいつらの体は…硬すぎる…」
私は毒の針を連射した。針は刺さったが、まるで鋼を突くかのように、チーン、チーン、チーンという音を立てただけだった。
「なんだこれ…私の毒すら効かないのか…」
リアムが前に進み出た。彼は黒く輝く黒曜石の剣を上げた。最も大きな仲間が彼に立ち向かった。
ガシャアァン!!!
最初の衝突で地面が震えた。リアムは押し、腕の血管が緊張し、汗が飛び散った。
「少しでも気を抜いたら…体が真っ二つになるぞ!」彼は呟いた。
その仲間は素早く攻撃し、その手は長い黒い剣に変わった。リアムは受け流し、金属の火花が飛び散った。
戦いは激しく—拮抗していたが、疲れ果てていた。
リアムが耐えている間、メイは影に走った。アサシンの本能で、彼女はモンスターの背後に忍び寄り、飛び上がって、その頭に薄い短剣を突き刺した。
クラック!
短剣は刺さったが…突然折れた。
メイの目が大きく見開かれた。「え…?!私の短剣が折れた?こんなことは今までなかったのに…」
そのモンスターは腕を振り回し、メイの体を壁に叩きつけた。ガシッ!彼女の体は激しく吹き飛ばされ、口から血が出た。
「メエェエェエェイ!!!」ジョイが叫び、その目は赤く燃え上がった。彼の怒りが爆発した。彼は鎖の剣をモンスターに向けて連射した。
ガッ、ガッ、ガッ!その攻撃はモンスターに降り注いだが、体にはわずかな傷しかつかなかった。
モンスターは反撃し、その剣はジョイの頭を真っ二つにしようとした。
最後の瞬間、シンティアが氷の魔法を放った。鋭いクリスタルが噴き出し、ジョイとモンスターの間に氷の壁を形成した。
クラアァアァアァアシュ!モンスターの剣は氷に突き刺さり、ひび割れが急速に広がった。
シンティアは息を切らし、顔は青ざめていた。彼女はまだ弱っているルイーズを膝に抱きしめていた。「私…長くは持たない…」
モンスターはさらに強く押した。氷の壁のひび割れはさらに広がった。パニックの中、シンティアは魔法を強めようとしたが、魔力が尽きかけていた。
クラアァック!氷は砕け散った。モンスターは防御を突き破り、素早い動きでその手をシンティアの胸に突き刺した。
スシャアァアァ!!!
血が噴き出した。
シンティアの目は見開かれ、体は震え、そして彼女はゆっくりと、まだルイーズを抱えたまま、倒れていった。
「シィィィンティィィアアアア!!!」叫び声が響き渡り、玉座を満たした。
素敵な日曜日をお過ごしください




