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第23話
仕事が忙しく寝る暇もない。
そんな日々を送り身体も心も悲鳴を上げていた男に目を疑う情報が舞い込んだ。
24時間起き続けられる方法とはいったい?
24時間起き続けた男の顛末は・・・
駅に向かって歩き、人通りが多い場所に出ると私は妙な高揚感に包まれた。
(私がアンドロイドだと言う事を誰も知らない)
そう思いながら私は人混みに紛れ、込み上げてくる笑いを噛み殺した。
「古川、直接会うのは久しぶりだな。」
こうして時間が確保できる様になった私は家中にお礼も兼ねて会う約束をしていた。
「家中、君のおかげでこうして正気を保ってられるよ、ありがとう。」
「あぁ、オレも今交代している。」
家中も私が知っている家中にしか見えなかった。
「これは交代している家中に気付くヤツはいないな。」
「あぁ、お前くらいだな。」
そう言って私達は学生の頃に通っていたバーで酒を飲んでいた。
「こんな事が現実に起こるなんて、家中から話を聞かなかったら今頃私は廃人になってたよ、ありがとう。」
私は家中にようやくお礼を言う事ができ、これからの会社の行末についてゆっくりと話をした。
あなたは寝てくださいね。