第36話
仕事が忙しく寝る暇もない。
そんな日々を送り身体も心も悲鳴を上げていた男に目を疑う情報が舞い込んだ。
24時間起き続けられる方法とはいったい?
24時間起き続けた男の顛末は・・・
「ここはどこなんだよ!
はぁっ、あいつは何なんだよ!」
建物から出ると繁華街の様だった。
私は深呼吸をし、息を整えて出来るだけ冷静を装って人混みに紛れた。
肩で息をするのを出来るだけ抑えて、ゆっくりと歩いた。
すると肩を叩かれ声を掛けられた。
私は血の気が引き振り返ると、
「お兄さん、いい娘いますよ、寄って行きません?」
と客引きの男だった。
「……結構です。」
私は男にそう告げて、力無く歩き進めた。
(私はこれからどうすれば…)
「そんな事、言わずにさぁ。
元気無さそうな顔して、嫌な事でもあったんでしょ?
ほら、ウチに来たら元気になれるよ。」
と男がさらに詰め寄ってきたのでイライラしたが、絶望感が強く、面倒は起こさず一刻も早くここから遠ざかった方が良いと思っていた私は笑顔で、
「お兄さん、ありがとう。
ごめんね、また今度来た時に寄るからさ。」
と告げると、男はそれ以上は私につきまとわず、違う男性に近寄って行った。
暫く歩きポケットに手を入れると財布が入っており財布の中身は無事で、もう一つのポケットに入っていたスマホはバキバキに画面が割れて電源がつく事は無かった。
あなたは寝てくださいね。