運動会の朝
運動会の季節は春でしょうか、秋でしょうか
ウチの地域は 5月末でしたね!
子供の行事は 親は子供以上に本気モードで挑みますよね!
運動会
運動会の朝は
父兄にとって戦争の始まりです。
学校からのプリントでは
「前日からの場所取りは禁止します」
このルールが施行される以前は
前日の放課後、生徒さん達が帰ってから
生徒の父兄が続々と校庭に現れ
まるで特殊工作員のように手際よく場所取りの為のレジャーシートを敷き詰めて設置していくという状況でした。レジャーシートを敷き、レジャー椅子やペグでシートが飛ばないように固定、シートに名前を書いた紙を貼り付けて出来上がりです。
運動会当日、生徒が登校する時間には
校門から校舎にたどり着けないほどに
色とりどりのレジャーシートの海が運動場に広がっているのです。
高学年の親達は この仁義なき戦いを戦い抜いてきた猛者どもですから 運動会前日に場所取りに暗躍し、当日は競技が始まる時間に悠々とやってきます。
問題は新入生の親御さんと
おじいちゃんおばあちゃんですよね。
結構朝早く準備したぞ
さあいい場所取って
写真撮るぞ と意気込んで登校したら
すでに校庭はレジャーシートの海です。
「あちゃー」ですよね。
新入生の親からのクレームが殺到したのか
前日からの場所取りは禁止され
運動会当日、早朝からの領土戦争勃発となりました。
なんといっても1年に一度、
我が子、我が孫の晴れの舞台です。
他人の事なんか構ってられません、
喧嘩上等因縁上等ゴリ押し上等です。
学校からのプリントには
「朝6時より前に設置されていた場所取り用のレジャーシート等は 落し物として撤去させていただきます」
とあります。
開戦時刻は6時!
当然校門前には6時の開門を待つ父兄の列ができます。
6時の開門からダッシュで場所取りです。
誰もが良い場所を確保する為、
血で血を洗うような戦いがはじまる、
まさに
「絶対に負けられない戦いがそこにある」のです。
弱者の脚を引っ掛けて転ばせて
より良い場所を取るも良し
閃光弾で敵の目をくらますも良し
前日の場所取りは禁止されていますが
穴掘りは禁止されていないので
落とし穴を掘る猛者が居てもおかしくありません!
そう
「絶対に負けられない戦いがそこにある」
朝4時
まだ日が昇る前から
我が家の戦いは始まります。
お弁当の準備をしつつ
旦那様の布団を引っぺがし叩き起こします。
起きて!戦争はもう始まってるのよ
遊びじゃないの
悲しいけど これ戦争なのよね!
旦那を無理やりバスルームに押し込んで
シャワーを浴びさせ覚醒させます
目覚めよ兵士よ!
ああもう校門前には人集りが出来てるかも!
焦るわ焦る。
前日に仕込んでおいた
息子の好きなチキン南蛮
そして私の得意な卵焼き!
そうよ 卵焼き用の四角いフライパンを買ってから息子には好評なの。
「ママはりょうりのてんさいだね」
おーーほっほっほ
もっと言ってもっと言って。
ああ もう5段重ねの運動会用お弁当箱
2段くらい丸々卵焼きにしようかしら。
旦那がお風呂から出てこない。
覗いてみると暖かいシャワー浴びながら
立ったまま寝てた。
ちょ、どんだけ器用なの。
だけど
軍隊にはそんな軍法違反は許されない。
私は リビングの壁に付いてる
ガス給湯器のリモコンの主電源をオフにした。
お湯は数秒で冷水に変わる。
お風呂場から旦那の悲鳴が聞こえた。
悲しいけどコレ戦争なのよね。
給湯器のスイッチを入れて
お湯が出るようにしてあげる
旦那二等兵、作戦を実行せよ。
しばらくして眉間にシワを寄せた旦那が
シャワーから出てきた。
握ったオニギリの1つを渡して臨戦態勢
玄関に準備しておいた巨大レジャーシートに
ガムテープにレジャー椅子、
そうだ日除けのパラソルは禁止なんだった。
よしこれで武器は確認。
旦那二等兵 出撃だぞ。
⋯⋯
⋯⋯ ⋯⋯
玄関カタパルトに旦那二等兵が現れない。
どういう事?
通信兵!状況を報告セヨ!
我が軍に 通信兵はいないんだった。
リビングに戻ると旦那二等兵が消えている。
敵前逃亡か!重罪だぞ!!!
トイレから
うーん うーん と二等兵の唸り声。
⋯⋯ いたしかたあるまい。
上官は生理現象には寛容なのよ。
しばらくして漸く二等兵が戻ってきた
出撃だぞ たのむぞ 我が国の命運は君にかかっている
でも一応確認しておこう
「トイレ シューした?」
消臭剤は大変重要である。
場合によっては死人が出る恐れさえある。
二等兵は 小走りでトイレに戻っていった。
危ないところだった。
よし
準備万端 視界良好
状況開始!
旦那二等兵出撃である。
戦場の最前線 校門までは車で 6分。
頑張って!勝って来るのよ!!
「あれ?エンジンかからない」
oh NOー!!!!!!!!
思い出した
昨夜 車内に転がったボールペンを探して
ルームランプを点けっぱなしにしていたみたい
それでバッテリーが上がっちゃったんだ
ああ私のバカバカ なんて事。
旦那二等兵はしばらく
顔文字みたいな顔をしていたけど
靴をランニングシューズに履き替えて
「走る!」
とだけ言って 出撃して行った。
ああごめんよ 旦那二等兵。
私は慌てて JAFに電話して バッテリー上がりを直してと要請した。こんな朝からごめんよJAFの人。
30分で JAFの人が来てエンジンかけてくれた
戦場において後方支援は本当に大切である。
再びお弁当の準備に戻る。
息子くんの好きな梨を剥いて
切ってお弁当箱に詰める。
ミニトマトとレタスも詰めて色とりどり
ウインナーもタコさん型にして と
あとは小さめのオニギリを並べて
ドレッシングを小瓶に詰めて
よし完成!
オシボリとゴミ袋も入れて
レジャー用のミニテーブルは、
あ、車に積んだんだった。
ああ もう息子くんを起こさなきゃ。
起きてーー 主役さん。
これがまた まったく無反応
遅くまで興奮して眠れない様子だったし
お前もかー!
起きろー!
戦争は始まってるのよー!!
テーブルに着いても朝ごはん食べながら寝てるし
旦那二等兵と全く同じじゃん。
息子くんの準備が出来た頃
旦那二等兵から電話が来たわ。
「ミッションコンプリートです ドーゾ!」
聞くと 校門にはすでに15人くらい並んでたって。
おそるべし!
競技開始にはまだ1時間くらいあるし
カメラとかは旦那二等兵じゃないとわからないから
あとは二等兵の帰還を待って競技時間に合わせて出撃するだけ。
「行ってきまーーーーす」
主役の出撃を見送る私。
がんばって!
後でパパとママで一緒に行くからね。
徒競走は腕の振りがダイジよ!
「うんうん!」
いい返事ね主役くん
そうだ ゆうべ
クラスの好きな子の名前を聞いたんだった
旦那二等兵に自然な感じで 好きな子ちゃんと息子くんの一緒の写真を撮るという 最重要ミッションを伝達しておこう。あはは。
あ
旦那二等兵が帰還したわ
うむうむご苦労ご苦労
我々の出撃までの暫しの間、珈琲で一息つこう。
やっと座れるわ
旦那二等兵はまた顔文字みたいな顔して私をみてる
なんだろう?
「まだ 支度終わってないの?」
は?なにを なにを言っておるのだね
旦那二等兵くん!
もうお弁当も持ち物も完璧におわっているのだよ
あれ?旦那二等兵が顔文字のままだ。
⋯⋯
ああ!私がスッピンだった!
学校の運動会をみると
子供達が地域全体に見守られて
応援されているんだなぁと強く感じますね。
読んで頂きありがとうございます!
また遊びに来て下さいね!