町に着き、大ピンチ
第5話、後悔
初めての町と、新しいキャラの登場です
「&"&-+"*"¥€•~!」
「¥#@%&--%3¥!」
「&¥#¥%%#√|〜」
町に到着すると、聞き慣れない言葉が耳に入る
そうだった、すっかり忘れてた、この世界では日本語は通じない、来る前にイルセに通訳の魔法でもかけてもらえればよかったと思ったが、少し考えて気がつく
そうだ、自分は人探しをする訳でもなければ買い物に来た訳でもない、ただこの町、並びに国がどんな雰囲気なのか見に来ただけ、つまり会話の必要は無いのだ、安心して少し町を歩いてみる
外観は中世のヨーロッパといったところか、町の中はゲームなら陽気なBGMが流れてきそうな雰囲気であり、道行く人々も笑顔で溢れている
(海外旅行に来たみたいで、ちょっといいかも)
町を歩き回っているとその陽気さにこちらまで顔に笑みが浮かぶ、言葉はわからずとも周りが笑顔を浮かべているとこちらも訳もなく嬉しく感じる
ふと、広場らしき場所に着くと何か紙が掲示板らしきものに貼り付けられているのが見えた
近づいてみると紙には異世界のものらしき言語と似顔絵が描かれてあった、これは多分───
(手配書、かな)
漫画やゲームでしか見たことがないが、形は確かに手配書に似ていた、やはりどこの世界でもこういった手配書が作られるほどの犯罪者もいるのかと思う
ふと、掲示板を見ていると1番上に目立つ様に貼り付けられている手配書に目を止める
描かれている似顔絵はRPGゲームのテンプレート的な魔法使いか賢者といった風貌の老人が描かれていた、この老人が何をしたのかはわからないが1番上、しかも目立つ様に貼られているということは何か重大なことをしてしまったのだろうかと考える
(会うことはないだろうけど、注意しておこう)
一通り見たあとその場を離れることにする
(そういえば今何時だろう?)
イルセが言っていた1時間まではまだ時間はあると思うがやはり待ち遠しい、とりあえず店を見て回ろう、確か先程少年から貰ったリンゴに似た果物や住んでいた世界で売っていた野菜に似たものが沢山売られていたんだった、と考えていると
「───@¥%&」
声がする、誰か待ち合わせしている人でもいるのかと辺りを見る、と
突然、腕を掴まれる
(────!?)
パニックになって腕を振り払おうとするが力が強く振りほどけない、まさか先程見た手配書の犯人が来たのか、と考えて腕を掴んでいる人物の顔を見る、するとそこには─────
銀色の長髪と鋭い青色の瞳を持つ眼鏡をかけた青年がいた
(────はい?)
別の意味でパニックになる、先程見た手配書にはこんな青年はいなかった筈、当然自分の知り合いでも決してない、なのに何故自分はこの青年に腕を掴まれているのか
(もしかして人違いでもしているのか?)
そう考えて青年の顔を見る、が、青年はこちらの顔を真顔でじっと見つめたまま動かない、うう、沈黙が痛い、どうしようと考えていると青年が1枚の紙を見せる、そこには魔方陣が描かれていた
(いや、そんなもの見せられてもこれっぽっちも覚えは────)
そこまで考えて思い出す、そうだ、あの魔方陣は自分がこの世界にきたときにあったもの───!
「─────&%##%@#%%#?」
青年が眉間にシワを寄せて話しかける、ああ、やはり通訳の魔法でもかけてもらえればよかったと今更後悔する、今現在自分がこの青年から逃れられる方法は、無かった
第5話、投稿
この青年の正体は果たして何なのか?