第16話
仕事が忙しく寝る暇もない。
そんな日々を送り身体も心も悲鳴を上げていた男に目を疑う情報が舞い込んだ。
24時間起き続けられる方法とはいったい?
24時間起き続けた男の顛末は・・・
キッチンにあった私の好物のカレーと唐揚げを食べると、目からポロポロと涙が勝手に溢れ落ちた。
「オレは本当に人間だったのだろうか?
今のアンドロイドのこの感覚の方がよっぽど人間らしさを味わえているんじゃないか?」
時間が欲しいと願った私はゆっくりゆっくりと噛みしめて飲み込んだ。
食事が済み身体の感覚にも慣れてきたので、私は仕事をする事にした。
事前に持ち込み部屋のデスクに察知されているPCを操作する。
「目の見え方、視力も違うな。
私よりも若干悪いのか?
これが身体能力の差という事か。」
仕事に没頭していると部屋のドアが開く音がし、伊達が入ってきた。
「古川様、体調はいかがですか?」
「あぁ、悪くないです。
こうやって仕事も出来るし、自分の身体との違いも慣れてきましたよ。」
「左様ですか、何よりです。
古川様ご本人のお身体の調査が終了致しました。
本日はこれから元の身体にお戻り頂きます。」
「わかりました。
そういえば、この身体になってからどのくらいの時間が経ったんですか?」
「5時間程です。
本日の稼働状況ですと8時間は問題無いと思われますが、初回ですので念の為早めにお戻り頂きます。」
「わかりました。」
あなたは寝てくださいね。