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全人類の女性の平穏の為にうちの変態兄を隔離しておこう!絶対に逃さない!

義兄への狂愛がバレた日

作者: 青空のら

 本作品は『全人類の女性の平穏の為にうちの変態兄を隔離しておこう!絶対に逃さない!」

https://ncode.syosetu.com/n2629hv/

のサイドストーリーです。

『私の兄さん』


「私の兄は妹思いの素敵な人です。もっと言うと思いやりのある最高に素敵な男性です。

 兄はいつも私を見守ってくれています。隠れて見守ってるつもりなのでぱっと振り返ると姿を隠そうとして慌てます。その姿を見るとホッコリします。おいたは駄目と、めっと睨みつけると主人に怒られた犬みたいにシュンとするので怒れなくなります。年上のくせに卑怯だと思います。

 たまに本気で私の姿を見失ってオタオタとしている時があります。そういう時は後ろに回り込んで背中を指で突いて驚かせます。

『死ぬほどびっくりした!』

と呟く主語が

『妹を見失って』

だという事を知っているので、戒めを込めて兄の頭をギュっと抱え込みます。

 夕食時は

『妹と一緒だとご飯が美味しく食べ過ぎちゃうよ。太っちゃうな!』

と言ってますが、食事前にカロリー消費と称して筋トレしてます。なので、これ以上筋肉をつけてムキムキマッチョにならない様に釘を刺そうと思っています。抱きついたら筋肉に弾き飛ばされるなんて想像するだけでも痛そうで嫌です。


 そんな兄は私にとても甘いです。

 お出かけ用の新しい服が必要になると店まで連れて行ってくれます。

『どれ着ても似合うのはわかりきってるんだから!』

と言い試着もせずに買おうとします。

『ここからここまで全部ください!』

 ほくほく顔で袋詰めを始める店員を慌てて止めます。我が家の収納スペース的に無理。そう嗜めると

『新しい家を買うか』

とボソリと言います。服のために家を買うなんて聞いたことありせん。ちょっとポンコツです。

 またある日

『小さい頃、兄さんのお嫁さんになるって約束した事覚えてる?』

と聞いた時には

『兄妹で結婚は無理だから妹が結婚する時は新築の大きな家をプレゼントしてあげるよ』

と平然と言い放ちます。残念ながら女心の分からないニブチンです。


 あまりにも気になるので、好みのタイプはどんな人なんだろうと観察しても特に女性に興味のない様子でした。もしかして男性相手なの!?と今度は男の人に対する様子も観察しました。でも特に男性に対して興味があるような素振りは見せませんでした。どうやらただの妹思いの優しい兄の様です。


 ある時不意打ちで

『私たちが実の兄妹じゃなかったらお嫁さんに貰ってくれるの?』

と聞いたら

『そりゃ大好きな妹だから喜んでお嫁さんに貰うよ』

との返事です。言質を取りました。完全勝利です。

『でももう少し大きくなったら素敵な彼氏を作って兄の事なんて毛嫌いするのさ』

と寂しそうに言います。妹が結婚してあげると言ってるのに信じないとは何という兄でしょうか?ショックです。

 

 なので、最近は兄を大好きな事をわからせようとしています。

 少しでも嬉しい事があれば抱きつき、プレゼントのお返しにはほっぺに接吻してあげます。唇はまだ勇気が出ません。未だに慣れないようで、一瞬身体が固まるのは初心で可愛いと思いました。

 さらに怖い夢を見たと部屋に押し掛けベットに潜り込んで添い寝を要求したり、お化け屋敷でお化けに驚いた振りをして抱きついてお姫様抱っこを要求したりと色々と好意を振りまいています。そして未だに手を出して来ないほど大事にされてます。

『義妹といえ妹は妹だから』

とポロッと自爆していましたが、私がこの家に来た当時は三歳だったのでちゃんと記憶があります。義兄と呼ばなかったのはその方が気持ちが盛り上がると思ってるからで他意はないです。


 こんな優しくて素敵な兄を世に放つのは血眼になって結婚相手を探している野獣に取って食われるだけなので隔離しておきたいです。私が責任を持って旦那様にしたいのですが知ってか知らずか

『結婚相手は妹が結婚したらそれからゆっくり探すさ』

なんて最悪な答えを返して来ます。女の決意を、女の若さをなんだと思っているのでしょうか?私は不満です。

『ネットを活用すれば自宅にいてリモートワークで働けるんだよ』

と言ってますが会社を立ち上げて社長職に就いているのは届いた郵便物を漁って知っています。

『将来生まれてくる妹の子供達の為に貯蓄している』

と戯言を宣っていましたが、今すぐに私に愛を囁くのが先だと思いませんか?私は思います。


 最後にうちの兄は妹思いで甲斐性のある素敵な男性です。なので、当事者たちが好き合ってるなら外部者が割り込んで来るのはナンセンスです。

 私は兄が好きですし、義兄妹で法的にも問題なし!!兄が渋ってもまだまだ時間があるで口説き落とす事をここに誓います!!」


-----------


とある一室にて

「どうしてこれがここにあるの!?確かに提出したはずなのに!えっ、嘘!!提出するの間違えた!!!」

 少女の止まない絶叫がこだまする。

 彼女の机の上から提出したはずの作文が発見された。その事実と引き換えに隠していたはずの書き直す前の作文はどこを探しても見つからなかった。

『全人類の女性の平穏の為にうちの変態兄を隔離しておこう!絶対に逃さない!』


ある少女が学校に提出した問題のある作文、、、『ヤンデレ』


『義兄への狂愛がバレた日』


ある少女が学校に出そうと書いた作文、、、『ブラコン』


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