第32話
仕事が忙しく寝る暇もない。
そんな日々を送り身体も心も悲鳴を上げていた男に目を疑う情報が舞い込んだ。
24時間起き続けられる方法とはいったい?
24時間起き続けた男の顛末は・・・
深夜、私は会社に着くと周りを見渡してから建物に入った。
来客用のソファーに倒れ込み、大きく息を吐いた。
(オレは犯罪者でもないのになんで逃げ回っているんだ…)
自分のテリトリーにいる安堵感から私は眠りについていた。
目が覚めると私は見知らぬ場所にいた。
ボロボロの物置の様な家だった。
握り締めていた1枚の写真を見ると、私は衝撃のあまり口を覆った。
(テストで見たアンドロイドじゃないか…)
その人物が女性と子供と笑顔で写っている写真だった。
私は写真を手放し、後退りする様に外に向かった。
壊れたドアを開けると、そこは漁港が直ぐ傍にあった。
「どこだよ…ここ」
腕時計を見ると、午前10時42分。
日付は私が眠った日から5日が経過していた。
(5日…5日間が経っている…寝ている間に?どういう事だ…)
混乱した私はその場でしゃがみ込んで動けなくなってしまった。
暫くすると1人の男が私に話しかけてきた。
「おめぇ、何してんだ、こったら所で?」
あなたは寝てくださいね。