学園へ
そのまま、何事もなかく月日は流れ私は学園へ行くことになった。黒髪を無造作に一束にまとめて、リボンで結ぶ。そうだ、もし白猫が転生してた時に分かるように、黒いお面を見えるところに付けよう。だが、令嬢が黒い面をするなど、不気味で仕方ない。ならば、お面を魔法で小さくする。大体人差し指と親指で輪を作った時と同じくらいの大きさだ。これをリボンに括り付ければ、少し不気味だが、髪飾りに出来る。どうせ、黒髪ということで軽蔑されるんだから、これくらい大差無いだろう。ついでに私がオーダーメイドした逆さまに刃のついた鎌もあるし、腕輪にして学園に持って行こう
「お嬢様、時間です。馬車にお乗りください」
呑気にこんな事をしている間に、馬車が来てしまったようだ。執事が扉越しにそう呼びかけてくるのが聞こえる。さて、いよいよ学園か。
馬車の扉が開く。学園についたのかと思ったが、そうではないようだ。見渡してみるが、何もない。どう言う事なのだろう
「お嬢様、学園へはこの道をまっすぐでございます。学園の決まりで従者は此処までしかこれません。どうかお気をつけて。」
そう言うことか。では、早く学園に行くとしよう。私は道をまっすぐあるいていく。学園は、レンガ壁に青色の屋根という洒落た建物だった。だが、どこか違和感がある。何かの魔法がかけられているようだった。攻撃系統ではないのだが、この感じは多分隠蔽だろう。私はそこまで魔法に詳しくないのだ。初級は一通り使えるが、魔法担当は白猫だ。なぜ、隠蔽をかけてるのだろうか?私が入っていくと、もうある程度の生徒が揃っていた。指定された列に並び数分待っていると学園長なのだろう老人が生徒の前に立った。
「諸君、合格おめでとう!」
どういうことなのだろう、だが、私だけでなく皆んな混乱しているようだった。
「皆、わからぬようだな?実は、この学園に入れることが合格の条件なのじゃ。この学園には儂が隠蔽魔法をかけている。つまり、それを解くか見破るかをしなければ学園の門を通ることができぬのじゃよ。」
なるほど。そういうことだったのか。てっきり敵か何かきら身を守るためだと思っていたが、試験とは。それにしても、私のレベルで見抜けるとは、そこまで難しいものではないのだな。まぁ、そこまで本気で魔法をかけたのでもないのだろう。あくまで生徒の素質を見るためなのだから。
「それにしても、今年は優秀じゃの。魔法を見破るのが、みんな早いわい。中でも…アルディアーナ嬢が一番だったの。まるで最初からわかっていたようだったわ。そうじゃ、此処で一つ。この学園は皆に平等じゃ。爵位の高さによる差別などは認めん。みんな同じ生徒じゃからの。」
のんびりと笑う学園長。私が一番だったのか。同学年には大した奴は居なさそうだな。